T&D、50億円規模のCVCファンドを組成——Spiral Innovation Partnersと

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左から:鎌田和博氏(Spiral Innovation Partners パートナー、9月入社予定)、 岡洋氏(Spiral Innovation Partners 代表 パートナー)、 奥野友和氏(Spiral Capital代表パートナー)、 武田邦之氏(T&D ホールディングス 経営企画部 共創投資課長)、山口剛史氏(T&D ホールディングス 経営企画部 共創投資課 課長代理)、矢野禎二氏(T&D ホールディングス 経営企画部 課長)
Image credit: T&D Holdings / Spiral Innovation Partners

保険大手の T&D ホールディングス(東証:8795)と Spiral Capital のオープンイノベーションに特化した子会社 Spiral Innovation Partners は21日、「T&D Innovation Fund」を設立したことを明らかにした。ファンド規模は50億円。GP は Spiral Innovation Partners、LP は T&D ホールディングスの、いわゆる〝二人組合〟として運用される。

これは、Spiral Innovation Partners が運営する CVC ファンドとしては、セイノーホールディングス(東証:9076)との Logistics Innovation Fund に続くものとなる。T&D Innovation Fund の投資領域は、国内のヘルスケア、インシュアテックで、チケットサイズはアーリーで1.5億円、ミドル・レイターで2.5億円。

T&D ホールディングス傘下には、個人向けの生命保険を扱う太陽生命と、中小企業経営者向けの生命保険を扱う大同生命などがある。今回の新ファンドでは、B2B および B2C の両分野において、インシュアテックやヘルスケア領域のスタートアップとの協業を狙う。B2B では保険会社を顧客と捉えたバリューチェーンに連なるビジネス、B2C では顧客接点の拡大を狙うビジネスの創出を狙う。

CVC およびその関連事業会社との協業では、一般的に、スタートアップは PMF を終えサービスが確立している方が結果を生み出しやすく、シリーズ A 以降のスタートアップがスイートスポットになることが多いが、昨今はアーリーシフト(以前より早いラウンドでの大型調達や協業)が進んでおり、新ファンドでは、アーリーなスタートアップとの協業も視野に入れているという。

特に、インシュアテックやヘルスケア領域の B2C 分野においては、顧客接点の接点につながるサービスを持っていれば、資本提携および協業関係を持つ相手先は、スタートアップに限らないとしている。すでに金融サービスを提供している事業体が、そこに、T&D ホールディングス傘下の事業会社の持つサービスを連携することで、新たな事業価値を創出できる可能性もあるだろう。

なお、CVC の運営受託を主業とする Spiral Innovation Partners ではこれまでパートナーが代表の岡洋氏のみだったが、9月に鎌田和博氏がパートナーとして加わることが明らかになった。鎌田氏はこれまで、ゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門でスタートアップ投資に従事し、Sansan などへの投資実行を担当してきた。

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