今年7回目を迎えるHackOsaka、ピッチコンテスト「Hack Award 2019」にヘルスケアなどのチーム10社が世界中から集結

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.3.14

(写真はいずれも主催者提供)

大阪市は14日、年次のスタートアップ・カンファレンスである「HackOsaka 2019」を開催し、日本内外から投資家・起業家・メディアなどが参加した。2013年からスタートしたこのイベントも今回で7回目を数え、世界中のスタートアップ・エコシステムの動向を関西の起業家に紹介する姿勢には、なお一段と磨きがかかっているようだ。

イベントの終盤では、日本内外から集まったスタートアップ10チームがピッチを行なった。本稿では、入賞チームを中心に紹介する。審査員を務めたのは、以下の4名の方々だ。

  • Allen Miner 氏(サンブリッジ 代表取締役会長兼 CEO / HackOsaka スーパーバイザー)
  • Oscar Kneppers 氏(オランダ Rockstart 創業者)
  • Christina Teo 氏(she1K、Want Things Done 創業者)
  • Christopher Kommatas 氏(Melbourne Health Accelerator 共同設立者)

【Gold Prize】NIRAMAI(インド)

副賞:賞金30万円

乳がんの治療においては早期検出が重要だが、そのためのマンモグラフィー検査の受診率は依然として低い。また、アジア女性に多いとされる乳腺が高密度な乳房では、マンモグラフィー検査の結果からも乳がんの検出が難しいという課題もある。

NIRAMAI は、がん細胞が正常な細胞よりも発熱する特徴を活用し、胸部の熱画像を撮影してAIを使用して画像解析を行い早期発見を行うためのカメラとAIシステムを開発。マンモグラフィと比較して患者に痛みがなく、また X線 による被ばくリスクがない。

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【Silver Prize】no new folk studio(日本)

副賞:賞金20万円

No New Folk Studio は、モーションセンサーや通信機能を備えた靴型ウエアラブルデバイスのプラットフォーム「Orphe」を開発。今年2月には、MTG Ventures、三菱UFJ信託銀行、Darma Tech Labs、Mistletoe からシリーズ A ラウンドで2億5,000万円を調達した。

昨年、同社が参加した MUFG デジタルアクセラレータ第3期では、「1日1歩あるく毎に、医療費が0.065〜0.072円削減される」というデータに基づき、いわゆる情報銀行のプラットフォームを使って、パーソナルフットデータを集約し、健康保険やヘルスケアに反映させる構想を明らかにしている。

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【Bronze Prize】Fooyo(シンガポール)

副賞:賞金10万円

Fooyo は旅行者向けに、スマートナビゲーション、スマート旅程表、スマートパスブック、旅程提案システムの4つのコアテクノロジーを提供するスタートアップだ。シンガポール IMDA(情報通信メディア開発庁)が定めた「Service 4.0」構想に沿って、モバイルだけで、より個人に最適化された情報サービスを提供することを狙っている。

現在は、年間1,900万人が訪れるシンガポールのリゾートであるセントーサ島や、中国・四川省の成都などで実験導入を図っている。ユーザがホテルにいるときは近隣のレストランを自動的に紹介、空港にいるときは市内に出るための交通手段を自動的に紹介するなど、ユーザの現在置かれている状況を把握して、最適な情報を提供できるのが最大の強みだそうだ。

【O-BIC Prize】Acumen Research Laboratories(シンガポール)

副賞:10万円相当の賞(提供:大阪外国企業誘致センター)

細菌が血管の中に侵入して引き起こされる敗血症は、治療対応に緊急性が求められるものの、標準的な診断方法が確立されていない。一般的に使われる方法は血液微生物培養による方法では、人の作業によるもので自動化ができず、診断結果が出るまでに数日を要してしまう。

Acumen では、敗血症の原因菌の遺伝子を検出し、それをスコアリングをすることにより、血液採取から4時間で診断ができる方法を確立した。敗血症診断の標準となることを目標とし、また、抗生物質投与による抗生物質耐性細菌による敗血症の悪化を抑制できる可能性が期待できる。遺伝子疾患、感染症の測定キットなども開発しており、日本を含め各国で特許を取得済。


今回、入賞には至らなかったものの、ファイナリストとしてピッチ登壇したスタートアップは次の通り。

  • UWINLOC(フランス)……製造工場・物流拠点等で、部品・荷物等をバッテリーレスのタグを用いて追跡可能なソフトウェアを開発
  • NirogStreet(インド)……アーユルヴェーダの情報、診療予約、薬草のB2Bコマースプラットフォーム
  • Predict Vision(ブラジル)……人工知能を活用した癌の早期発見を行う画像診断装置用ソフトウェアの開発
  • Pokeguide(香港)……一般歩道でも地下鉄でも迷わず(遅刻せず)買い物、旅行が可能となるARカメラナビゲーションアプリ
  • THE.WAVE.TALK(韓国)……AIで、さまざまなバクテリアの識別が可能な「小型水質テスト用濁度計」を開発。食品加工ラインでの利用に加え、病院での迅速な試験管内の診断が出来ることで、患者への正確な抗生物質の処方ができる。
  • reinno Japan(日本)……スマホから簡単に注文、支払いをしていただける飲食店用システム。

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