No New Folk Studio は、モーションセンサーや通信機能を備えた靴型ウエアラブルデバイスのプラットフォーム「Orphe」を開発。今年2月には、MTG Ventures、三菱UFJ信託銀行、Darma Tech Labs、Mistletoe からシリーズ A ラウンドで2億5,000万円を調達した。
Allen Miner 氏(サンブリッジ 代表取締役会長兼 CEO / HackOsaka スーパーバイザー)
MC は、元 Tech in Asia 日本編集長で Best Beer 創業者の Peter Rothenberg 氏が務めた。
Gold Prize: dot(韓国)
dot は点字が表現できるスマートウォッチを開発。視覚障害者がスマートウォッチのように使え、メッセージのやりとりやソーシャルネットワーク上の投稿を読める。通常の点字キーボードは5,000ドル程度するが、dot は290ドルで提供できるため、視覚障害者へのギフトとしても最適。30の特許により、dot 上の点字表示部の小型化に成功している。昨年、SLUSH TOKYO のピッチコンテストで優勝。
Google の協力を得て点字表示ができるタブレット「Dot Pad」(950ドル)に加え、Dot Pad の簡易版(教育用、200ドル)である「Dot Mini」を開発。1,000万人の視覚障害者がいるインドで数百万台を投入予定。次なるプロジェクトとして、ドバイのスマートシティプロジェクト向けに点字キオスクを開発に着手、平昌オリンピックでも試験展開した。現在アメリカと中国で事業展開しており、日本市場にはまもなく上陸予定だ。
Silver Prize: Eye Control(イスラエル)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)で身体が動かせない患者は世界中に160万人いるとされ、その人口は増加傾向にある。彼らがコミュニケーションに使う装置が高価であること気づいた Eye Control のチームは、ウエアラブルで、値段が安く、使いやすいデバイスを開発することにした。
Eye Control はカメラを使って患者の瞳孔の動きを細くし、それを小型コンピュータに送信して伝えたい内容を解析、BLE 経由でスマートフォンを通じ伝えたい内容が発声されたり制御されたりするしくみ。大きな表示スクリーンを使う煩わしさが無いのが最大の特徴だ。2011年の Starupboocamp から輩出、昨年にはイスラエルのテックメディア Geektime の Next Future Technology 賞を受賞した。
土屋氏の講演に引き続き、イギリス・ブリストルから Engine Shed の Nick Sturge 氏、アメリカ・ピッツバーグから Innovation Works の Jeffrey McDaniel 氏、Politemachines.com の Ajay Revels 氏、大阪市経済戦略局理事の吉川正晃氏を交えてのパネル・ディスカッションが持たれた。モデレータは、京都工芸繊維大学の特任准教授 Sushi Suzuki 氏が務めた。
Struge 氏は、ブリストル市とブリストル大学が共同で進めている、長期的かつサステイナブルな経済成長目指すコラボレーション・プログラム「Engine Shed」ののディレクターを務めている。Sturge 氏によれば、ブリストルは歴史的に製品の輸入で潤って来た街で、近年ではロールス・ロイスに買収された Bristol Aeroplane Company の流れを引いて航空機産業が盛んなほか、80年前に BBC がここに本局を構えたことに起因し、世界中の自然史に関わる番組の35%がブリストルで作られているのだそうだ。
Allen Miner 氏(サンブリッジ 代表取締役会長兼 CEO / HackOsaka スーパーバイザー)
平石 郁生氏(サンブリッジ 代表取締役社長)
Nick Sturge 氏(Director, Engineshed)
Ajay Revels 氏(Politemachines.com)
【Gold Prize】Docquity(シンガポール)
副賞:賞金50万円
アジアでは、医師が継続的医療教育(CME; Continual Medical Education)を受けるのには大きな障害を伴う。また、具体的な症例事案をオープンなソーシャルメディアなどで議論することも法律で禁じられている。その結果として、インドネシアでは、2016年に医師免許を更新できなかった医師が5,000人に上るという。
