デジタルヒューマンからファッションモデルアバターまで、AIスタートアップまとめ/GB Tech Trend

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Creative Reality Studioの立ち上げを発表した「D-ID」
Image Credit: D-ID

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

この1カ月で「AI」をテーマにした領域で革命が起きています。画像生成AI「Stable Diffusion」の登場により、簡単なキーワードの入力だけでクリエイター作品と見間違うほどのアウトプットを制作できるようになりました。

人間とAIが協調することで、より創造的なプロセスへ動き出せるようになりつつある中、今回は直近で注目が集まっているAIスタートアップを簡単にまとめつつ、最後には「Stable Diffusion」の影響を多分に受けるであろう領域に特化して、手短に考察していければと思います。

まずはB2B2C領域から。イスラエルのAI企業「D-ID」は9月19日、1枚の画像をアップロードするだけで動画を生成できるサービス「Creative Reality Studio」の立ち上げを発表。同社は故人の写真や肖像画で描かれている人が、まるで生きているかのように話している動画を生成する「Deep Nostalgia」の開発のため、肖像発話技術等を提供しています(Deep Nostalgiaは家系図サービス「MyHeritage」と共同)。

Creative Reality Studioでは、ユーザーは1枚の画像をアップロードするか既存のライブラリーから好きな画像を選択し、そのあとは動画内のアバターに語って欲しいテキスト内容を入力するだけでサービス利用ができます。たとえば社内研修で、多忙な上司や経営陣の写真を使い、新入社員にマニュアルや働く際の心構えを語らせることができるようになります。

D-IDの競合には、9月15日に1,060万ドルのシリーズA調達を発表した「Rephrase.ai」が挙げられます。同社はちょうど2年前の2020年9月に150万ドルの調達を発表しており、当時は営業メールやメッセージに添付するAIアバターピッチ動画としてのユースケースを訴求していました。ただ、最近の動向ではニッチ領域から広告市場へ活動の幅を増やしています。

他方、2C領域ではソーシャルとファッション領域でのAI活用が進んでいます。ディープフェイクGIFで遊ぶ「Avatarify」や、Andreessen Horowitzから調達した「Reface」などの新興勢力は有名でしょう。ただし、昨今のソーシャルアプリ勢では、「BeReal」が抜きに出ており、2C向けソーシャルとして不発に終わりつつあるのかもしれません。

そんな中、ファッションAIの活用に期待が集まっています。

2022年5月に800万ドルの調達に成功している「ZMO.ai」は、バーチャルファッションモデルを簡単に作成できるAI作成サービスを提供しています。コロナの影響で中国では欧米系モデルの調達が難しくなったり、欧米圏では中国・東南アジアにおけるサプライチェーンの混乱により衣料生産が滞ってしまい、新作発表に遅れが出ました。そこでAIモデルを使って手軽に作品を発表できる需要が発生。ZMOの利用価値が高まっています。

D-IDやRephrase.aiのサービスと、冒頭にも紹介したStable Diffusionとの相性は定かではありませんが、全く新しいキャラクターやモデルを生成して楽しむ価値観が広まることで、RefaceやZMO.aiの領域では、何か革新的な動きが発生するかもしれません。

Stable Diffusionに絡めた話を続けると、おそらく最もインパクトをもたらすであろう領域として短尺動画市場が挙げられます。1-2分ほどにコンパクトに内容をまとめた動画を発信するメディアは「NowThis」を筆頭にここ10年弱ほどで急増しましたが、こうした短尺動画を手軽に編集して発信するツールも登場しています。

Wibbitz」や「Papercup」がそのプレイヤーですが、こうした編集ツールを使う上で、需要高く上がるのが映像素材(Footage)です。自社で撮影した素材でないのであれば、外部から調達する必要もありますし、許可取りのプロセスも大変です。こうした足りない素材に対して瞬時にAIが必要な要素を補うことができるようになれば、動画メディアの制作コストが大幅に削減されるはずです。

今は多くの企業が新たに登場しているAIツールのユースケースを模索している時期だとは思います。どの企業が自社事業にいち早く実装し、その事業モデルから変革をもたらせるのか競っている中、とりわけメディア領域でのユースケース開拓に注目が集まるかもしれません。

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