エアバス、自動運転技術と画像認識で航空機の自動離陸に成功

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自動運転で離陸するエアバスの航空機
Image credit: Airbus

Airbus の航空機は、コンピュータービジョンシステムによる自動運転技術を使って離陸に成功し、自律飛行への新たな一歩を踏み出した。

Airbus は16日、テスト内容を発表したが、実際の飛行は2019年12月18日に行われた。飛行テストの乗組員には2人のパイロットに2人のフライトエンジニア、そして1人のテストフライトエンジニアが含まれていた。4時間の間に8回の離陸テストが行われた。

航空機は通常、離陸時にパイロットを誘導する目的で滑走路上に送信されている電波を利用した計器着陸装置(ILS)と交信している。フライトを開始するには従来の空港インフラが必要だ。

巨大航空機メーカーの同社が実施した今回のテストでは、画像認識システムを航空機内に搭載することにより、パイロットによる操縦や ILS との交信無しに離陸することを可能にした。

Airbus のテストパイロットである Yann Beaufils 機長は声明で次のように述べている。

歴史的なテスト飛行の間、航空機は期待通りに動いてくれました。滑走路上でアライメントを完了し、管制官の許可を待つ間、自動操縦を行いました。スロットルレバーを離陸設定にして、機体を監視しました。システムに入力した通りの回転速度で滑走路のセンターラインを維持しながら、自動的に動き出し、加速を始めました。予定された離陸のピッチ角をとるために機首が自動的に上がり始め、そして数秒後、私たちは離陸しました。

同社は様々な自律飛行プロジェクトに投資している。2018年、シリコンバレーにある A³ lab が開発中の自律型電動飛行タクシーVahana」をテストした。前年には、モジュール輸送システムの Pop.Up を公開した。ドローンを使用して自動運転車の乗客カプセルを空中に浮かび上がらせ、そのまま目的地まで運ぶという。

Airbus によると今回の自動離陸テストは、Autonomous Taxi, Take-Off & Landing(ATTOL)プロジェクトと呼ばれる、幅広い取り組みの新たなマイルストーンだとしている。同社はテストを通じて、このようなシステムが全ての輸送車両にどのような影響を与えるかを調査している。

今年中には、画像認識による自動運転タキシング(地上移動)と着陸シーケンスのテスト飛行を実施する予定だという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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