本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします
アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。
ポッドキャストで語られたこと
- 設立から3年「Tリーグ優勝」できたワケ
- スポーツを「投資を受けられる」ビジネスに育てる
- 圧倒的な多業種展開の秘訣
- トークンコミュニティ運営に重要なこと
- ファンタジースポーツへの期待と苦労
- トークンホルダーを育てる努力
琉球アスティーダにとってのフィナンシェ
唐澤:元々、早川さんとは沖縄でたまたまお会いする機会があって、最初のインパクトがすごかったんですけれども、共通の知り合いのフィナンシェ田中さん経由で(お会いしました)。フィナンシェでもリストされてファンコミュニティでファントークン発行されていると思うんですが、アスティーダにとってのフィナンシェの位置付けについて教えていただけますか。
早川:我々は国内プロスポーツチームで初めて、胸に自社トークン名をつけて戦ってるんですよ。「アスティーダトークン」の名前で戦っているんですけど、それを(ユニフォームの)胸に入れて、ファーストシーズンとかセカンドシーズンとか4,000万〜6,000万円ぐらいで販売をさせてもらっていました。
スポーツの応援のあり方はどうなんだろうと考えたときに、今まではファンクラブに入って、短期であり消費という概念が強かったと思うんですね。しかしながら、我々が株式市場に挑戦していくというところも結局、議決権とか株を持っていただくのは消費ではなく資産性があるものだと僕は思ったんですよ。
今までのスポーツ応援のあり方は単に消費でしたが、短期だったものを長期で資産性のものに育てていきたいということをずっと思ってきました。例えば、親御さんがトークンを持っていると子供や孫に引き継がれていくとか、長期でしっかりチームを一緒に育てていくというコミュニティと、長期で資産性があるものを作っていくのが、今スポーツ業界にものすごく重要だと思っています。
元々、我々はフィナンシェを使わせていただく前に、テーブルテニス(卓球)の世界的プラットフォームを作ろうと思って動いてきたんです。例えばインドやアフリカの親御さんがテーブルテニスコインを買って、(子供の)ラケットやラバーを変えるときに、コインの値上がり益で変えられるとか、コインを持っていると世界中の卓球ユーザーが日本だけではなく中国やドイツのリーグも見れるとか、なおかつコインを持ってるとメーカーの商品が割引で買えるとか。
しかし金融庁や資金決済法の問題でなかなか今、日本法人では難しいですね。そうした想いに一番近く、またこれからベッティングだとかファンタジースポーツとかいった領域が伸びてくる中で、どの選手が出るのか、どっちが勝つのかとか、そういったところをマーケットに熟成させておくことが、これからの事業を成長させるにあたって必要だろうと考えました。
今フィナンシェでまだ約2,000名ほどのコミュニティなんですが、コミュニティ規模を1万人、とトークン価値を300円ぐらいの価値まで上げられないかと、今チャレンジをしているところです。
唐澤:フィナンシェさんから声かかる前から構想を既に持たれていたんですね。たまたまいろんな制約がある中で、フィナンシェさんと一緒にやるようになったということですよね。
早川:一番想いとか志に近くて、そこで実現ができるだろうと思ったのがフィナンシェさんだったのでご一緒しています。
唐澤:先ほど2,000名ほどのトークンホルダーということで、実は私もトークンフォルダーでして。
早川:今すぐ、フィナンシェポイントというの買っていただいて、そこでアスティーダトークンというところにいっていただて、購入ボタンを押していただければ。今のトークンの数よりまたちょっと増えます。
トークンコミュニティ運営に重要なこと
唐澤:最初にトークンを発行する際に、話題性もあって、コミュニティを維持していくのが結構大変だったりするんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
早川:僕の持論で恐縮なんですけれども、トークンというWeb3の考え方を持ったアーリーアダプターの方々がようやく終わって、今はいろいろなみなさんが市場に入ってこられたりしていると思います、最初のアーリーアダプターの方々は経済合理性を求める方々が、値上がるんじゃないかとかの期待が多かったと思うんですが、我々は非経済合理性のコミュニティを作っていきたいと最初から謳っています。
経済合理性を求める方々が1,000人、非経済合理性の長期ホルダーになっていただく方々が1,000人という状態になると必然的にトークン価値が上がっていくと思っています。逆に経済合理性を求めてきたみなさまを抑えて、非経済合理性の方が6割という状態になったら、確実に年20%上がっていく。株と同じような考え方だと思うんですよね。
短期で売買される方と長期ホルダーのバランスをどう整えていくのかは僕はすごく重要だと思っています。ですから非経済合理性の方々と純粋にチームを育てて、一緒の想い、ミッション、志を叶えていく。こういうコミュニティを作っていこうと日々努力をしています。
唐澤:ヘルシーなバランスを維持するために、なかなか買う人を制限することはできないでしょうから、結局コミュニティの盛り上げ方とか施策によって、非経済合理性の人をどれだけ良い塩梅にキープできるかが重要ですね。いろいろやられてみて、コミュニティが盛り上がるようなことと、「外したな」みたいなことがあれば教えてください。
早川:コミュニティが盛り上がるのは試合に誰が出るのか、卓球というのはダブル、シングル、シングル、シングルなんですけど(卓球の団体戦は、4つのシングルスと1つのダブルスので構成される)、そこで誰が出るのかという出場選手のオーダー予想と勝敗予想は結構盛り上がります。また、(グッズなどモノではない)コト系(体験型リワード)では、ふるさと納税で選手からチキータ(バックハンド打法の一つ)を受けられる権利を出す手続きをしているんですけど、コト系はいいですね。
唐澤:普段だったら買えないものですからね。
早川:選手からサーブを受けとれるとか、コト系はいいんですけど、例えばTシャツを選ぶとか、ユニフォームとか、そういったモノ系はあまり反応はそこまでないんですよね。自ら予想したとか、今までファンクラブでやっていたような投票企画は、あまり良い反応は示していただけないです。
唐澤:面白いですね。結構ファンコミュニティとかでファントークンの話をすると、すぐにプリントをしてシャツ配ってとか、商品に入れるデザインを決められるとか、そういう話がありがちなんですけど、そういうことじゃないんですね。
次につづく:ファンタジースポーツへの期待と苦労/琉球アスティーダ早川代表 × ACV唐澤・村上(5)
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