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在タイ日本大使館とタイ財閥最大手のCPグループ、越境オープンイノベーションイベント第2期を共催——日本スタートアップ10社がバンコクに集結

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在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部…

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部だ。

タイ財閥の多くは、その組織の大きさからデジタル化経済の恩恵を十分に得られていないことが多い。日本では大企業がスタートアップと協業することで(オープンイノベーション)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうとする動きがみられる一方、タイにおいては、現地スタートアップが得意とするバーティカルの特性上、オープンイノベーションで DX が進むのは少し先のことになりそう。

そこで、OIC では DX に役立ちそうなバーティカル(AI、ロボティクス、IoT、物流)をリードする日本のスタートアップのうち、特にタイをはじめとする東南アジア市場への進出に関心が深いチーム10社を選びバンコクに招き、彼らの力を使ってタイ財閥を DX することに主眼に置いた、クロスボーダーのオープンイノベーションを狙う。CP グループほか、財閥傘下の事業会社の代表が直接ピッチを聞くため、トップダウンでディシジョンメイキングがなされ、PoC を始めとする協業の話が進みやすいのが特徴。

左から:Thanasorn Jaidee 氏(True Digital Park 社長)、Nuttapon Nimmanphatcharin 氏(タイ depa=デジタル経済振興庁 CEO)、Soopakij Chearavanont 氏(CP グループ会長)、Kobsak Pootrakool 氏(タイ政府首相補佐官)、佐渡島志郎氏(在タイ日本大使館 特命全権大使)、John Jiang 氏(CP グループ Chief Digital Officer)
Image credit: Masaru Ikeda

去る11月2日、ウミトロン 〜 CP Foods(タイ財閥 CP Group 傘下の食料品会社)、GROUND 〜 WHA(タイの事業用不動産デベロッパ大手)、スカイディスク 〜 TTCL(タイのエンジニアリング大手)、凸版印刷 〜 DRVR(タイ)、Flare 〜 豊田通商(タイ現地法人)、リバネス 〜 InnoSpace(タイの官民共同設立によるアクセラレータ)のそれぞれの間で、協業の PoC に向けた MoU が締結されたのは記憶に新しい。

在タイ日本国大使館の佐渡島志郎大使の任期満了に伴い、今回の Rock Thailand は17日の離泰を前に大使にとって OIC に関わる最後の機会となった。この日は、タイ政府からコブサク首相補佐官(Dr. Kobsak Pootrakool)も会場を訪れ、大使のスタートアップ支援にかけた長年の労をを労った。OIC や Rock Thailand の活動については、タイ政府や財閥各社からも評価が高いため、次期大使の元でも引き継がれることへの期待は大きい。

参加した日本のスタートアップ10社の代表らは、CP グループ会長の Soopakij Chearavanont 氏はじめ、CP グループ60名、CP グループ以外のタイ企業経営者・担当者ら80名の前でピッチを行なった。以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順番。具体的な協業内容については協議が始まったところであり、今後の進捗を経て、第1期の際のように改めて公になる日を楽しみにしてほしい。

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Paronym

2016年に設立されたパロニムは、動画に触れることで必要な情報にアクセスできるインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供している。ユースケースはインテリア(動画を再生中、興味のある家具にタッチすると購買サイトへジャンプ)、ファッション(動画を再生中に、興味のある洋服にタッチすると購買サイトにジャンプ)、レシピ(動画を再生中に食材にタッチすると、そのページへジャンプ)、旅行(動画を再生中に旅のスポットにタッチすると、そのページへジャンプ)などがある。

コンテンツ提供元・開発元には、動画中のオブジェクトに紐付けができるトラッキング編集ツール、多くのユーザがどの位置をタッチしているかがわかるヒートマップツールが提供される。ブランチ動画、マガジン、サイネージ、コマース、ラーニング、ライブの6つの異なるバーティカルに適したラインアップを用意。そのインタラクティブ性から、EC 取引に至るコンバージョン率は、Instagram と比べ2倍以上、YouTube と比べ3倍以上に上るという。タイでは事業提携、シリーズ B 調達、販売パートナーを求める。

Connected Robotics

コネクテッドロボティクスは2014年、産業⽤ロボットコントローラ開発を⻑年手がけ、東京大学で NHK ロボコン優勝の経験を持つ沢登哲也氏(現代表取締役)により設立。たこ焼きを自動調理するロボット「OctoChef」、自動ソフトクリームロボットサービス「レイタ」、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」、コンビニ向け「Hot Snack Robot」、自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」などを開発している。

2017年には、Startup Weekend Robotics で優勝KIRIN アクセラレータ 2017IBM BlueHub 第4期に採択された。ロボットの提供は販売形式ではなく、初回の導入費用と月額費用で構成されるサービス型(RaaS=Robot as a Service)として提供されるため、導入する飲食店にとってはヒトに代わる手段としてコストを拠出しやすい。また、あらゆるロボットアームに対応可能な制御ソフトウェアと画像認識を使ったポジショニングシステムで、調理する食材・料理手順などに柔軟性が高い。

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IntegriCulture

IntegriCulture は、細胞農業技術(動物や植物から収穫される産物を、特定の細胞を培養することにより生産する技術)による人工培養肉を開発するスタートアップだ。動物性タンパク質を供給する手段として、現在の畜産による動物肉の供給は、水資源の過大な消費、森林破壊、温室効果ガスの放出などの観点から課題が多く、持続可能社会を形成する上で改善が求められている。一方で、人工肉を製造する技術は非常にコストが高く、人が口に入れる実用レベルにはまだまだ程遠い。

