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オンデマンドバス運行MaaS「SWAT  Mobility」にグローバル・ブレインが出資、期待高まる貨客混載の可能性

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ニュースサマリ:オンデマンドの相乗りサービスを展開するSWAT  Mobilityは2月8日にグローバル・ブレインを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金額や払込日などの詳細は非公開。SWAT Mobility Pte. Ltdはシンガポールを拠点に2015年に創業。これまでに東京大学エッジキャピタルパートナーズ、 iGlobe Platinum Fund II Pte. L…

SWAT  Mobility

ニュースサマリ:オンデマンドの相乗りサービスを展開するSWAT  Mobilityは2月8日にグローバル・ブレインを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達した資金額や払込日などの詳細は非公開。SWAT Mobility Pte. Ltdはシンガポールを拠点に2015年に創業。これまでに東京大学エッジキャピタルパートナーズ、 iGlobe Platinum Fund II Pte. Ltd.、LKJ Capital Japanなどから出資を受けている。日本法人は株式会社としてSWAT Mobility Japanが2020年に設立され、代表取締役は末廣将志氏が務める。

SWAT Mobilityが提供するのは独自のルーティングアルゴリズムを使ったオンデマンド相乗りサービス。複数の乗客がスマホアプリから乗車位置・時間をリクエストすると、最小の車両台数でリアルタイムに最適なルートを探しだし、相乗りを効率よく実現する。世界7カ国(シンガポール、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、オーストラリア)で展開しており、オーストラリアでは、オンデマンド公共バス「MetroConnect」を運行している。日本では、J:COMの営業員を対象としたライドシェアサービスにアプリを提供しており、今回の出資を機にグローバル・ブレインから事業開発・知財戦略支援を受け、日本における法人、地方自治体の利用を加速させる。

話題のポイント:国内でも実証実験の話題が度々聞こえてくる「オンデマンドバス」の運行システムを手がけるのがSWAT Mobility(以下、文中はSWAT)さんです。彼らが拠点としているASEAN地域では交通の便があまりよくない場所も多く、駅と勤務地である工場までをシャトルバスで繋いだり、バイクで数十キロを走破する猛者が出てくるなど課題の多いテーマだったそうです。

そこで登場するのがバスなのですが、企業で決めた運行ルートでは当然ながら人によって遠かったり近かったりが出てきます。台数を増やせばある程度解消できるものの、かけられるコストにも限りがあります。

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日本法人の代表を務める末廣さんにお話伺ったのですが、オンデマンドバスはタクシーとバスの中間のような存在で、前述の通りASEANなど交通機関が弱い場所での利用が進んでいる移動方法だそうです。競合としてはViaやShotl、NTTドコモの「AI運行バス」、NearMeなどがあります。

特徴的なのが彼らのダイナミックなルーティングアルゴリズムです。複数の従業員がスマホアプリからタクシーを呼ぶように時間とピックアップの場所を指定すると、運行している複数のバスのルーティングをリアルタイムに設定して効率よく目的地に届けてくれる、という具合です。導入先のシンガポールの工場ではコストをそのままに、通勤バスの乗車地点を9箇所から250箇所以上に増やして従業員の通勤満足度を上げるといった効果をもたらしているそうです。

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さて、気になるのは日本での展開です。J:COMさんのケースのように法人車両をライドシェアする効率化もわかりやすいですが、それ以上に可能性を感じるのが過疎地域での移動とモノの移動です。パンデミックが顕在化した昨年4月、ライドシェアのLyftはこんな話題を提供していました。

いわゆる「貨客混載(乗客と荷物を一緒に運送する)」という方法で、国内でも昨年5月からタクシーによるフードデリバリーの実験が開始され、その後、この特例措置が 継続されています 元々は2017年9月に始まった過疎地域を対象とした規制緩和が始まりですが、今回のパンデミックで一気に動いた感じです。

人に加えてモノを運ぶことができるようになれば当然、移動の機会は増えます。その分だけ効率的なルーティングが必要になるので、本格的に貨客混載が始まればSWATのようなオンデマンドに移動を効率化するシステムの有用性は高まります。さらに自動運転のシステムが実用化されることも考えると、着実に来るべき未来に向かっていることが理解できます。移動には過疎地域の問題や非接触方式のラストワンマイルなど、社会的な課題も大きく影響してくることから引き続き注目のテーマになりそうです。

※本稿はClubhouseでの取材内容をご本人に同意いただいて記事化しています