ソフトバンクが支援する自律型デリバリーNuro、ドライバレストラック開発のIkeを買収(2/2)

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Image Credit : Ike(Our next chapter

(前回からのつづき)外から見たIkeは、今後10年間で数千億ドルの価値があるとされる市場で成功するための資格を持っていたのは間違いない。Ikeの共同設立者であるJur van den Berg氏とNancy Sun氏は、Appleの特別プロジェクトグループや、Uberに買収された(※この企業はのちに閉じられたが)自律型トラック輸送のスタートアップOttoに在籍していたこともあるベテランたちだ。

創業者のパートナーであるAlden Woodrow氏は、風力エネルギーを利用して発電する凧の開発を目指したGoogle Xの「Makaniプロジェクト」のプロダクトリーダーを務めた人物で、Uberの自動運転トラックプログラムではグループプロダクトマネージャーの経験も持っている(これらSun氏、van den Berg氏、Woodrow氏はNuroの経営陣に加わる予定)。

Ikeはこの秋、DHL、Ryder、およびNFIとの契約を獲得し、その技術をこれらの企業群に提供する。一方、Ikeには明確にアリゾナ州やカリフォルニア州、中国などで開発を続けるPronto.aiやTuSimple社といった3年目ぐらいの競合の存在もある。また、スウェーデンのベンチャー企業であるEinride社Aurora社Embark社などもそのひとつだ。現職のWaymoもまた、Waymo Viaという自律運転型貨物輸送サービスに多額の投資を行っており、Alphabetの支援を受けたベンチャー企業は、輸送・物流セグメントの一角を切り開こうとしている。

パンデミックとその影響(テストの遅れを含む)は、自律輸送業界全体の統合、発売の延期やキャンセル、揺り戻しをもたらした。Fordは自動運転サービスの発表を2021年から2022年に延期し、WaymoのJohn Krafcik CEOはNew York Times紙にパンデミックの影響で作業が少なくとも2カ月遅れたと伝え、Amazonはドライバーレス車のスタートアップZooxを13億ドルで買収している。Boston Consulting GroupのマネージングディレクターであるBrian Collie氏によると、AVの広範な商業化は2025年か2026年までには実現しないというーーこれは想定よりも3年遅れだ。

Nuroは幸いなことに現金が豊富だ。カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くこの会社は、2016年にDave Ferguson氏とJiajun Zhu氏が共同設立した会社で、Googleが秘密裏に動かしていた自動運転車プロジェクトのベテランだった。(このプロジェクトは最終的にWaymoとしてスピンアウトした)。Nuroはソフトバンクのビジョンファンドが主導する2019年2月のベンチャーラウンドで9億4,000万ドル、11月のその後のラウンドで5億ドルを獲得している。後半のラウンドでNuroは50億ドルと評価されている。Nuro社の社長兼共同創立者であるDave Ferguson氏は次のコメントを発表している。

「私たちは、Ikeが最も厳格な安全性を第一に考えたシステムベースの自動運転アプローチを開発しただけでなく、この分野で最も優秀なチームの一つと広く評価しています。Ikeチームとその専門知識が加わったことで、可能性のあるアプリケーションの地平が広がったことを知り、一緒に達成できることを楽しみにしています。そして、彼らが我々の使命に加わってくれることにワクワクしています」。

4月、600人以上の従業員を抱えるNuroは、カリフォルニア州自動車局(DMV)から、サンフランシスコ・ベイエリアの一部の公道でドライバーレス配送車のテストを行う許可を得た。2月に米国道路交通安全局(NHTSA)に対して与えた自律運転における免除(Nuroがカスタム設計したR2配送車に対し、乗用車に必要とされる特定の装備がない状態で道路で試験的に使用することを認めたもの)に続くものだ。

テキサス州ヒューストンにあるNuro社のトヨタ・プリウスの車両は、1年以上前から、Kroger、Domino’s、Walmartなどの様々なパートナーを通じて一般消費者への配達を実施している。同社はこれまでに75台以上の配送車を配備しており、その中には自走式のプリウスとR2が混在している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】