IntegriCulture は、実際の細胞を培養することで、人が口に入れる肉を作り出す技術を開発。例えば、筋肉細胞を培養液(生体触媒)に投入することで、鶏のレバーペースト相当のものを作り出す技術を確立した。実際の動物の生体では内臓がホルモンを分泌し、これが働いて細胞を変化させているが、同社が開発した CulNet ではこれを擬実的に実現させている。現在、細胞から培養生成したフォアグラを開発中。アンチエイジング効果のある人工生成血清などで、タイ企業との協業を模索したいとしている。

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A.L.I. Technologies

A.L.I. Technologies は、ドローン、エアモビリティ、コンピューティングパワーシェアリングの3つの事業ドメインを持つスタートアップ。エアモビリティの分野では、今年3月に発表した公道走行を想定したホバーバイクを発表している。また、高スペック GPU を搭載したマシンコンピューティングパワーシェアリングの領域では、今年9月にディープラーニング向け GPU クラウド「GPU EATER」を運営する Pegara に出資したのも記憶に新しい。

ドローンの産業活用においては、発電所の設備検査などに活用されている。半年に一度実施される定期検査における作業が効率化され、最大で10億円相当にコスト削減に結びつく可能性があるという。また、に高いレベルの安全運転のトレーニングを受けたドローンパイロットの全国ネットっ枠も形成しているという。ドローンは主に定期検査・農業・調査などの分野で、ホバーバイクはレースやエンタメ、モビリティ(移動手段)として需要を伸ばしたい考えだ。

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LinkWiz

高齢者社会の到来により、製造業を担う労働者の数も減少するのは日本ならず、タイにも言えることだリンクウィズは工業製品の製造工程や検査工程をロボットにより自動化し、省力化や効率化を実現する。溶接ビード検査システムの「L-QUALIFY」は、3次元の形状比較により溶接が正しく行えているかどうかを人の目視に代わって検査、ロボットのティーチング自動補正システム「L-ROBOT」は対象オブジェクトに合わせてロボットが自動的に動きを補正し動作する。

ヤマハ、ミツトヨ、アイシン精機など、精密機械メーカーや自動車部品メーカーなどを顧客に抱えており、リンクウィズの技術が生産コストの抑制に貢献しているとの声が寄せられているという。LinkWiz では、同社のシステムを構成するロボットをセンサーとして、工場における製造工程一貫で利用してもらいたい考え。今年6月には、INCJ、SMBC-VC、ミツトヨ、パナソニック、グローバル・ブレイン、はましんリースなどからシリーズ B ラウンドで9億円を調達している、

TBM

TBM は、紙・プラスチック・ビニールの代替となり得る石灰石由来の新素材「LIMEX」を開発している。紙を製造するには木や水を大量に消費し、プラスチックを製造するには石油を消費し二酸化炭素を放出する。プラスチックは海洋汚染を引き起こす深刻な社会問題としても連日取り上げらている。LIMEX はこれらの問題を解決し、名刺、パッケージなどに応用できる。最近では吉野家全店のメニューの素材や、環境問題からスーパーのレジ袋が有償化されようとする中、ビニールに代わる新素材としても注目を集めている。

回収した材料がそのまま同等品にリサイクルできるだけでなく、例えば、LIMEX でできたメニューを回収した後にお椀に作り替えることができるなど、リサイクルに増して、付加価値をつけて別のプロダクトにすることも可能だという。同社ではこれを「アップサイクル」と呼んでいる。現在、30カ国以上で有効な特許技術を現地企業にライセンスする形で世界展開を進めている。LIMEX 製品の製造が可能な会社との提携関係、出資などを求めている。日経の NEXT ユニコーン調査フォースタートアップスの想定評価額ランキングで共にランク2位。

Metro Engine

ホテルやバケーションレンタルの供給が増す中で、オーナーにとっては競合との価格戦争が激化している。そんな中で価格決定を行う経験豊かなマネージャーを雇用するのは難しく、価格の調整のために割かれる時間もバカにならない。メトロエンジンは、AI を活用した需要予測を行うことで、ホテルなどに(料金の最適化により最大の利益をもたらすことを意図した)ダイナミックプライシングを提供する。現在、ホテルチェーン30社以上で利用されている。

ホテルに対しては売上管理、需要予測、過去データ分析、OTA ランキング(予定)などを一元的に提供。また、レンタカーや賃貸不動産の需要予測や価格決定などに適用できるサービスもリリースしている。将来は、ホテルデータに加え、レンタカー、高速バス、モバイル、イベント、列車のデータなどを集約し、最適な交通手段を提案する総合サービスに提供を目論む。凸版印刷と協業しており、IBM BlueHub インバウンド向けオープンイノベーションプログラムJR 東日本アクセラレータプログラム第2期に採択された。

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SAgri

SAgri は衛星データにより土壌の状況(腐食含有量)を、また、農家からはスマホアプリから農作物や品種などの情報を取得し、ブロックチェーンを用いてデータベース化。これらを組み合わせることで、収穫量につながる情報を的確に取得するほか、生物性・化学性・物理性の観点から農家に対して土壌改良の提案も行う。実際に取得した土壌データと腐食含有量のマクロデータを元に、農地を評価するスコアリングの仕組みを開発している。