Monozokuri Hardware Cup の優勝者には、ピッツバーグで AlphaLab Gear が毎年開催する「National Hardware Cup」に、ロサンゼルス、ボストン、オースティン、デンバー、ワシントンDC からの予選通過者と肩を並べ、ファイナリストとして登壇する権利が与えられる(AlphaLab Gear の運営母体である Innovation Works の Jeffrey McDaniel 氏によれば、今回の日本勢のジョインに伴い「International Hardware Cup」に改称するとのこと)。また、入賞3位までのチームにも同イベントにツアー参加する権利が与えられる。
【1位】QD レーザ
QD レーザは、富士通や東京大学の共同研究からスピンアウトしたスタートアップで、量子ドット技術を活用し、さまざまな分野に応用できる量子ドットレーザを開発している。今回は、レーザープロジェクトから装着者の網膜に直接映像を投影する網膜走査型レーザアイウェアを紹介した。この技術により、全盲ではないものの、ぼやけた世界の中で暮らしている視覚障害者の QOL を高められる可能性がある。
私たち4人の共同設立者は Amazon Japan で出会いました。様々なメディア事業のプロダクトマネージャーとして働いていた時、作家や音楽家といった多くのクリエイティブな人たちが生計を立てるのに苦労していることを知りました。パッケージ化されたメディアの売上減に加えて、セールス側からは少ないマージンしか受け取っていなかったからです。
Budo Finder は合気道、剣道、柔道、空手に関するコミュニティ・マーケットプレイス。剣道の講師として、ヨーロッパの武術の競技大会に参加してきた創業者が設立。ヨーロッパのアクセラレータ One of 11 から2015年5月に輩出された。日本製の武術道具の販売に特化し、グローバルなマーケットに向けて展開する。
M Square の共同創業者で CEO の亟々美和(じょじょ・みわ)氏は2010年、MBA を取得するためパリに居た。仕事を得るための面接などでパリ市内を頻繁に移動したが、頼りになるのは、パリ地下鉄のICカード「NaviGo」 だ。しかし、彼女は使い方がわからず、電車に乗るたびに切符を買っていた。
ロンドンの OysterCard、シンガポールの EZ Card、香港の Octupus Card、ソウルのTカード、東京の Suica など、世界には多くの IC カードがあるが、インターオペラビリティー(相互運用性)は無い。また、複数のモバイルウォレットを持てば、それだけ多くのアプリと暗証番号やパスワードを持たなければならないし、盗まれることもある。
M Square が開発する Depago は生体認証を使った決済ソリューションだ。昨年10月から開発を始めており、今年の6月をメドにプロダクトがローンチする予定だ。
DigitAddress(日本・大阪/東京)
DigitAccess 創業者 王偉(ワン・ウェイ)氏
DigitAddress は、デジタル時代の住所暗号化ソリューションを提供。ユーザは住所に代えて、自身の住所を コード化したDAコードとして取得、商品の発送などにあたり、送付先をDAコードとして送り主に伝える。配達するオペレータは API を通じてDAコードから位置情報を取得、商品は送付先に無事に届けられる。
読者の中には、TechCity の名前を耳にしたことがある人も少なくないだろう。イギリスのスタートアップ・ハブとして名高いロンドン東部に広がるこのエリアでは、近年、IoT (Internet of Things) を作り出すハードウェア・スタートアップの隆盛が顕著だ。
先月、グランドフロント大阪で、スタートアップ・イベント HackOsaka 2014 が開催されたが、その前日、筆者は TechCity で活動するスタートアップ BERG の CEO Matt Webb と、世界的にも有名な Pebble の CEO Eric Migicovsky にインタビューする機会を得た。
本稿では Matt Webb の話を中心に取り上げたい。同席したジャーナリストの湯川鶴章氏や Eric からも質問が投げかけられ、リラックスした雰囲気の中で Matt の深い洞察を知ることができる貴重な機会となった。
Pebble の CEO Eric Migicovsky(左)、BERG の CEO Matt Webb(右)
まずは、今、やっていることを教えて。(池田)
Matt: Matt Webb です。BERG の創業者です。プロダクトをネットにつなぐのをサポートするクラウドサービスを作っています。IoT が日常に流れ込んできていますが、IoT をやっているところは小さな会社が多いです。我々は彼らがプロダクトを作りやすくしています。
