保険代理店版ライフネット生命を目指すトイロがサイバーエージェント・ベンチャーズから数千万円を資金調達

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insnext生命保険・医療保険などの保険を比較・検討できるサイト「INSNEXT(インズネクスト)」を運営するトイロが、サイバーエージェント・ベンチャーズから数千万円規模の資金調達を実施したことを発表した。

トイロは元ジンガジャパンのメンバーが中心となって立ち上げられたスタートアップ。トイロは人々の情報格差を埋めることをミッションとしており、これまでにも「comap」という位置情報のまとめサービスなどを運営してきた。

トイロは情報格差が起こっている様々な業界を検討した結果、生命保険と製薬が情報格差が大きいと判断した。トイロ代表の佐瀬和久氏が以前オプトで働いていた経験から、金融系のネットワークがあったこともあり、新たに生命保険に関するサービスを立ち上げることになった。

これまでは出資を受けることなくサービスを運営してきたが、「comap」のローンチからわずか15分後にコンタクトがあったサイバーエージェント・ベンチャーズと情報交換を重ねるうちに意気投合した。今回新たなサービス「INSNEXT(インズネクスト)」を本格的にスタートするにあたって、サイバーエージェント・ベンチャーズから数千万円の資金調達を実施することとなった。

生命保険はこれまでどちらかといえば買わされるもの、という感覚が強かった。トイロは人々が自分で保険商品を検討し、自分のライフプランにあった保険商品を選択できるようになってほしい、と考えており、INSNEXT(インズネクスト)の機能もその想いを反映したものとなっている。

ライフシミュレーション機能

シミュレーション結果

その機能のひとつが、ライフシミュレーションだ。

「INSNEXT(インズネクスト)」は、保険を検討しているユーザが自分の収入や貯蓄、子どもの数などを入力すると、預貯金の予測グラフやアドバイスなども表示され、予想の生涯収支がグラフで表示される。その他にもリスクに備えるために必要な保険が表示され、そこから保険商品の一覧のページへと移動し、比較することができる。

通常、保険の営業マンが顧客に保険を勧めるときはまず顧客の理想のライフプランを考えるところから始めるという。そこで、「INSNEXT(インズネクスト)」でもユーザが自分に合う保険を探すことができるように、ライフプランのシミュレーション機能に力を入れている。

INSNEXT(インズネクスト)のマネタイズについて、トイロ代表の佐瀬氏は以下のように語ってくれた。

佐瀬社長

保険業界では保険を売るのに資格が必要です。私たちは今資格の取得に向けて勉強をしています。保険の商品は対面でないと売れない商品が多いのですが、資格を取得することで保険商品の共同募集が可能になります。INSNEXT(インズネクスト)が保険選びの手伝いと集客を担い、契約は実際の店舗と提携することで、保険代理店として活動する予定です。

今後、様々な保険会社がネットへの対応を強化するようになり、人々はネットで保険を探すようになることが考えられます。それに対応するために、私たちは2014年には保険代理店としての業務スタートを目指し、同年4月には2社以上の複数の保険会社と代理店契約を結ぶことが可能な乗合代理店としてのスタートを目指します。

ユーザファーストで保険を考える

従来の保険代理店は自社の売上が高くなる保険商品を売りがちだが、トイロは消費者目線を徹底し、ユーザーファーストでサービスを運営していきたいと考えている。

INSNEXT(インズネクスト)を利用することで、「人生をちゃんと考えるようになりました」と言ってもらえるようにしたいですね。

とサービスにかける想いを語ってくれた。

INSNEXT(インズネクスト)は、後発でありながらこれまでにはない仕組みやユーザファーストでのサービス設計で保険代理店業におけるライフネット生命のような存在を目指す。

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