これまでにも土壌の窒素含有量を実測する方法はあったが高コストだった。衛星を使うことで安価な計測を実現、小麦・米・サトウキビに特化して、畑の状況に応じた収穫予測をしたり、肥料の必要投入量などをアドバイスしたりすることが可能だ。インドではこれらの情報を現地金融機関に提供することで農家への融資の実行を促したり、日本では政府のプロジェクトとして耕作を再開できるかどうかの休耕田の状態を見極めるのに活用されたりしている。MUFG DIGITAL アクセラレータ第4期500 Kobe 第3期に採択

Terra Drone

Terra Drone は、ドローンを使った産業向けサービスを提供。ドローン市場調査会社 Drone Industry Insights が発表した2019年のランキングでは、ZipLine に続き、世界で2番目に認知されていると評価された。現在、ターゲットとしている市場は、油田やガス田、電力などの生活インフラ、鉱山や採石場など。電力の分野ではドローンからとらえたデータを元に送電線を3次元可視化する技術、先頃ローンチしたパイプラインのホットスポットモニタリング技術では現場からライブストリーミングする機能を持つ。

そのほかのユースケースとしては、高所からの犯罪検知、パイプラインのガス漏れ検知、LNG タンク超音波探傷作業のドローンを使った効率化など。LIDAR を使ったデータ取得・マッピング技術では地形データが取得できることも特徴で、建設・工事業界をはじめ各所から需要が相次いでいるという。現在、シリーズ A ラウンドでの調達を標榜しており、タイや他の東南アジア市場で地元企業との提携を模索している。

Optimind

Optimind は、名古屋大学で研究開発されている「組合せ最適化」をコア技術に活用し、ラストワンマイルの配送ルートを最適化する「Loogia」を開発。SaaS としての Loogia に加え、PaaS でアルゴリズムプラットフォームを、また、企業にR&D サービスも提供している。運送業などでは配達順を紙で処理していたが、Loogia では立ち寄り先を入力するだけで、複雑な条件や現場制約を考慮しながら効率的なルートを提案する。

5人のドライバーに対し、各人30の立ち寄り箇所を設けた場合で100秒でルーティングが完成する。U ターンを避ける、駐車場所がある、他のドライバーの車と適正配分する、などの機能も備える。ホームデリバリ、食品や酒や薬の卸業者、自動販売機のベンダーなどがターゲット。自動車走行データを持つ企業と協業し、共にタイ国内でのルーティングマップの作成を行いたいとしている。2018年開催の日本郵便オープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」第1期デモデイで優勝。

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ネットワーキングの様子
Image credit: Masaru Ikeda
CP グループの Chief Digital Officer である John Jiang 氏(右)と歓談する、IntegriCulture 代表の羽生雄毅氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda
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日タイのスタートアップ6社、財閥や大企業と協業のPoCに向けたMoUを締結——日タイ政府推進の越境オープンイノベーション事業を通じ

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タイの首相府と工業省、日本の経済産業省とJETRO(日本貿易振興機構)と AMEICC(日・ASEAN 経済産業協力委員会)は2日、バンコク市内にある在タイ日本大使公邸で、日タイ間のオープンイノベーションに関わる MoU(覚書)の調印式を開催した。日タイのスタートアップ6社、大企業、財閥および傘下の各社などは、共同事業の可能性模索に向けた PoC(実証実験)に取り組むことになる。 日本とタイの革新…

Image credit: 在タイ日本大使館 / 経済産業省

タイの首相府と工業省、日本の経済産業省とJETRO(日本貿易振興機構)と AMEICC(日・ASEAN 経済産業協力委員会)は2日、バンコク市内にある在タイ日本大使公邸で、日タイ間のオープンイノベーションに関わる MoU(覚書)の調印式を開催した。日タイのスタートアップ6社、大企業、財閥および傘下の各社などは、共同事業の可能性模索に向けた PoC(実証実験)に取り組むことになる。

日本とタイの革新的スタートアップとタイの日系企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC は、世界で成功する日本のスタートアップの醸成、ASEAN を牽引する財閥が持つ最先端技術への需要に対しての課題を共に解決していくという目的で開始された。日本政府は両者のパイプ役を務め、マッチングからフォローアップまでのハンズオン、タイでの事業拡大に必要な資金、タイ現地の日本人起業家とのメンタリング制度など支援内容を充実させる。

OIC 関連イベントとしては、これまでにバンコク市内で「Rock Thailand」「BLEND」「DX Summit」などが開催されている。

今回 PoC に向けた MoU に調印した日本側のスタートアップと、タイ大手財閥および傘下の各社は次の通り。両者間には NDA(情報非開示契約)が存在するため、具体的な活動内容について詳述できない点については容赦いただきたい。ウミトロンについては個別に話が聞けたことや、GROUND については既にプレスリリースが発表されているので、その内容を加味する。

<参考文献>

Image credit: 在タイ日本大使館 / 経済産業省

ウミトロン 〜 CP Foods(タイ財閥 CP Group 傘下の食料品会社)

CP Foods(タイ証取:CPF)とウミトロンが、世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods と、ウミトロンの AI、オートメーション技術による「次世代サステナブル海老養殖モデル」の実現に向けたパートナーシップを締結する。

CP Foods では、環境負荷の低減を目指し、Zero Wastewater(水を浄化循環し交換しない)、Zero Antibiotic(抗生物質無投与)、高密度(単位容積あたりの養殖個体数を上げる)での養殖技術の開発を行っている。この状況下では、エビが病気になるリスクを減らすため、病原体の感染経路となり得る人を養殖環境に近づけないことが望ましい。ウミトロンが得意とする遠隔での養殖管理技術、給餌最適化などで CP Foods にノウハウや技術を提供する。

