バラエティコンテンツのキュレーションサイト「 CuRAZY(クレイジー)」の開発元である BitGather は今日、サイバーエージェント・ベンチャーズ、DeNA、Skyland Ventures から1億円を調達したと発表した。またこの発表とあわせ、同社は社名を BitGather からLAUGH TECH に変更した。今回調達した資金を使って、同社は独自コンテンツを執筆できるライターや編集者を増やし、8月中旬のリリースに向けて iOS / Android 向けのスマートフォン・アプリの開発を進めたいとしている。
CuRAZY は今年1月にローンチした、笑いをテーマにコンテンツを集めたキュレーションサイトで、公開から5ヶ月間で500万UU、1,900万PVを獲得している。共同創業者で代表取締役の伊藤新之介氏によれば、30代の男女ほぼ半々の読者構成が特徴的だという。

テレビのバラエティ番組に代わるようなコンテンツを、ウェブで提供できないかと考えています。読者層で言えば、女性が男性をやや上回っているのですが、CuRAZY が下ネタに頼っていないのも好意的に受け止められているのでしょう。アクセスのピークは平日の夜8時以降、中でも夜10時位に山が来ています。
キュレーションサイトにとっての課題は、スケールアップに比例して増大する運営コストをどうやって抑えるか、ということだろう。現在は伊藤氏を含む社内メンバー数名でコンテンツをキュレーションしているとのことだが、他メディアとの差別化や掲載コンテンツを増やす過程において、執筆や編集の人材をどう確保し、コストを抑えて行くかが重要なカギとなる。
現在、LAUGH TECH はソーシャルメディア上の反応解析ツール「Hot Pages」を開発している。ある記事に対する Facebook の「いいね」数、Twitter の Retweet 数が反映されたものだ。これらの数と個別の記事中に含まれる要素を、どのように定量的に比較分析するのかは不明だが、端的に言えば、Hot Pages によって、どんな記事が人々の笑いを誘い、アクセス数に貢献できるのかがわかるのだそうだ。これを使うことで、例えば、必ずしも笑いセンスに長けた人でなくても、笑えるコンテンツをキュレーションできるようになる、つまりは、編集人材をコストをかけずに調達しやすくなる、ということなのだろう。

キュレーションサイトのビジネスモデルは、地上波テレビのそれに似ているのかもしれない。広く万人が好むコンテンツをコストを抑えて制作し、視聴者の可処分時間をどれだけ長く占有するか、というものだ。日本の民放が60年かけて築いてきたノウハウが、インターネットの世界にもどう生かされて行くのか見物である。
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