米Big Time Studios、NFT活用のアクションRPG開発で2,100万米ドル調達(3/3)

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前編からの続き

仕組み

SF 旅行ゲームを開発する Big Time Studios
Image Credit: Big Time Studios

プレイヤーはボスを倒した時などに、価値の高いアイテムを獲得することが出来る。同社は現在のところ独自暗号通貨トークンは発行したいとしている。背景としては、他社が同社技術を利用する際に競合しないためだとしている。また、Pay to Win (勝つために必要なNFT)は導入予定が無いという。

「多くのマルチプレイヤーゲームでは、コスメティックスアイテムやスキンが経済を動かす要因となっています。希少性があるアイテムを交換できるようになれば、アイテム獲得への需要を増やすことが可能です。だからこそ、私達のゲームには課金要素のないゲームに取り組んでいるのです。アイテムは単なる装備品であり、資本によって左右されるものでないのです。」

同社技術はイーサリアム上に構築されており、スマートコントラクトとセキュリティーの強さが特徴。アイテム購入や制作時の記録はすべて独自のデータベースに保存され、自動的にブロックチェーンにNFTをミンティングする仕組みは取らないという。これは、イーサリアムのガス代やコンピューティングコストを考慮してのことだ。

ユーザーはイーサリアムに多くの資金を持っているが、NFTの最大の売りはゲーム外に持ち出して利用したり売却したりすることが出来ることだ。NFTは分割することで、購入価格を安く設定することも出来る。プレイヤー自体は、ゲーム内でNFTを利用すれば手数料が発生することはない。プレイヤーはオフチェーンカストディアンシステムにアイテムを保有することが出来、これは同社が特許を取得している技術である。NFTと通常のアイテムが共存できるプライベートデータベースともいえるだろう。

「この仕組みにより、ユーザーはホストされたウォレットを利用することが出来るようになります。この体験自体はごく普通のRPGと変わりません。ユーザーは自分のタイミングで資産をオフチェーンからオンチェーンに移動させることが出来ます。」

VaultはMicrosoftのPlayfabのような一般的インターフェースでバックエンドに接続する。同氏は「簡単に統合できる仕組みで、バックエンドに依存しないよう構築しています」と述べている。また、アイテムをプラットフォーム外で販売・送金する場合はガス代を含むミンティングを通す必要がある。

「ゲーム開発者であれば、誰でもバックエンドと統合することが出来ます。ガス代自体も先払いでなく、アイテムをミンティングする際のみに発生するので最適な方法です。資産の保管と保有自体は我々が行っています。Decentralandで発生した課題として、数千ドルもの資金を投じたアイテムの秘密が気を紛失したケースがありましたが、これはそうした事例に対するソリューションです。」

Big Time Studiosはアイテムのセキュリティー管理については信頼を置いて欲しいと述べる。イーサリアムのエナジーコストに反対する意見もあるだろうが、相殺するためのカーボンクレジット機能を導入するなども考えているという。イーサリアムは将来的にPoWからPoSへの移行を表明している。

まだまだこれから

Big Time Studios の現在の従業員は25人。
Image Credit: Big Time Studios

Meilich氏は、Decentralandのように同プラットフォームをDAO化する可能性は少なくとも初期の時点には無いとの考えを明らかにしている。それは、多くのガバナンスが必要なことが想定されるからだ。

長期的には、需要が顕在化することでプレイヤーが資産を引き出し、他のブロックチェーンへ移動させる仕組みを考えていることを明かしている。しかし、「現時点で需要があるとは言えない」との考えもあ表明し、将来的な実装構想のようだ。

同社は初期ターゲットに北米とヨーロッパ地域を選出。「私たちは様々なプラットフォームや販売チャンネルとパートナーシップを最大限に生かすことが出来るアプローチを模索しています。」と述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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