ウミトロン共同創業者でマネージングディレクターの山田雅彦氏によれば、両者が出会う契機となった Rock Thailand が開催されたその日のうちに、CP Group のチェアマンに興味を持ってもらい面談、そして、社長直下の CDO(Chief Digital Officer)と面談。その場で CP Foods で次世代型養殖を担当している SVP を紹介してもらい、翌週には CP Foods を訪問と話がトントン拍子で進んだという。

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GROUND 〜 WHA(タイの事業用不動産デベロッパ大手)

WHA は、東南アジアにおけるECの急成長を受け、そのサプライチェーンの中心をタイに構築することを目指し、同社の主要事業の一つである物流事業を強化している。GROUND の AI やロボティクス等の先端テクノロジーを活用したソリューションと、タイ最大の物流倉庫運営者のWHAの両社の技術とノウハウを共有し、次世代物流プラットフォーム構築の共同開発に取り組むとともに、タイ国内の物流オペレーションの競争力を高め、物流・EC 改革を推進する。

同社の発表したプレスリリースによれば、タイにおける次世代物流プラットフォーム構築の共同研究・共同開発、GROUNDが有するソリューション「LogiTech」の WHA への提供、GROUND が有する物流オペレーションにおけるノウハウと知見の WHA への提供、WHA が有する物流施設および共同研究に利用できる施設の GROUND への提供、タイの物流・EC 改革に向けた協力・支援体制構築に向けた協議が協業内容に含まれる。

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スカイディスク 〜 TTCL(タイのエンジニアリング大手)

スカイディスクTTCL(タイ証取:TTCL) は、火力発電所の燃料効率を向上させて電力供給の安定化を図るべく、膨大な運転データ、ビッグデータを分析し、AIがより効率の良い運転方法を決定する事で、今までは熟練のオペレーターが経験でのみなし得た高効率運転を実現する。

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凸版印刷 〜 DRVR(タイ)

タイの DRVR の有するフリートマネジメント技術と、凸版印刷(東証:7911)の ID セキュテリティクラウド「IDaaS」を活用したシェアリング技術の融合による新たなモビリティサービスの提供を目指して、新モビリティサービスの共同開発や共同マーケティングの実施を行う。

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Flare 〜 豊田通商(タイ現地法人)

豊田通商(タイ)Flare が、Flare の提供する、スマートフォンのみで運転動態データの取得・解析ができる Flare Analytics を活用し、安全運転に関する実証実験ならびに製品開発を行う。また、その成果をタイの安全運転への取組みにも活かす。

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リバネス 〜 InnoSpace(タイの官民共同設立によるアクセラレータ)

リバネスInnoSpace が形成するスタートアップエコシステムビルディングに関するノウハウやネットワークを共有するとともに、共同事業などを通じて、ディープテックの育成・推進を日タイ両国で図る。

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在タイ日本大使館、現地日系企業と日・タイのスタートアップの協業を模索するイベント「BLEND」の第1期デモデイをバンコク市内で開催

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本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、インターンとして勤務する高稲美里(たかいね・みさと)氏による寄稿。 高稲氏は群馬県出身。新潟大学人文学部に在籍中で、今年8月から4年次を休学し TalentEx にインターンとして参加している。 本稿内の写真は、両角光士郎(もろずみ・こうしろう)氏による撮影。TalentEx に関する、これまでの記事はこ…

高稲美里氏

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、インターンとして勤務する高稲美里(たかいね・みさと)氏による寄稿。

高稲氏は群馬県出身。新潟大学人文学部に在籍中で、今年8月から4年次を休学し TalentEx にインターンとして参加している。

本稿内の写真は、両角光士郎(もろずみ・こうしろう)氏による撮影。TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。


在タイ日本大使館は11日、バンコク日本人商工会議所(JCC)の協力を得て、バンコク市内のコワーキングスペース「Glowfish Sathorn」でタイの日系企業と現地のスタートアップによる協業を図るためのイベント「BLEND」の第1期デモデイを開催した。

このイベントは、日・タイの革新的スタートアップとタイの日系企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC 関連イベントとしては、同年3月に在タイ日本大使館が主催した「Rock Thailand」に続くものとなる。

タイ財閥と日本のスタートアップとの協業可能性を模索する意図のあった Rock Thailand とは対照的に、BLEND ではタイの日系企業と現地スタートアップとの協業で新事業が生まれることを意図しているようだ。FactoryTech、LogiTech、HRTechの3分野から日・タイのスタートアップ11社が集まり、日系企業幹部約150名を前にピッチを行った。

イベントではまた、豊田通商タイ現地法人副社長の中川裕二氏のほか、デンソーインターナショナルアジア副社長の末松正夫氏、電通 X タイランドマネージングダイレクター小池和雄氏など、東南アジアのスタートアップとの積極的な協業を図る日系企業の経営幹部によるパネルディスカッションも行われた。

以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順。

System Stone(タイ)

System Stone はメンテナンス計画を容易に管理・作成できるアプリケーションを提供。エンジニアだけでなく生産部や一般スタッフも利用でき、装置のダウンタイム、運用コスト標準化されたワークフローを削減し生産性向上を支援する。1ヶ月100米ドルから始められる手頃さから、既に1,000社、4,500人のエンジニア、66県(チャンワット、タイ国内には77のチャンワットがある)で導入済。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第1期から輩出。

