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伝統メディアを「デジタル化」させるキメラ、凸版印刷とタッグ

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 課題とチャンスのコーナーでは、毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディをお届けします。 伝統的なメディア・パブリッシャーが抱える悩みのタネはビジネスモデルです。紙をデジタルにするだけでなく、ビジネスモデル・体制からコンテンツを作る考え方、読者との向き合い、あらゆる面で従来の手法を…

写真左から:凸版印刷の菅原健春氏、キメラ代表取締役の大東洋克氏、凸版印刷の内田多氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

課題とチャンスのコーナーでは、毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディをお届けします。

伝統的なメディア・パブリッシャーが抱える悩みのタネはビジネスモデルです。紙をデジタルにするだけでなく、ビジネスモデル・体制からコンテンツを作る考え方、読者との向き合い、あらゆる面で従来の手法を見直さなければならないからです。この課題に取り組もうという共創が、凸版印刷とデジタルパブリッシャー支援を手がけるキメラの提携になります。2019年末には両社の資本を含めた業務提携の取り組みが公表されています。

そこで本稿では両社が手がけるパブリッシャーのデジタル化ソリューション「Ximera Ae」(キメラ・エーイー)を中心に、伝統的なメディアが抱える課題とその解決方法について両社のお話を伺いました。

デジタルメディアのグロース支援

キメラが提供するのは「読者ロイヤルティ」を中心に据えたデジタルメディア事業グロース支援事業で、各メディアが抱える複雑な課題を伴走のスタイルで解決しています。海外製ツールである記事コンテンツのエンゲージメント分析ツール「Chartbeat(チャートビート)」の日本総代理店としても、導入と分析ノウハウの支援でメディアと向き合っており、2019年1月以来、パブリッシャー19社・51媒体(2021年2月末時点)に向けてデジタルメディアの事業評価やグロース支援を手がけた実績を持ちます。

Ximera Aeサービスイメージ

また、こうやって積み上げたメディアへの読者エンゲージメント向上ノウハウを基に、メディアが制作するコンテンツの価値を訴求し、マネタイズするサブスクリプション管理プラットフォーム「Ximera Ae」を自社開発しています。同時に、共創・協業する凸版印刷とは、出版社などのメディア営業網を活用して「Ximera Ae」の販売連携をしています。

「キメラは『パブリッシャーの未来を共に創る』企業です。有益な情報を提供することで時代を動かし、⽂化を築いてきたパブリッシャーを深くリスペクトしています。既存のメディアビジネスが苦境にある中で、真摯にコンテンツに向き合う⽅々が報われる世界を作り、今⼀度インターネットの本来の価値を創造したいと考えています。2021年からは、初の自社開発プロダクトである、サブスクリプション管理プラットフォーム『Ximera Ae』を通じ、デジタルメディアのマネタイズ選択肢を広げていきたいです」。(大東さん)

伝統メディアの課題

これまでもパブリッシャーのデジタル化は「電子書籍」などでじわじわと進んできた経緯がありました。一方、ここ数年で一気に顕在化してきた課金・サブスクリプションモデルへの対応は、読者数を大きく稼ぐ必要のある広告モデルと相反する部分があります。また、考えるべきポイントも流入経路から読者ロイヤリティなど多岐に渡るため、パブリッシャーが抱える課題や悩みは更に複雑さを増します。大東さんは現状をこう分析します。

「Yahoo!ニュースやSmartNewsなどのニュースプラットフォーム、TwitterやFacebookといったソーシャルメディア、はたまたnoteなどの個人によるコンテンツ発信モデルの台頭により、『マスメディア』と呼ばれていた新聞、雑誌、テレビが、インターネットを通じたコンテンツ発信および読者とのコミュニケーションにおいて、相対的に強みが発揮できない状況になりつつあります。

一方、コンテンツの発信手法や形態の多様化により、ユーザーが視聴・閲読できるコンテンツが膨大になっている状況下では、デジタルメディアは、ページビュー数に依存した広告収益(視聴・閲読は無料)モデルのみでは、従来のアナログの事業形態時の収益を補完・置換できる規模・成長性を見込むことが難しくなっているのも事実です」。(大東さん)

凸版印刷とキメラが特に注目しているのが、大手・中堅の伝統的なメディア企業だそうです。

特にビジネスモデルに直結するテーマでもあることから信頼関係は重要で、その点で凸版印刷の持つ関係性は大手出版社などとの取り組みをする上で大きくプラスに働いているというお話でした。一方、凸版印刷の菅原さんと内田さんはこういった提案先に対し、不足するSaaSプロダクトの営業ノウハウをキメラと協力して補完したことも明かしてくれました。

