Facebookが仮想ワークルーム「Horizon Workrooms」公開ーー利用方法とプライバシーの扱い(4/4)

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(前回からのつづき)初めてWorkroomを利用する場合はサインアップして、workrooms.comでワークルームチームを作ることになる。同僚が既にWorkroomを利用している場合は、既存のワークルームチームへの招待メールを送ることで参加が可能になる。規約に同意して18歳以上であることを確認し、Workroomで表示する名前を選択する。

アカウントを作成したらOculus Storeから「Horizon Workrooms」をQuest 2にダウンロードしてインストールし、アプリの指示に従ってヘッドセットとアカウントをペアリングしてスタートする。

私は今回の参加を急いでいたので、自宅のリビングルームで立ち上がりながらハンドコントローラを使って「バーチャルデスク」を作成した。まず最初に安全な空間を設定するところから開始し、そして、机の位置と高さを指定する。この作業をパッとやってしまったため、会議に出席したとき他の人たちと同様にバーチャルなテーブルに座っているのではなく、椅子の中に座っていることに気づかれてしまった。どうしてこうなったのか、説明しながらやや恥ずかしい思いをしてしまった。

Workroomの安全とプライバシー

Above: Working in a Facebook Horizon Workroom. These were actually real people talking to me. Image Credit: Facebook

さて、Workroomで同僚とのコラボレーションをする場合、Facebookは自分の体験をコントロールできることが大切であると考えているようだ。

例えばWorkroomでは仕事上の会話や資料をFacebook広告を表示するために使用することはない。さらにデバイスのセンサーからの物理的環境の画像や動画をローカルに処理するパス・スルー情報をFacebookやサードパーティのアプリが、これらの画像や動画にアクセスしたり、閲覧したり、広告のターゲットに使用したりすることはない。

さらに自身が共有を選択しない限り、他の人がWorkroomでユーザーのコンピュータ画面を見ることはできない。また、Oculus Remote Desktopアプリに許可した権限は、コンピュータからヘッドセットへのストリーミングを可能にする目的でのみ使用される。

Workroomに登録する人は「Facebookコミュニティ基準」および「VRポリシーにおける行動」に同意する必要がある。Workroom内の他のメンバーやコンテンツがこれらのポリシーに違反した場合、ユーザーはチーム管理者に連絡し、チーム管理者は誰かをWorkroomのチームから外すなどの措置を取ることができるようになっている。また、ポリシーに従っていないと思われる場合は、ワークルームチーム全体を通報できるようになっている。VR空間内で迷惑行為をしている人がいる場合は、Oculusレポートツールを使ってその人を通報し、Facebook側で確認できるよう証拠を添付することもできるようになっている。

Workroomを利用するには、OculusやFacebookのアカウントとは別にワークルームのアカウントが必要になる。ただし、Oculusのユーザー名が他のユーザーに見える場合もある。例えば誰かがポリシー違反を通報し、ツールにユーザー名が表示された場合などだ。また、VRで仕事部屋を体験するにはQuest 2のアプリにアクセスする必要があり、ここにはFacebookのログインが必要になる。なお、Workroomを利用しても選択しない限り、Facebookのプロフィールやタイムラインが更新されることはない。

Samms氏は特筆すべき点として、Workroomsで行われたミーティングを記録できることを挙げた。これが斬新なことなのかは別として、人の話を聞くだけでなく視覚的なインタラクションを記憶できるというのが本当ならば、研修などのシーンに役立ちそうだ。

Bosworth氏はいくつかの会議に参加した上で、30分は快適に過ごせたと話していた。ただやはり、つまらない会議はつまらないとも語っていた。「これはメタバースではありませんが、メタバースへ向かう一歩です」と語る。

VRにログインすることは、スマートフォンを使うことに比べればまだ不便だ。しかしこれはメタバースで「生活し、働き、遊ぶ」ことを可能にするための「働く」という部分での非常に良いステップになるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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