Enres(タイ)

Enres は普段使用している電力の最大30%の節約を実現する、AI テクノロジーによる新しい省エネ代替手段を提供している。24時間体制でエネルギーの使用状況を監視・管理できるため、不測の事態が起きた場合にはアプリケーションを通じて通知が届く。病院や学校、ホテルや工場などにで導入実績がある。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第2期から輩出。

ABEJA(日本・シンガポール)

ABEJA は、コア技術である AI プラットフォーム「ABEJA Platform」を活用し、各種ソリューションをさまざまな業界に提供している。蓄積されたビックデータから、人間の手を介さずに、そのデータを適切に表現する特徴量を自動的に抽出するディープラーニングを活用しサービスを提供している。昨年には、デンソー・インターナショナル・アジアとタイ国内で工場の業務効率化に向けた協業を開始した。

スカイディスク(日本)

スカイディスクは、IoT のセンサデバイス開発から、集まったデータを AI で解析するサービスを提供。製造業への導入実績が多く、機械の異常診断、歩留まり率の向上、検品の精度向上などを実現することで、スマートファクトリー化推進に貢献している。同社のクライアントである大手メーカーがタイ 国内で IoT および AI を使った事業を始め、これを契機にタイ進出を開始した。

Giztix(タイ)

GizTix は運送会社のマーケットプレイスで、日本を含む8カ国で利用可能だ。運送会社の手配は一般的に手間のかかるプロセスを必要とするが、GixTix ではチャットで見積を依頼後、最長でも国内配送なら2時間以内、ASEAN 内配送なら10時間以内、欧米向けの配送なら2日間以内に見積価格を複数の運送会社から受け取ることができる。「TECHSAUCE SUMMIT 2016」のピッチコンペティションで優勝

DRVR(タイ)

DRVR は、アジア地域におけるトラック運送効率を分析するプラットフォーム。運送の世界に IoT を持ち込むことで、運送ドライバーの行動分析を行い、より効率のよい運送パターンを創出することを支援する。車両の燃料消費量温度などもモニタでき、二酸化炭素排出量やドライバが十分な休憩を取っているかも確認できる。毎日70件の交通死亡事故が起きているタイでは、より効果が期待される。

スマートドライブ (日本)

スマートドライブは車などから走行データを収集し、それらを可視化・解析するサービスを提供するモビリティ IoT スタートアップ。SmartDrive Fleet(法人向けリアルタイム車両管理)、SmartDrive Cars(個人向け定額制コネクテッドカー)、SmartDrive Families(個人向け高齢者見守り)、Public Service(危険エリアのマッピングや交通状況共有)など複数のサービスを提供している。

GROUND(日本)

GROUND は、倉庫におけるピッキング作業を始め、物流オペレーションの最適化のために、ハードウェア(ロボット)とソフトウェア(AI)の両方を組み合わせたプラットフォームを一気通貫で提供できるのが特徴。消費者の行動を把握できる顧客データベースを元に機械学習を用い、需要予測に基づいて製造数・販売数を予測し、物流業務全体の業務効率の改善を図る。

Helpster(タイ)

Helpster は労働市場の改善と採用活動の効率化を、テクノロジーを用いて実現するタイのスタートアップ。非正規雇用者の増加や給料未払などの労働者が抱える問題を解決すべき課題としてとらえ、労働環境の改善と QoL(Quality of Life)の向上を社のビジョンに掲げている。全ての求職者に面談やトレーニングを行っているため、質の高い人材の効率的な採用が期待できるとのこと。

Occa(タイ)

Ooca は、現代社会において自殺者や精神病患者の増加を課題としてとらえ、アプリを通じて精神科医と面談できる環境を通じて、自信と自尊心が持てるよう専門的なカウンセリングアドバイスをオンラインで提供する。法人と個人の両方が利用可能。タイに加え、中国とシンガポールにも展開。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第2期から輩出。

TalenEx(タイ)

TalentEx は、日本語人材に特化した求人プラットホームとして提供。加えて、業務効率化ソフトウェア「MICHIRU RPA」の販売も行っている。日々の単純業務をロボットに任せて自動化することで、それに充てていた時間をスキルアップや他の業務に繋げられるのが魅力のひとつだ。特に生産年齢人口が低下傾向にあるタイでは一層の活用が期待される。

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在タイ日本大使館とCPグループ、越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」を共催——日本のスタートアップとタイ財閥が一堂に集結【ゲスト寄稿】

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx の古川桃子氏(Assistant to Executive / PR)による寄稿を、編集部で再構成したものである。 写真は、TalentEx 経営企画担当・上野智弘氏による撮影。 TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。 在タイ日本大使館と、タイのセブンイレブンや携帯通信大手 True を傘下…

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx の古川桃子氏(Assistant to Executive / PR)による寄稿を、編集部で再構成したものである。

写真は、TalentEx 経営企画担当・上野智弘氏による撮影。

TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。


在タイ日本大使館と、タイのセブンイレブンや携帯通信大手 True を傘下に擁する CP グループ(チャルン・ポカパン・グループ)は3月14日、タイ・バンコクの True Tower でタイ財閥と日本のスタートアップによるデモデイ「Rock Thailand」を開催した。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC 関連イベントとしては、昨年10月に在タイ日本大使館が主催した「DX Summit」に続くものとなる。

