Spiral Ventures JapanがSpiral Capitalにリブランド、2つの新ファンドを組成——オープンイノベーション特化の子会社も設立

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Image credit: Spiral Capital

【26日10時30分更新】一部記述を訂正(赤字部)。

Spiral Ventures Japan が Spiral Capital にリブランドしたことが明らかになった。27日の日経が伝えた。IMJ Investment Partners を前身とする Spiral Ventures(シンガポール法人)は2017年3月、アジア向けおよび日本向けの投資ビークルとして、それぞれ、Spiral Ventures Asia と Spiral Ventures Japan が設立され運営されてきた

Spiral Ventures の MBO が完了したこと、また、70億円規模の Spiral Ventures Japan の1号ファンドの出資が完了したことから、2号ファンドの組成と合わせ、組織を独立させることにしたようだ。Spiral Ventures Asia と Spiral Capital は、互いに資本関係を持たない独立したファンドとして活動を始めることになる。

Image credit: Spiral Capital

人事体制についてもいくつかの変更がある。マッキンゼーやカーライルの日本代表を歴任し、旧 Spiral Ventures Japan でシニア・アドバイザーを務めた平野正雄氏が Spiral Capital の会長に、以前プリンシパルパートナーだった千葉貴史氏は Spiral Capital のパートナーに就任した。また、同社はオープンイノベーションに特化した子会社 Spiral Innovation Partners を設立し、代表パートナーに岡洋氏が就任、住友商事出身でゼロワンブースター元執行役員の松本泰拓氏がプリンシパルとして参画する。

2つのファンドを組成

Spiral Capital では、2つのファンドを組成することも明らかにした。一つ目は Spiral Capital Japan Fund 2号で、規模は100億円以上。対象領域やチケットサイズは1号ファンド(Spiral Ventures Japan 1号ファンド)を踏襲している。X-Tech(ネットとリアルの融合)を重点テーマとして、アーリー・ミドルからレイターまでの「業界変革型ビジネス」「新産業創出型ビジネス」の2領域が対象。1ショットのチケットサイズは、アーリー・ミドルで1.5~3億円、レイターで5~10億円。

岐阜・大垣にあるセイノーホールディングス本社
CC BY-SA 4.0 via アラツク / Wikimedia

もう一つは、物流テック(LogiTech)に特化したスタートアップに投資を自一行する Logistics Innovation Fund だ。GP は Spiral Capital Spiral Innovation Partners で、LP は現時点でセイノーホールディングス(東証:9076)の1社のみ。今後、金融機関を中心に LP を追加で募る方針だ。Logistics Innovation Fund の規模は70億円以上で、チケットサイズはアーリーで1.5億円、ミドル・レイターで2.5億円。

Spiral Capital は、Logistics Innovation Fund のような業界特化型ファンドを Sector-focused Venture Capital(SVC)と呼んでいる。現在、日本国内で事業会社のファンド運用受託している VC としては、SBI インベストメント、グローバル・ブレイン、フューチャーベンチャーキャピタル(東証:8462)などが存在するが、多くの事業会社が CVC を立ち上げようとする中で、Spiral Capital はこうした需要の新たな受け口になることを目指している。

大企業とスタートアップをつなぐオープンイノベーション支援

IMJ Investment Partners(当時)が運営していた「T-Venture Program」。2015年のデモデイ。
Image credit: Masaru Ikeda

Spiral Ventures Japan やその前身である IMJ Investment Partners は、2016年まで CCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)の「T-Venture Program」、東急電鉄の「東急アクセラレートプログラム」、森トラストの「Future Accelerate Program」や ASICS の「Accelerator Program」といった事業会社のアクセラレータプログラムの運営を支援してきた。こうして得られた知見を元に、岡氏と松本氏が率いる Spiral Innovation Partners はオープンイノベーション支援を提供する。

事業会社にとっては、DX(デジタルトランスフォーメーション)や PMI(post-merger integration)を念頭に置いた、スタートアップのソーシング、大企業とのマッチングを依頼しつつ、必要に応じて、前出の SVC や Spiral Capital のファンドを活用しスタートアップの資金需要にもワンストップで対応できる点はメリットが大きい。日本にもオープンイノベーション支援を提供する会社は増えたものの、VC とアクセラレータ運営の両機能を兼ね備えているのは、サムライインキュベートなど一部に留まっている。

Spiral Innovation Partners は今後、規模の拡大と共にスタッフメンバーの採用も強化する計画だ。また、Spiral Capital としては、GCA テクノベーションと共に、スタートアップと大手事業会社の提携を促す「Innovation Alliance Hub」を昨年から運営している