ECサイトでモノのレンタルやサブスクを支援する「marvle」/Monthly Pitch! スタートアップの扉

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ONZO 代表取締役 知場啓志氏

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載

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サービス概要:元々オーディオ機器のサブスクレンタルサービスを運営していたONZO。そのノウハウを駆使し開発したのが、ECサイトでモノのレンタルやサブスクを支援するシェアリングプラットフォーム「marvle」です。

marvleを利用するのは、主にD2Cや小売り事業者。marvleを導入することで、自社のECサイトに、商品のレンタル機能を簡単に導入できるようになります。商品をレンタルして実際に使ってみることで、消費者には商品を購入するか否かをゆっくり考えられるメリットが生まれます。

Monthly Pitch編集部はココに注目:ONZOの知場さんがピッチで例に出したのは、ECで販売されている55万円の商品。実物を確認せずに購入するには勇気が必要な金額です。この商品を試せるならいいですが、展示が遠方でしかやっていなかったり、短時間しか使えなかったりと、課題も少なくありません。

かといって、この問題を解決するために、販売を主なビジネスとする企業が、自社でレンタルやサブスクの仕組みを構築するのは大変です。そこで登場するのがmarvle。marvleはあらゆる機能を備え、レンタルやサブスクをしたい企業・消費者に貢献します。高級品を中心に、オーディオ、バッグ、フィットネス器具、電動工具など、実物を見てからECで購入したいという商品を中心に、導入が広がっているそうです。

Image credit: Onzo

詳細:家具のIKEA、DIYのHome Depot、スポーツウェアのNike、ファッションアイテムのH&M、スポーツ用品のDecathlon——これらはいずれも、メインの販売ビジネスと並行して、レンタルサービスやサブスクサービスを提供している企業だ。レンタルやサブスクは、本人確認や審査などの観点からもオンラインサービスと相性がよく、店頭での既存の販売ビジネスと整理する観点からも、eコマース上にレンタルの選択肢を設けている企業が多い。

アメリカのサブスク事業向け管理 SaaSを運営する Zuora が2019年に発表した調査によると、74%の消費者は自分で所有する物を減らし、その多くをレンタルやサブスクで補うと回答した。世界経済フォーラムもまた、2030年までに「人々は欲しいものを何でもレンタルし、ドローンで配達されるようになる」と予測している。購入する前にレンタルやサブスクが最初の選択肢として選ばれる傾向も増えるだろう。日本でも、カメラ機材のサブスクサービス「GooPass」が資本提携したビックカメラと協業している

世界的に見てみると、ヨーロッパの環境に対する関心の高さを反映して、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を促すスキームが評価され、フィンランドの「Rentle」が躍進している。Rentleはレンタルに特化したコマースプラットフォームで、これまでに500万ユーロ(約7.2億円)を調達している。サブスクやレンタルを提供するコマース事業者もまた、RBF(売上連動型ファイナンス)をはじめ資金調達手段の多様化により、eコマースに加え、レンタルコマースに参入する事例が増えることが予想される。

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