タイ財閥の多くは、その組織の大きさからデジタル化経済の恩恵を十分に得られていないことが多い。日本では大企業がスタートアップと協業することで(オープンイノベーション)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうとする動きがみられる一方、タイにおいては、現地スタートアップが得意とするバーティカルの特性上、オープンイノベーションで DX が進むのは少し先のことになりそう。

そこで、OIC では DX に役立ちそうなバーティカル(AI、ロボティクス、IoT、物流)をリードする日本のスタートアップのうち、特にタイをはじめとする東南アジア市場への進出に関心が深いチーム10社を選びバンコクに招いた。日本のスタートアップの力を使ってタイ財閥を DX することに主眼に置いた、クロスボーダーのオープンイノベーションを狙った試みだ。

参加した日本のスタートアップ10社の代表らは、CP グループの CEO Suphachai Chearavanont 氏のほか、タイ石油公社(PTT)、ビールブランド「チャーン」で知られる流通小売大手の TCC、カシコン銀行、王室系の SCG(Siam Cement Group)、病院運営大手の BDMS(Bangkok Dusit Medical Service)など大手財閥の経営幹部を前にピッチ、PoC(実証実験)をベースとした協業関係の樹立に向け担当者との個別協議が行われた。

なお、第1回目となった今回の「Rock Thailand」に登壇したスタートアップは、タイを含む東南アジアのスタートアップシーンに造詣の深い、日本のベンチャーキャピタルやメディア関係者10名で構成された委員会によって選出された。

以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順番。なお、具体的な協業内容については、参加したタイ財閥とスタートアップ間以外には原則非開示となっているため、参加スタートアップからコメントを得られたものについてのみ紹介する。

PKSHA Technology

PKSHA Technology で VP of Product を務める 瀧野諭吾氏

PKSHA Technology(東証:3993)は、自然言語処理、画像認識、機械学習、深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開。機能特化型のアルゴリズムモジュールを開発し、それらをさまざまなソフトウエア/ハードウエアのコア機能/サブ機能として利用できるようサービスを提供している。アルゴリズム研究を行う技術者・研究者が設立した PKSHA では約70%のエンジニアが博士課程を卒業しており、アカデミックな専門知識を持った優秀な人材が集まっていることが特徴。PKSHA はそれらのリソースを用いて、天候や設備のメンテナンスなど業界ごとに適応したサービスが提供できると語った。

ABEJA

ABEJA Singapore マネージングディレクターの外木直樹氏

ABEJA は、コア技術である AI プラットフォーム「ABEJA Platform」を活用し、各種ソリューションをさまざまな業界に提供する AI スタートアップ。蓄積されたビックデータから、人間の手を介さずに、そのデータを適切に表現する特徴量を自動的に抽出するディープラーニングを活用しサービスを提供している。

ABEJA Singapore マネージングディレクターの外木直樹氏は、ABEJA の強みと3つ挙げた。

  1. ABEJA はあらゆる分野において、サービスが提供可能。
  2. 国際的にサービスを展開しており、特に東南アジアにおいてはすでに実績がある。
  3. AI によるソリューション提供サービスのみならず、自社プロダクトも提供している。

外木氏は  Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

CP グループを含めて主要な財閥の経営陣とお話ができた。すでに会話をしていた財閥から一緒にやりたいと言っていただき、また他の財閥の方々には、それぞれの課題に合わせ AI を活用した取り組み——スマートファクトリー、スマートシティ、スマートストアなど——を提案した。日本政府のお墨付きをいただけたことで、財閥とは単純な受発注の関係ではなく、タイのイノベーションに向けた協業体制をつくることができそうだ。

シンガポール、タイにきて2年間ほどが経つが、この1年ほどの間に AI について企業の経営陣の興味関心がすごく増しており、我々はいくつかのプロジェクトを一緒させてもらう機会を得た。会社の中で大切にしている「ゆたかな世界を実装する」を元に、タイのすべての AI に関わる人たちに、タイに豊かな社会を実装していきたい。

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LPixel

LPixel CEO & Founder の島原佑基氏

LPixel はライフサイエンス領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のスタートアップ。医療・製薬・農業などのライフサイエンス領域における画像解析に AI 技術を最適化しソフトウェアを開発している。国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関と連携し、人工知能を活用した医療画像診断支援の研究開発を進めている。グローバルにサービスを展開しており、アメリカのケンブリッジへ進出している

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スカイディスク

スカイディスク 海外戦略室長 末永善彦氏

スカイディスクは、IoT のセンサデバイス開発から、集まったデータを AI で解析するサービスを提供。製造業への導入実績が多く、機械の異常診断、歩留まり率の向上、検品の精度向上などを実現することで、スマートファクトリー化推進に貢献している。

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ウミトロン

ウミトロン 共同創業者 兼 マネージングディレクターの山田雅彦氏

ウミトロンは水産養殖にテクノロジーを用いて、食料問題と環境問題の解決に取り組むスタートアップ。シンガポールと日本に拠点を持ち、IoT、衛星リモートセンシング、機械学習をはじめとした技術を用いサービスを提供している。同社が最近発表したスマート給餌機「UMITRON CELL」を使えば、養殖している魚にタイムリーにエサを与えることができ、魚の様子を自律的または遠隔でモニタすることも可能になる。

ウミトロン 共同創業者でマネージングディレクターの山田雅彦氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

今までも多くのマッチングイベントに参加してきたが、こんなに満足度の高いイベントはなかった。国のトップの財閥のトップクラスの方々が集まっていること、面談も用意されていて、会いたい人に会えるというのは非常に良かった。