顧客とのすり合わせを重ねてソリューションを提供する受注産業・営業スタイルの凸版印刷内では、キメラのSaaS型プロダクトの営業経験・ノウハウが不足しており、キメラと凸版印刷、パブリッシャーの3者連携の実現・成果創出に結びつけることができなかったんです。そこでキメラチームの協力を得ながら、凸版印刷内でのセールスファネルの勉強会やヒアリングシートの整備・更新、受け渡し基準の明確化などを積み重ね、改善しながら連携していってます。

「パブリッシャーは、サブスクリプションモデルの構築に際し、技術的な開発仕様の検討で手一杯になり、サブスクリプションの事業計画や運用体制構築まで手が回らない状況も多くなりがちです。こうした問題に対して構造的な課題抽出と解決を実現し、メディアの本分としての価値ある情報発信に集中しやすい環境づくりが可能、とお伝えするようにしていますね」。(菅原さん・内田さん)

印刷を中心に出版社などのメディア企業と長らく関係を構築してきたのが凸版印刷です。エコシステム全体を考えた際、パブリッシャーのビジネスモデル、デジタル化を推進することは業界全体の下支えになるのは間違いありません。

両社は以前、本メディアでも取材したトッパンCVCのチームのアプローチをきっかけに協業・資本提携の話が始まったそうです。事業部等で協業検討を進め、黒子のようにメディアグロースを支えるという方向性が一致したことでその後の協業が加速したというお話でした。

次回も国内の共創事例をお届けいたします。

家入氏らのキメラ、競合HRサービス「Talentio」運営のハッチを買収、100%子会社に

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採用プラットフォームなどを手がけるキメラは9月9日、HR(ヒューマンリソース)サービスの「Talentio 」を運営するハッチの全株式を取得し、100%子会社化することを発表した。契約の締結日は8月31日で、ハッチ代表取締役の二宮明仁氏は引き続きサービス運営にあたり、同時にキメラの執行役員に就任する予定となっている。 買収にかかった費用等の詳細は非公開。キメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏の話によ…

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買収交渉にあたったキメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏

採用プラットフォームなどを手がけるキメラは9月9日、HR(ヒューマンリソース)サービスの「Talentio 」を運営するハッチの全株式を取得し、100%子会社化することを発表した。契約の締結日は8月31日で、ハッチ代表取締役の二宮明仁氏は引き続きサービス運営にあたり、同時にキメラの執行役員に就任する予定となっている。

買収にかかった費用等の詳細は非公開。キメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏の話によれば、本件の話は2カ月前より始まり、具体的な契約や関係株主等の調整にかかった期間は1カ月程度のスピード感だったという。

「私たち以外にも複数買収したいという会社はあったようです。ただ、二宮さんと話をして、既存株主たちとの間でも落としどころがみつかったのでこのような形になりました」(佐野氏)。

実はこのハッチの運営するTalentioがやや厳しい状態にあったという話題は、以前から私も聞いていた。

聞こえてきた話というのはざっくり言うと、サービスの完成度が高い一方で運営するチーム(※補足追記を文末に掲載しました)に課題があった、というものだ。私は丁度その頃、キメラ代表取締役の家入一真氏から二宮氏と食事しながら色々話をした、という知らせを受け取っていた。大体それが2カ月ほど前のチャットなので、そこがスタートだったのだろう。

さておき、現在キメラが正式なサービスインを目指している「LEAN」と「Talentio」は同じくATS(アプリカント・トラッキングシステム)という分類では競合だったはずだ。この点について佐野氏は、Talentioが既に導入実績があること、サービスとしての完成度が高いことなどから、場合によってはTalentio一本で勝負することになるかもしれないと、様々な判断の可能性があることを話していた。

キメラの事業モデルは「再生」と「オリジナル」

通常、スタートアップにとってサービスは企業そのものであり、サービス名=社名となることも少なくない中、キメラはやや違った立ち位置にあることがわかってきた。当初より、LEANと並行していくつか他のサービス(ゲームを開発しているという話も聞いていた)を動かす、という話はなんとなく聞いていた。

なので私は当初、例えば現在メルカリがまだコウゾウという社名だった時、いくつかサービスを試して最も可能性があるものに集中しよう、というものと似ている戦略なのかなと考えていた。(コウゾウについては一発目のサービスが大きく成長したので、そのままメルカリに社名変更を果たすことになったが)。

ただ、佐野氏に話を聞くと、それとはちょっと違う様子だった。彼曰く、キメラは「企業再生事業とオリジナル開発事業」の二本立て戦略で、事業拡大を狙っているという。

「キメラ本体は開発陣のいる受託会社っぽい側面があります。いいエンジニアの集合体というか。自前の開発もできるので、どちらかというとそういう新規サービスのアイデアは家入さん。私の方はM&Aなどの方法で企業再生をしてこのキメラに合体させていく、というアプローチになります。太河さん(キメラ取締役の松山太河氏)は投資家として厳しい側面があるので、買収などについてはシビアなアドバイスを頂けるので助かっています」(佐野氏)。

