戦闘機パイロットの危険察知能力を向上、米空軍向けARソリューションを開発する「Red 6」

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Defense Tech(防衛技術)スタートアップ Red 6 は2021年、本社をカリフォルニアからマイアミ中心部に移転、また、技術ハブを同じくフロリダ州のオーランドに設立した。Red 6 は AR(拡張現実)を使って、戦闘機のパイロットが飛行中に危険を察知できるようにする「Airborne Tactical Augmented Reality Systems(ATARS、航空戦術 AR システム)」を開発している。これを使えば、飛行中のパイロットと地上のオペレータは、リアルタイムかつ迅速に危険を察知し、軍事訓練に役立てることができる。

AI、AR、ビデオゲームグラフィックスを組み合わせることで、例えば、戦闘機パイロットは強い遠心力に耐えながら、中国やロシアの戦闘機をはじめ仮想敵とドッグファイトの練習をすることができるようになった。Red 6 の技術は、従来のフライトシミュレーターよりもはるかに現実的なパイロットの能力テストができるそうだ。この技術が、ゲームやエンターテイメントに用いられる消費者向け AR と決定的に違うのは、低遅延で高い信頼性を持ち、より過酷な条件下で動作することが求められる点だ。

Red 6 はアメリカ空軍から7,000万米ドルの契約を獲得しており、今後、ATARS を特定の軍事訓練用航空機に連携する予定だ。この Red 6 との契約は、中小企業の研究開発に対する助成金制度「Small Business Innovation Research(SBIR)」のフェーズ1 に基づいた契約だ。アメリカ空軍のイノベーションハブでスタートアップアクセラレータの AFWERX は、以前、Red 6 とSBIR フェーズ1 とフェーズ2 契約を締結していた。

Featured image provided by USAF / Senior Airman Mercedes Porter.

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