(参加していた)ほぼ全ての財閥と話ができたが、まず彼らの現場課題を理解するために議論を始めたい。タイにおける事業パートナーとして、協業できる可能性が十分にあるのではないかと期待している。

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スマートドライブ

スマートドライブ代表取締役の北川烈氏

スマートドライブは車などから走行データを収集し、それらを可視化・解析するサービスを提供するモビリティ IoT スタートアップ。SmartDrive Fleet(法人向けリアルタイム車両管理)、SmartDrive Cars(個人向け定額制コネクテッドカー)、SmartDrive Families(個人向け高齢者見守り)、Public Service(危険エリアのマッピングや交通状況共有)など複数のサービスを提供している。ドライブレコーダーを含むセンサーを開発し、独自のデータ入手ルート開拓にも注力。

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スマートショッピング

スマートショッピング 執行役員兼BtoB事業本部長 下原良輔氏

スマートショッピングは、ユーザ40万人を超える日用品・食品の価格比較サイトを展開。昨年10月に、重量センサーを搭載した消耗品の自動発注・在庫補充ができる IoT デバイス「スマートマット」をリリースしている。主に法人向けに、ついつい発注し忘れがちな必要なアイテムを、常に必要量確保しておく作業を自動化するサービスを提供する。スマートショッピングでは、同社の商品データベース上に商品の消費前の重量を保持しており、定期的な重量計測により、残量が少なくなった時点でユーザに購入許可を求める。

スマートショッピング 執行役員兼 BtoB 事業本部長 下原良輔氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

タイの工業団地・賃貸倉庫大手 WHA とは、物流施設の高付加価値化、工場系顧客へのソリューション提案、スマートマットを活用したサプライチェーンの最適化、CP グループ、(ビールの)Singha、(タイ版コストコの)Siam Makro には、スマートマットを活用した小売店舗への自動発注ソリューション導入が提案できた。

タイでの事業展開時の大口顧客の獲得、タイを含む東南アジアでのパートナーシップ締結につながることを期待したい。

GROUND

GROUND の Chief Data Officer で Global Innovation 担当の小林孝嗣氏

「Intelligent Logistics(インテリジェント・ロジスティクス)」をコーポレートスローガンに掲げ、物流領域におけるソリューションを提供する GROUND。倉庫におけるピッキング作業を始め、物流オペレーションの最適化のために、ロボットや AI ソフトウェアを組み合わせたプラットフォームを構築している。

企業が抱える課題は、消費者にとっての選択肢が多すぎること、消費者が飽きやすいこと、消費者の行動が事前に察知できないこと(キャンセル等)などだ。同社では、消費者の行動を把握できる顧客データベースを元に機械学習を用い、需要予測に基づいて製造数・販売数を予測し、物流業務全体の業務効率の改善を図る。

GROUND の Chief Data Officer で Global Innovation 担当の小林孝嗣氏は、Rock Thailand への参加を受けての感想を、次のようにコメントしてくれた。

複数の財閥と話をしたが、特に CP グループ、カシコン銀行、WHA などには、具体的にソリューションを提供できないか検討中。当社の AI 物流ソフトウェア「DyAS(ディアス)」開発のスピードアップや、早期のタイへのマーケットインが目指せると考えている。

我々のようなハードとソフトを両方提供するようなスタートアップにとっては、通常のスタートアップ以上にスピードとスケールの両軸が求められる。事業展開する上で、PoV > PoC > PoBと大きく3ステップ踏まないと事業展開が難しい。そういう意味で成熟市場での事業展開は説明コストや導入コストが高くなる傾向があり、資本力が弱いスタートアップでは苦戦を強いられる可能性は高い。

しかし、財閥の方々と話をする中で、そういった懸念は低く、(タイへの)マーケットインを早めて対日本へのリバースイノベーションで対応しないと海外(とくにアマゾンとアリババ)とは戦えない時代になっていると感じた。

souco

souco の創業者で CEO の中原久根人氏

souco は、オンライン上に倉庫のデータベースを構築し、倉庫を貸したい企業と借りたい企業の引き合わせを可能にした物流のシェアリングプラットフォーム。利用開始までの必要手続を大幅簡素化し、申込から最短3日間で〝小ロット〟〝短期間〟で簡単に倉庫が利用開始できるようにした。サービスローンチ以降ユーザ成長は順調に推移し、登録ユーザも300社以上に達している。

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Hacobu

Hacobu 取締役 COO 坂田優氏

Hacobu は、シェアリングロジスティクスプラットフォーム「MOVO」を提供。動体管理ができる IoT デバイスなどのハードウェアとクラウドによって、求車(統合的な物流管理ソリューションとして、トラックが手配しにくい問題)、運行管理(トラックの位置情報を把握できない問題)、バース管理(待機時間でトラックを効率的に稼働させられない問題)を解決する。

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左から:Polapatr Suvarnazorn 氏(SVP, Thai Beverage)、小林孝嗣氏(GROUND Chief Data Officer 兼 Global Innovation 担当)、外木直樹氏(ABEJA Singapore マネージングディレクター)

一連のピッチ終了後には、懇親会が開かれ、タイ財閥企業と日本のスタートアップ間でのコラボレーションなどの話で活気に溢れた。Rock Thailand に参加したタイ財閥幹部からも前向きなコメントが得られた。

