ファンタジースポーツへの期待と苦労/琉球アスティーダ早川代表 × ACV唐澤・村上(5)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

  • 設立から3年「Tリーグ優勝」できたワケ
  • スポーツを「投資を受けられる」ビジネスに育てる
  • 圧倒的な多業種展開の秘訣
  • トークンコミュニティ運営に重要なこと
  • ファンタジースポーツへの期待と苦労
  • トークンホルダーを育てる努力

ファンタジースポーツ「なんドラ」運営との提携

唐澤:先ほどおっしゃっていた、将来的にはベッティングやファンタジースポーツにも着目されているのは、そういうところ(モノ系よりもコト系=体験型のリワードに、トークンホルダが魅力を感じている点)に理由があるんですかね。

早川:結構前面に出していて、より試合に注目してもらう、より試合を見ていただく、またさまざに頭を使って楽しんでいただく、そういった意味では予想企画とかの方が楽しいコミュニティだと思います。

唐澤:ファンタジースポーツについて、この前提携の話が出てましたよね。

早川:なんでもドラフトさん(リアルイベント連動型ファンタジーゲーム「なんドラ」を運営)と包括的な協定を結んで、各試合ごとにトークンに絡めていまして、それで確率とか予想が当たったみなさんに対してはトークン配布をしています。ファンタジースポーツとかオーダー予想をやるのが楽しいというマーケットを熟成をさせていっています。

唐澤:私の理解が正しければ、まだスポーツベッティングは日本では法律的にはNGですよね。ファンタジースポーツも駄目ですよね。リアルの金銭を伴うものはNGですよね。今後、規制緩和の流れもある中で、まずは金銭に近い擬似的なものを使いながら文化醸成をするということですか。

早川:(ベットしていただくのは)あくまでもデジタルグッズとしてのトークンで、我々が上場会社としてトークンを出すときに適時開示情報を出したんですが、何のためにやるか監査法人様も証券会社さんもトークンへのご理解をいただけなかったんですね。2カ月ぐらいかかりました。

いつ計上されるんだとか、資産性がどうだとか、自社のBS(バランスシート)がどうなるとか、でも、あくまで、フィナンシェさんでフィナンシェポイントを買って、楽天ポイントやPontaポイントとかと同じようにポイントでトークンに変える、ゲームで強くなりたいと思ったらゲームが強くなるアイテムを買うみたいなイメージなんですよね。

ですから、なんでもドラフトさんでも、当たった場合について現金がもらえるとかやったら当然NGです。我々がやっている、デジタルグッズとしてフィナンシェポイントを付与するというのは問題ないということなので、そうやって文化を熟成させていっている感じです。

コミュニティをどう育てるか

村上:先ほど、コミュニティを1万人まで増やしていきたいとおっしゃっていました。結構コミュニティのサイズみたいなところの議論が我々も仕事柄多くて、少し前ですとスタートアップにありがちな、とにかくユーザーをいっぱい獲得してMAUどれぐらいにするのか、とにかく大きくしていこうみたいな話がありました。

Web3でよりコミュニティドリブンになったときに、サイズがデカければいいというわけじゃなくなるじゃないですか。その中で、今の2,000人というところと、1万人がどういう位置づけを持つのかというところ。あと2,000人と1万人で質的な変化みたいなところも見られているのかとか、ぜひお伺いできればと思います。

早川:トークンホルダーのみなさまの属性分けをすると、小トークンホルダー、中トークンホルダー、大トークンホルダーがいます。小トークンホルダーは1万ポイント以下のみなさま。1万ポイント以上5万ポイント以下の方は中トークンホルダー。10万ポイント超えてるみなさまを大トークンホルダーとした場合に、圧倒的に小トークンホルダーが過半数を占めています。

小トークンホルダーにより楽しんでいただいて、中トークンホルダー、大トークンホルダーに推移していただくように努力を積み上げていくというのがまず前提だと思います。小トークンホルダーを増やすことによって、中、大と変更していく努力が、母数が大きければ可能性を持ってくると思っています。

1,000名様のコミュニティの中で500名様が小トークンホルダーであれば、例えば500名様が中大トークンホルダーになっていただく可能性が30%とか20%だとします。そのKPIが設定されている中で、当然母数が多くなればなるほど、ここが例えば15%になって10%になったりすると思うんです。

まずは我々に関わっていただく小トークンホルダーのコミュニティを増やすことが、将来的に中大と広がって取引量や売買のポイント数が増えていくという形になっていくと思います。我々のトークンは、初期は4円価値ぐらいからスタートして、120円価値ぐらいまで上がって、今25〜28円価値ぐらいと当初の6倍から7倍ぐらいになっている。

我々は、経済合理性を求めるトークンホルダーも同時に増やし、非経済合理性の長期ホルダーを増やしていく。そして、そこの母数を増やしていくことが、将来的に中トークンホルダー、大トークンホルダーを大きく増やすきっかけになると思っています。

今2,000人から1万人のコミュニティへと成長することで、ひょっとしたら、KPIの中で(小トークンホルダーから)中トークンホルダー、大トークンホルダーになる確率は下がってるかもしれない。しかし基本的なベースを増やし、関わっていただくことを増やすことが、僕はものすごく今KPIとして重要ではないかと考え取り組んでいます。

次につづく:トークンホルダーを育てる努力/琉球アスティーダ早川代表 × ACV唐澤・村上(6)

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