Facebookが放つ「仕事向け」メタバース:期待と不安(1/4)

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Image Credit: Facebook

マーク・ザッカーバーグ氏は数週間前「メタバース」に関する展望を公表し、「Snow Crash」や「Ready Player One」に登場するような仮想世界や、Facebookが現実にこういった仮想世界を創造したらどうなるかについての議論を巻き起こした。

そして昨日、私たちはFacebookがそのまさに途上にあることを認識することになった。すなわち、バーチャルな会議室によって、だ。

Oculus Quest 2用のVRアプリ「Horizon Workrooms」の発表にあたりこのFacebookの創業者は昨日、足がない浮遊物のような姿で登壇した。 この場所では同僚たちが自分をマンガのようなアバターに変身し、アニメーション化された3D仮想空間で一緒に仕事をすることができる。Zoomに代わるものを期待している人にとっては、とてもエキサイティングな内容だろう。

しかし企業の創業者や経営者、働く人々の多くは、Facebookのデータプライバシーに関するこれまでの行動や誤報、偽情報、ヘイトスピーチ、暴力を誘発するようなコンテンツに関する問題を理由に警戒心を抱いているはずだ(ちょうどこのWorkroomsのニュースが流れた直後、議事堂近くで爆弾騒ぎが発生し、Facebookはそれを何時間もライブストリーミングで流すことを許可していたことなどがまさにそれだ)。

それだけじゃない。Facebookがプラットフォームを所有していることへの不安だけでなく、そのコンセプトに納得していない人や、本当に問題を解決しているのか疑問に思っている人もいる。さらにVRは「便利なもの」というよりも、まだ目新しいものだという印象もある。

技術系ファウンダーであり、投資家でもあるMark Cuban氏は「VRに積極的に関わっている」人物のひとりだ。そんな彼が本誌VentureBeatに対してこの技術には「致命的な欠点がある」と次のように語っている。

「VRヘッドセットを試すと人々はいつも驚きます。しかしこれを外すと何度も使いたくなるような理由はほぼ皆無なのです。人々がヘッドセットをすぐに手に入れたいと思うような日常的な活用例が出てくるまでは、仕事であれ遊びであれ人々にこれを買ってもらい、快適に使ってもらうことにFacebookは苦労するはずです」。

次につづく:Facebookが放つ「仕事向け」メタバース:本当に必要なの?(2/4)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

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