通常、こういった企業再生はファンドが手がけることが多い。ただ、現在(株式問題や売上などの課題で)スタックしている国内スタートアップのような小さな案件を彼らは手がけない。つまり自然と消えてゆくのが運命だった。

こういうタレントを放置するのではなく、思い切って新しい場所に誘導することは国内の起業エコシステムにとっても有効に働く可能性がある。(もちろん、タレント買収はもっと大手企業が乗り出してほしいところではあるのだが)

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佐野氏の考える新しい働き方

キメラに集っている開発チームも、こういった有機的な動き方に対応するべく「自律して」働ける人を選んでいるという。コンサルティング的でもあり、ファンドっぽくもある、ある意味、この起業エコシステムの中で隙間を埋めるような役割をもったプロ集団、というイメージが個人的には一番近い。

最後になったが、二宮氏の体験談はまたどこかいずれ彼の口から話される時がくるかもしれないし、こないかもしれない。とにかく今は、家入氏や佐野氏らと共に新しい体制でサービスに集中し、より多くの企業に対して彼らが考える新しい採用の形を提案してもらえればと思う。

※追記補足:運営する「チーム」という表現や、特定の人物が映っている写真を使ったことについて一部憶測を生んでしまったようです。該当する方に配慮し表現の修正と写真の取り下げをしました。当方に特定の比喩を織り込む意図はなく、関係された方々にご心配をおかけしたことをお詫びいたします。

家入氏の新事業「LEAN」運営会社が1億円調達、メルカリ山田氏らもエンジェル参加

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日本の連続起業家、家入一真氏が代表取締役を務めるキメラは8月18日、シードステージの資金調達ラウンドを完了したと発表した。 同社の第三者割当増資を引き受けたのはEast Ventures、リブセンスの2社、並びにあすかホールディングス取締役会長の谷家衛氏、メルカリ代表取締役の山田進太郎氏、ドリコムの内藤裕紀氏、その他複数の個人投資家たち。調達した資金は総額1億円超で、払込日やそれぞれの株式比率など…

LEAN_-_リーン・新しい採用プラットフォーム

日本の連続起業家、家入一真氏が代表取締役を務めるキメラは8月18日、シードステージの資金調達ラウンドを完了したと発表した。

同社の第三者割当増資を引き受けたのはEast Ventures、リブセンスの2社、並びにあすかホールディングス取締役会長の谷家衛氏、メルカリ代表取締役の山田進太郎氏、ドリコムの内藤裕紀氏、その他複数の個人投資家たち。調達した資金は総額1億円超で、払込日やそれぞれの株式比率などの詳細は非公開。これらは開発人材の強化、マーケティングなどに使われる。

また同社はこれに合わせて谷家氏の取締役就任も公表している。同氏はソロモン・ブラザーズのアジア最年少マネジングディレクター、アジア投資部門の共同統轄を務めたのち、2012年にあすかアセットマネジメントを設立した人物。ライフネット生命などの創業支援を担った。

先月開催されたイベントでの写真/写真中央が共同創業者/取締役の佐野一機氏、右のキメラポロシャツを着ているのが家入一真氏

さて、まだ全貌は明らかになってないが、家入氏の新プロジェクトは着実にステップを踏んでいるようだ。

キメラの共同創業者で取締役の佐野一機氏によれば、現在開発中の採用プラットフォーム「LEAN」については、以前、イベントの際に聞いた時とあまり状況は変わらず、クローズドβ版を数社に試用してもらっている段階で、正式リリースを9月末に予定しているということだった。

LEANについては4月に本誌が家入氏から入手したスクリーンショットと、いつもながらの同氏らしいコメントをお伝えしたが、決して暇つぶしの企画でないことは今回のファイナンスではっきりしたと思う。谷家氏のようなベテランの参加もそうだし、彼と同世代の起業家がエンジェルとして名を連ねていることにも、彼らの期待感を感じる。

参考記事

特に山田氏について家入氏は、今年2月に取ったインタビューの時にこんなことを言っていた。

家入:個人的な話をすると、やっぱり進太郎くん(メルカリ代表取締役の山田進太郎氏)の活躍みてると、同世代として刺激を受けるよね。

筆者:確かこの前、進太郎さんの結婚式に行かれてましたね。

家入:人に会いたくなかったし、久しぶりに同業の人たちに会うのは緊張したんだけど、行ってみたらみんな頑張ってるなーって。刺激受けちゃって。特に進太郎くんは一回目でやったノウハウを使いながらだけど、またゼロから立ち上げてすごいなって。

正直、悔しいって思ったし、悔しいって思えたってことはまだこの世界に未練があるんだなって。逆に政治家の同世代にはあんまり思わなかったんだよね。

ただ、1カ月後に何やってるかは全くわからない。

引用:「ウェブは僕らの戻る場所」ーー鶴岡裕太と家入一真が語るBASE2周年

プロダクトが無事、お披露目となる日を待つとしよう。