Fast Track Asia は2012年はじめに設立された〝カンパニービルダー〟で、インターネットやモバイルを駆使し、ライフスタイルに関連したオフライン市場をオンラインに転換するサービスにフォーカスし、創業者と共にスタートアップを一から構築するスタートアップの持株会社だ。現在は、教育の Fast Campus(패스트캠퍼스)、物流の Fly & Company(플라이앤컴퍼니)、食品の Hello Nature(헬로네이처)、ファッションの Stripes(스트라입스)という4つのスタートアップを構築中で、単なる資金注入だけでなく、スタートアップの経営陣と共にビジネスを成長させるパートナーを目指している。
特に Fast Track Asia が韓国で初めて紹介した〝カンパニービルダー〟のビジネスモデルは、ドイツの Rocket Internet、アメリカの Betaworks(ニューヨーク)、Science(サンタモニカ)、Accretive(ニューヨーク)などが、それぞれの国の専門分野で、複数の会社を作り出すスタートアップ・スタジオとして運営されているのが特徴的だ。なかでも Rocket Internet はドイツ証券取引所に上場し、Accretive は10年間で73億ドルにも達する企業価値を生み出した。
この話題は大騒ぎを引き起こした。11月、Tech in Asiaは、日替わりセールサイトのCashCashPinoyが高級品の偽商品を販売しているとする多くの苦情に関する記事をリリースした。この記事では、複数の金融機関が同サイトが行う決済処理を停止するとの措置についても言及している。CashCashPinoyはこの申し立てを「事実無根」だと主張した。同業界、金融機関、および政府の内部情報をもとに、eコマース市場では偽商品が風土病と成り得るとTech in Asiaは強調した。また、オンラインの消費者保護のあり方を改善する必要性も促すことになった。
6. 大手テレコムPLDTがRocket Internetの株式を取得
フィリピン長距離電話会社(Philippine Long Distance Telephone Company (PLDT))はフィリピンの大手テレコム事業者の1社である。同社は8月、4億4500万米ドルを投じてベルリンを拠点とするRocket Internetの株式を10%取得した。この取引は、新興市場で「銀行を利用しない、カードを所有していない、ネットワークに接続できない」人向けに「モバイルとオンラインの決済テクノロジーとサービスを共同で開発していく」という両社の戦略的提携の始まりとなった。このパートナーシップはとりわけRocket Internetのeコマース事業を東南アジアにおけるZaloraやLazadaといったブランドの元で展開することを目標としている。12月にはその最初の成果であるMePayがローンチした。これはPLDTの事業であるSmartが開発した決済プラットフォームで、Zaloraのサイトでクレジットカードを使わずに安全で便利に買い物することができる。消費者はサインアップする際に携帯電話番号を提示するだけで買い物ができる。
5. PLDTによる無料ネット接続サービス
無料のインターネットを誰でも利用できる? PLDTは9月、同社のモバイルブランドであるSmart、Talk ’N Text、Sun Cellularの前払いサービス加入者向けに無料のインターネット接続サービスを提供した。このサービスは、PLDTの会長であるManuel Pangilinan氏が自身のTwitterアカウントで数日前に「とても重大な」発表があると公言していたのを受けて、記者会見の場で発表された。Pangilinan氏は、前払い加入者向けに無料のインターネットを2ヶ月間提供するのは「インターネットを使う習慣に刺激を与えるため」だと述べた。前払い加入者はPLDTグループのモバイル加入者全体の90%を占める。10月にPangilinan氏は別のサプライズも発表した。無料のインターネットプロモーションは2015年1月まで延長され、今では後払い加入者やブロードバンド加入者も含まれている。