西アフリカのGrab・Gojekを目指すGozem

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Image Credit:Gozem

ピックアップ:How Gozem transitioned from a motorcycle-hailing platform into a super app in two years

ニュースサマリー:西アフリカ・トーゴ発のスタートアップGozemは今年3月、プレシードラウンドにてPlug and Playより資金調達を実施したと発表している。2018年11月にトーゴで配車サービスを提供する会社として始まったGozemは徐々に提供エリアとサービスを増やし、当初からモデルとしているGrabやGojekのようなSuper Appへと徐々に成長を重ねている。

将来は西アフリカ版のGrabやGojekとなることを目指し、提供国や提供サービスを徐々に追加している。同社によれば、Gozemのアプリは既にサービス開始以来50万以上のユーザーに利用されている。

詳細な情報:今年7月にeコマースサービスと配送サービスを開始するタイミングでアプリインターフェースを刷新、これまでの配車サービスがメインだったアプリから、統一されたプラットフォーム上で複数のサービスが利用できるSuper Appへと生まれ変わった。

  • 同社によれば、10年前の東南アジアと現在の旧フランス領西アフリカ地域の交通機関網にはバイクタクシーの多さや組織化されていない交通機関網など共通点が多いことに気づいたという。また創業者の1人であるRaphael Dana氏は実際に東南アジアで配車サービスを体験していたこともあったため、当初からGrabとGojekをモデルとして事業を開始した。
  • 2019年に新たにベナンでもサービスの提供を開始、当初はバイクだけだった配車サービスにはトゥクトゥクとタクシーが加わる。
  • 今年5月には、当該地域でサービスを提供するモバイル通信会社Etisalatグループと提携。Gozemのユーザーはアプリ内ウォレットから同社のモバイルマネーMoov Moneyを使用したキャッシュレス決済が可能に。
  • さらに7月には、トーゴのロメとベナンのコトヌーでeコマースと配送サービスを開始。本来、eコマースサービスの開始はもう少し先を予定していたが、新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングの需要が増大したため時期を早めてのリリースとなった。
  • 現在までにサービス提供エリアはトーゴとベナンの首都を含む両国7つの都市に拡大。次はカメルーンとガボンへの参入を予定し、既に両国でドライバー志望者を募り6,000人以上がウェイティングリストに入っている。
  • 今後はコンゴ民主共和国、マリ、ブルキナファソ、セネガル、コートジボワールへでの事業展開も計画しているという。また、配車サービスの乗車記録数は2019年の第4四半期は35万回、2020年第一四半期は50万回と今年に入り利用が増加している。

背景:2017年の時点でアフリカ大陸には21の国に60を超える配車サービスが存在していた。しかし、旧フランス領西アフリカ地域には同様のサービスがなく、当地でのビジネスを始める機会を模索しながらシンガポールなどの東南アジアに滞在していたRaphael Dana氏と、以前にナイジェリアのUberで働いていた経歴を持つEmeka Ajene氏が出会いGozemが創設された。

旧フランス領西アフリカ地域はかつてフランス領だったモーリタニア、セネガル、フランス領スーダン(現在のマリ共和国)、フランス領ギニア(現在のギニア)、コートジボワール、ニジェール、オートボルタ(上ボルタ、現在のブルキナファソ)とフランス領ダホメ(現在のベナン)の8地域を指す。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

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