スポーツチームがファン向けクレカ発行、凸版印刷とナッジが共創

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

凸版印刷は9月、金融テクノロジーを手がけるナッジと協業し、チャレンジャーバンク事業での協業を開始すると発表している。凸版印刷はナッジに対して今年2月に出資をしており、両社は開発を進める次世代型クレジットカード「Nudge」を中心に事業を推進する。

Nudgeはアプリから申込できるタイプのクレジットカードで、AIによる独自の簡易審査による発行や使いすぎの防止、利用状況の確認など利便性をあげる機能のほか、ファンコミュニティを持つアーティストやクリエイター・スポーツチームなどの提携先がクレジットカードを発行できる「クラブ機能」を提供するのが特徴。

「クラブ」機能のユーザー活用例

利用者はカードを利用するだけで、応援するスポーツチームやクリエイターたちの用意する特典を得られるほか、その活動を支援することができる。ナッジ代表取締役の沖田貴史氏は次のようにコメントしている。

独自の審査手法を用いることで柔軟なクレジットカード発行を可能にした結果、これまで審査の通りにくかった学生や主婦などへの発行が可能となり、包括的なサービスを実現しています。また、どのアーティストやクリエイターでも提携クレジットカードを1枚から発行可能にしたいと考えていました。

従来の提携クレジットカードは最低ロットがあり少数の発行が難しいものでした。今回の協業で費用負担がなく1枚からのクレジットカード発行を実現しています。(ナッジ代表取締役 沖田貴史氏)

両社は少数ロットでの提携クレジットカードの発行において凸版印刷のオンデマンド技術が活用できることや、コンテンツホルダーをクライアントに抱えることなどから共創の検討が始まった。推進において沖田氏はオープンイノベーションの手法を活用したと語る。

ナッジは社員数は少ないものの、関わっている企業様は多くオープンイノベーションの考え方で事業を進めています。例えば凸版印刷さんにはカード発行及び発行に際してのBPO(※ビジネスプロセス・アウトソーシング)を、クレディセゾンさんにはBIN(※Bank Identification Number)スポンサーとして参加いただき、Visaカードの発行を可能としています。

またどの企業の担当者さんも弊社の一員であるかのように当事者意識を持って関わっていただいており、スピード感を持って事業を推進できています。(ナッジ代表取締役 沖田貴史氏)

凸版印刷はICカード発行支援や、コンテンツマーケティングなどの分野で培った経験を今回の協業に活かし、クラブ機能における提携先の拡大やサービスの展開支援を実施する。今回、協業にあたって凸版印刷ではチャレンジャーバンク領域での事業開発を狙う。

チャレンジャーバンクとは欧州など中心に新規に銀行業務ライセンスを取得し、預金やローンといった既存金融サービスをスマートフォンなどのモバイルインターネットで展開し、新たな体験を顧客サービスとして提供するスタートアップの総称。銀行業務ライセンスを持たない「ネオバンク」と共にここ数年のフィンテック・トレンドとして注目を集めている。

凸版印刷側で今回の取り組みを推進した、戦略投資センターの草野一成氏は以下のように期待を寄せている。

世界的にネオ・チャレンジャーバンク市場が勃興しており、日本でもチャレンジャーバンク市場の形成が始まっています。現在の凸版印刷のクライアントである実店舗・実媒体を起点とした銀行業に加え、チャレンジャーバンク領域でも新たなビジネスチャンスが発生すると考えています。今回の資本業務提携はナッジとの協業を通じて、凸版印刷としても事業機会の探索を狙うものになります。(凸版印刷 戦略投資センター 草野一成氏)

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