タイは長きにわたって日本や日本の企業と良い関係を築いており、日本を「いい友」だと思っている。この信頼を糧に、私たちは他に何かもっと新しいものを生み出せるのではないだろうか。

(今日紹介されたような)テクノロジーを私たちの会社にも取り入れることが重要だと感じた。(PTT で Robotics AI & Intelligent Solution 担当 ディレクターを務める Pichairat Jiranunrat 氏)

TalentEX CEO 越陽二郎氏(写真中央)らもネットワーキングに参加
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在タイ日本大使館、Omise、ABEJAがバンコクで「DX Summit」を開催——日本のスタートアップが、タイ財閥に最新技術を直伝【ゲスト寄稿】

  本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、広報を務める馬本寛子(まもと・ひろこ)氏による寄稿だ。 TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。 19日、バンコク市内にあるタイ大手デベロッパ Ananda Development 本社オフィスで「DX Summit(Digital Transformation Summit…

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本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、広報を務める馬本寛子(まもと・ひろこ)氏による寄稿だ。

TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。


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DX Summit 参加者一同。中央に、在タイ日本大使の佐渡島志郎氏。
Image credit: Hiroko Mamoto

19日、バンコク市内にあるタイ大手デベロッパ Ananda Development 本社オフィスで「DX Summit(Digital Transformation Summit)」が開催された。在タイ日本大使館が主催し、Omise と ABEJA が協力した。DX Summit は、日本政府とタイ財閥各社が連携、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。

初開催となった DX Summit には、タイ財閥系企業約30社から50名程度、日系企業大手からは約30社から30名程度が参加。また、両国政府関係者、メディアのほか、VC からはグローバル・ブレイン CEO の百合本安彦氏や、KK Fund ゼネラルパートナーの斎藤晃一氏らも参加した。

<参考資料>

OIC は、世界で成功する日本のスタートアップの醸成、ASEAN を牽引する財閥が持つ最先端技術への需要に対しての課題を共に解決していくという目的で開始された。日本政府は両者のパイプ役を務め、マッチングからフォローアップまでのハンズオン、タイでの事業拡大に必要な資金、タイ現地の日本人起業家とのメンタリング制度など支援内容を充実させる。

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ABEJA Singapore 代表の外木直樹氏
Image credit: Hiroko Mamoto

今回の DX Summit は、タイ財閥の担当者にデジタル技術への理解を深めてもらうべく、AI とブロックチェーンがテーマ。ABEJA Singapore 代表の外木直樹氏と、Omise Holdings CEO の長谷川潤氏がスピーカーとしてセミナーに登壇した。

外木氏は、「AIとは何か?」という率直な疑問に対する説明と、従来技術には無い AI の特徴を挙げ、AI がいかに革新的な技術であるかについて熱弁した。また、実際に ABEJA が提供してきた AI を用いた事例を実践的な目線から紹介し、それらも踏まえて今後の AI 技術と市場についての考察を述べた。

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Omise Holdings CEO の長谷川潤氏
Image credit: Hiroko Mamoto

Omise が出すプロダクトの説明を通じて、ブロックチェーンの具体的な使用例が紹介された。長谷川氏は、ブロックチェーン技術の概要と特徴やメリットについて説明し、質疑応答を通じて参加者が理解を深めていた。

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DX Summit の開催を受けて、主催者を代表し、在タイ日本大使の佐渡島志郎氏は次のように語った。

タイ企業の決断のフレキシブルさと日本のスタートアップの技術やスピード感を組み合わせることでポジティブな化学反応が起きることを期待しています。

日本-ASEAN イノベーションサポートネットワーク(JAIS) [1] 会長を務める Omise の長谷川氏は、次のように述べた。

言語の壁・文化の壁・マーケットの壁などを超えていくだけで事業の仕様などが、良くなったりすることはあります。だからこそ、海外でビジネスをする時の痛みがわかる起業家としても、このようなイベントの支援などを通して現地の企業と繋がる場を提供する形でサポートをしていきたいと思っています。

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OIC に先立ち、佐渡島大使(左)がタイ首相府相 Kobsak Pootrakool 氏(右)に協力関係を説明
Image credit: タイ政府首相府

今回のセミナーを経て、タイ財閥各社の担当者もこの取り組みに対して前向きな姿勢を見せていた。

今回のイベントも、今後の取り組みに関しても非常に楽しみです。日本とタイの文化は近いので良い効果がでると期待しています。今日の講演を聞いてこれらの技術を、ロボットの分野でまずは試してみたいです。(タイ金融大手カシコン銀行の First Senior Vice President で、同行 CVC の Beacon Venture Capital で Managing Director を務める Thanapong Na Ranong 氏)

我が社では工業地帯におけるスマートシティの開発をしており、我が社が管理する工業地帯には、多くの日本企業も入っております。AI やブロックチェーン技術を利用して我が社の工業地帯のスマートビジネスの開発を加速させられそうだと思ったので、ぜひ取り入れたいです。(タイ工業用不動産大手 Amata Corporation で Chief Investment Officer を務める Lena Ng 氏)

OIC では、年内にもピッチイベントやタイ財閥と日本のスタートアップとのマッチングを実施する予定だ。


  1. JAIS の傘下には、それぞれ ASEAN 国別に、JTIS(日本−タイ)、JMIS(日本−マレーシア)、JVIS(日本−ベトナム)、JIIS(日本−インドネシア)、JPIS(日本−フィリピン)、JSIS(日本−シンガポール)といった組織がある。最初に組織された JTIS の発足背景については、この記事を参照。

 

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