(前回からのつづき)iPhone 12はTSMCの最新式5nmプロセスで製造されたSoCである「Apple A14 Bionic」プロセッサを搭載している。5nmスケールで製造されたチップは、前世代の7nmプロセッサよりも小さく、電力効率が高い。より多くのトランジスタを詰め込んでおり、同じ消費電力でより高い計算能力を発揮する。A14のトランジスタ数は118億であり、AppleはCPUとGPUのパフォーマンスが他のスマートフォンチップよりも最大50%速いとしている。昨年のA13 Bionicと比較すると、CPUのパフォーマンスも20〜27%速く、グラフィックスのパフォーマンスも最大72%速くなっている。AI部門では、Appleは11 TOPS(1秒あたり11兆回の処理能力)を約束している。これにより、機械学習機能が以前のチップと比較して70〜80%向上するはずだ。
iPhone 11のデュアルカメラ(超広角・標準)デザインを維持しながら、iPhone 12の背面カメラは絞り値f/1.6、暗所での性能を高めるため光学的にアップグレードされている。Proにはそれぞれズームレンズが追加されているが、iPhone 12 Proには52mm相当の2倍光学ズーム、Pro Maxには65mm相当の2.5倍光学ズームとなっており、ユーザーにとって画面サイズ以外にも好みのモデルを選ぶ要素の1つとなりそうだ。Proモデルのイメージセンサーサイズの改善とDSLRスタイルのセンサーシフト光学式手ぶれ補正技術により、昨年のモデルよりも87%も多くの光を画素に集めることができるようになった。
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iPhone12モデルの前面カメラと背面カメラはそれぞれコンピュテーショナルフォトグラフィーを使用してナイトモードがアップグレードされた。三脚使用時にはナイトモードのタイムラプス機能も新たに追加されている。ProについてはAppleは「Apple ProRAW」という新しいフォーマットを導入している。これはRAW画像形式に複数のほぼ同時露光の利点を組み合わせたもので、撮影者は露光後に画像のレベルを微調整し直すことができる。
4K/60fpsのDolby Vision対応HDRのサポートを含む、新しい10ビットHDR動画録画モードも導入されている。Qualcommは昨年12月にこの機能を備えたCPU、Snapdragonを発表したが、Appleは、iPhone 12 Proのカメラがこの機能を備えた初のスマートフォンカメラとなり、さらに、スマートフォンからダイレクトにDolby Vision HDR動画を編集することのできる初のデバイスになるだろうと主張している。(次へつづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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