インパクト投資をクラウドファンディングにした「Raise Green」のメリット(3)

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Image credit:Raise Green

(前回からのつづき)最後に紹介するのは誰でも気軽にESG投資に参加できるプラットフォームを提供するスタートアップだ。

マサチューセッツ州サマービルに本拠を置くRaise Greenは、機関投資家および個人の投資家と環境改善に取り組む大小さまざまなプロジェクトを繋ぐプラットフォームだ。これまでにシードラウンドで250万ドルを調達している。投資家には資金提供の機会を、プロジェクト側には集まった資金に加えてプロジェクトを幅広く知ってもらう機会を提供する。

一般的なクラウドファンディングでは将来的に製品化される商品を先行予約する購入型のものや、株式を直接分割して購入する投資型、Kivaに代表される寄付型などがある。同社の実態は、米国証券取引委員会(SEC)とFinancial Industry Regulatory Authority(FINRA)に登録し、非公開証券を販売する証券仲介ブローカーだ。そのため投資家はクリーンエネルギー、気候ソリューションプロジェクトに投資することで株式を保有し、プロジェクトの成功と共にキャピタルゲインの形で利益を得ることができる。つまりESG/インパクト系特化の投資型クラウドファンディング、ということになる。

ではESG・インパクト投資をクラウドファンディングにするメリットはどこにあるだろうか?

ESG/インパクト経済において購入型だとカーボンクレジットのような取引は可能だが、そもそもクラウドファンディングにする意味が薄い。寄付では災害発生など一時的なプロジェクトにおいては効果が見込めるが、継続に無理が生じるため、やはりプロジェクト投資の形が理想的になるのだろう。一般的な未公開株の投資では、ステークホルダーが増えすぎるとコミュニケーションコストが増大するデメリットに目がいきがちだが、環境保全のようなプロジェクトでは「参加者の多さ=関心の高さ」という別の評価につながる。

Image credit:Raise Green

環境保全へのインパクトだけでなく金銭的リターンも投資判断の対象となるため、プロジェクト概要には証券タイプや年利、オプション、資金用途、財務予測表など項目が提示されている。筆者もどこに投資してみようかと個人アカウントを作成してみたのだが、簡単に開設可能で、すぐに投資ができることまでは確認した。ただ寄付であれば共感すれば気軽にできるのに、リターンがあるとなると慎重になるというのは自分でも驚いた。プロジェクトに興味がある人は一度覗いてみてほしい。多くのプロジェクトが存在し、最低100ドルから投資が行える。

同社は創業2年間で、再生可能エネルギー、電気自動車、持続可能な製造と生産など18の未公開株を発行し、2022年には取引金額が500万ドルを超えたそうだ。同社は「Enviromental Finance Impact Award 2022」のImapact investing platform部門の年間大賞を受賞するなど、第三者評価も高まっているようだ。

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