ハードウェアのスタートアップというのは、皆、共通の問題を抱えています。お客さんのプロダクトがネットにつながらなくなったら、どんなメッセージが表示されているかを確認してもらい、何度も方法も試してもらったり、ハードウェアが壊れたら、それがどんな状況なのかを聞き取る電話サービスも必要でしょう。でも、ハードウェアのスタートアップ一社一社は小さいので、すべての顧客サービスを自分で提供するのは難しいです。我々はクラウドにつながる API をハードウェアのスタートアップに渡し、ハードウェアを作ること以外の周辺サービスを提供することにしたのです。ハードウェアの Amazon Web Services ですね。
ロンドンを拠点に活動する Matt が、新興のスタートアップ・ハブとしてベルリンを賞賛していたのは印象的だった。そして、ロンドンにもベルリンにも共通して言えることは、多種多様な人々が行き交い、スタートアップ・コミュニティが人種のるつぼ(melting pot)と化していることだ。スタートアップが世界的に受け入れられるサービスを作り出すために、これは日本のコミュニティにも求められる素地かもしれない。
Pebble の CEO Eric Migicovsky とのインタビューは、本稿の次編でお送りする予定だ。お楽しみに。
CEO の Ryan Rogowski が共有してくれたニュースが2つある。中国語→日本語に変換するバージョンが近々リリースされるということ、そして、Google Glass 向けの Waygo アプリのプロトタイプを開発中ということだ。メニューや看板を翻訳して読み取る上で、もはやスマホをかざす手間も必要なくなるわけだ。
これは19日大阪で開催された、スタートアップ・カンファレンス「HackOsaka 2014」の取材の一部だ。関西地域のスタートアップ・コミュニティを活性化すべく、昨年には 500Startups の Dave McClure を招いて第一回が開催され、今回はその二回目となる。 イベントの目玉として、アメリカ・シリコンバレーから Pebble CEO の Eric Migicovsky、イギリス・ロ…
これは19日大阪で開催された、スタートアップ・カンファレンス「HackOsaka 2014」の取材の一部だ。関西地域のスタートアップ・コミュニティを活性化すべく、昨年には 500Startups の Dave McClure を招いて第一回が開催され、今回はその二回目となる。
イベントの目玉として、アメリカ・シリコンバレーから Pebble CEO の Eric Migicovsky、イギリス・ロンドンから BERG の CEO Matt Webb が特別ゲストとして招かれた。Pebble は Y-Combinator 出身のスマートウォッチを制作するスタートアップで、 クラウドファンディング・サイト Kickstarter で出資受付開始から2時間で目標の10万ドルを達成、後に1,000万ドルを資金調達した。BERG はロンドンのスタートアップ・コミュニティ TechCity に本拠を置き、サードパーティ・デベロッパ向けに IoT 向けのクラウド環境を提供するほか、Little Printer という Google Calendar と連動して To-Do リストや新聞のヘッドラインが印刷される、小さなプリンタを開発している。
今回のイベントの最初のセッションでは、Pebble の Eric、BERG の Matt に加え、東京で 3D プリントのマーケットプレイス Rinkak を運営するカブクの稲田雅彦氏を招いて、パネル・ディスカッションが行われた。モデレータは、日本の著名なジャーナリストの一人である湯川鶴章氏が務めた。
Microsoft Kinnect にはジェスチャーセンサーが備わっていますね。本来はゲームでジェスチャーを読み取るためのものですが、これをハッキングして身体を3Dスキャンし、フィギュアを作ってしまった人たちが居るのです。Microsoft の意図がどうであれ、ユーザはハッキングを始めてしまいます。従来メーカーの生き残りは、コミュニティとうまくやっていけるかどうかにかかっているかもしれません。
Matt はコミュニティを作る上で、名前をつけることが大事だ。ロンドン東部の Old Street 駅周辺は俗称 Silicon Roundabout と呼ばれたが、イギリス政府が積極的にスタートアップを誘致するにあたって TechCity と名付け、そこから人々の認知度が上がった(関連記事)。人々はこの名前を聞いて、起業家精神について考え始め、共に集まり、コミュニティを形成し始めた。