Health 2.0 Asia-Japan 2018で、スタートアップ6社がピッチ——肩こり・腰痛予防対策「ポケットセラピスト」のバックテックが最優秀賞に

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Image credit: Masaru Ikeda

医師集合知サービス・医師向けコミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは5日、東京でヘルステック特化カンファレンス「Health 2.0 ASIA – JAPAN」を開催し、その中でピッチコンテストを開催した。ピッチには、日本国内からは6社参加した。このコンテストの審査員を務めたのは次の方々。

  • 原田明久氏(ファイザー 代表取締役社長、医師・医学博士)
  • 加藤由将氏(東京急行電鉄 東急アクセラレートプログラム 運営統括)
  • 小林賢治氏(シニフィアン 共同代表)
  • Georgia Mitsi 氏(Senior Director, Head of Digital Health Care Initiatives, Sunovion Pharmaceuticals)
  • 宮田拓弥氏(スクラムベンチャーズ 創業者/ジェネラルパートナー)
  • 寺尾寧子氏(ヤンセンファーマ 研究開発本部 クリニカルサイエンス統括部 開発企画部 部長、薬学博士)
  • 堤達生氏( General Partner, Gree Ventures)
  • 梅澤高明氏(A.T. カーニー 日本法人会長)
  • 渡辺洋之氏(日本経済新聞社 常務取締役 デジタル事業担当)
  • Matthew Holt 氏(Co-Chairman, Health 2.0 LLC)
  • 石見陽氏(メドピア 代表取締役社長 CEO、医師・医学博士)

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【最優秀賞】ポケットセラピスト by バックテック

副賞:賞金100万円、13th Health 2.0 Annual Conference(2019年9月シリコンバレー開催)への2名参加

バックテックが開発する「ポケットセラピスト」は、京都大学大学院医学研究科の研究成果である腰痛タイプ判定アルゴリズムを用いて、ユーザに最適なエクササイズの提案や腰痛タイプに合わせた優良治療院を紹介してくれるモバイルアプリだ。

ユーザはアプリを使って、腰痛に関するセルフチェックを行う。状態とニーズの判明後、最適な治療院とのマッチングが行われ、必要に応じて Skype での専門家との相談も可能だ。各企業の健康経営の施策の効果判定を支援する「アセスメントプラン」と、肩こり・腰痛の軽減による生産性の向上を支援する「ソリューションプラン」を提供しており、B2E モデルによりビジネスを確立しつつある。

2014年10月に京都大学の起業家養成プログラム「Global Technology Entrepreneurship Program」から輩出されたバックテックは、2016年4月に法人を設立。同年9月にサイバーエージェント・ベンチャーズから、今年5月に日本ベンチャーキャピタル、JR 東日本スタートアップから資金を調達している。調達金額はいずれも非開示。

以下はファイナリストに残りつつも、入賞ならなかったチーム。

AI 問診 Ubie by UBie

Ubie は昨年5月、東京大学医学部附属病院出身の医師である阿部吉倫氏と、医療情報サービス大手エムスリー出身のエンジニアである久保恒太氏らにより設立。「AI 問診 Ubie」は専門医の監修による AI 問診で、自動カルテ文書生成を行う医療機関向け SaaS。今年5月に、関西電力の CVC である関電ベンチャーマネジメント(KVM)からシリーズ A ラウンドで推定3億円を調達している。

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Office Natural Frozen Fruits「HENOHENO」 by デイブレイク

デイブレイクは、急速冷凍や特殊冷凍技術を持つフードテック企業。高級国産フルーツを、特殊冷凍技術で凍らせて届けるブランド「HENOHENO」を展開している。特殊冷凍であるため、味や香りが飛ばずに風味が残り、栄養が生のものより豊富で、氷の結晶が細かいため食べやすいなど特徴がある。

遠隔集中治療支援システム「T-ICU」 by T-ICU

T-ICU は遠隔地から集中治療医や専門医が、現場の医師や看護師から提供された情報をもとに24時間アドバイスし、現場の医師や看護師の負担を軽減するシステムを開発。集中治療医は遠隔地に居ながらにしてカルテの病歴とバイタル情報を中心に診療方針の検討が可能になる。病院にとっては、集中治療医を新たに雇うコストよりもはるかに安いコストで専門医サポートが可能となる。

今年6月に、Beyond Next Ventures から資金調達を実施している(調達ラウンド、調達金額は不明)。田辺三菱製薬アクセラレーター2018 に採択され、優秀賞を獲得している。

炎症性腸疾患患者の遠隔モニタリング by ジーケア

ジーケアは、炎症性腸疾患(IBD、Inflammatory Bowel Disease)の遠隔モニタリングに特化したスタートアップ。特に IBD は刻々と症状が変化するため、モバイルアプリを使った症状の把握によりタイムリーな治療が有効。現在、潰瘍性大腸炎(UC、Ulcerative Colitis)の患者を対象としたモバイルアプリを開発中だ。田辺三菱製薬アクセラレーター2018 に採択され、優秀賞を獲得している。

大人の ADHD のためのセラピー AI by HoloAsh

HoloAsh は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)障害を持つ人がキャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」と表現されるアプローチをとるソリューション。今年、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。調達額は不明。

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