「経済の巡りを変えていく」ためのアプローチ:Ginco 取締役副社長 房安 × ACV唐澤・村上(10)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

  • 企業が自前でNFTマケプレを作る理由
  • カストディアル vs. ノンカストディアル
  • ウォレット開発から始めた理由
  • 〝繋がるコールドウォレット〟が誕生するまで
  • 暗号資産業者の求めに応えた高いセキュリティ
  • 非Web3企業がWeb3を始める上で重要なこと
  • 事業開発の苦労、高かったハードル
  • インフラ・ウォレットを開発するユニークな存在
  • あらゆるチェーン&トークンへの対応
  • 「経済の巡りを変えていく」ためのアプローチ

「経済の巡りを変えていく」ためのアプローチ

唐澤:そんなエンジニアどこから連れてくるんですか。結構「エンジニア足りない」みたいな話にすごくなるんですよね。大企業もそうですし、この間とあるベンチャーのCTOの方と話していたら、「他のベンチャーからの案件とか、クリエイターからの案件とか、大企業からの委託とか、すごく案件が来るんですけど、人がいないから全然回せません」とおっしゃっていました。皆さんはエンジニアはどうされているんですか。国内ですか。

房安:国内がメインではあるんですが、海外のメンバーもいたりします。弊社も採用は確かにすごく難しいテーマでして、基本的には社内でエンジニアが育つようなノウハウをベースにして、入ってからプロになってもらうようなスタンスではやってます。

そうじゃないと、そもそもブロックチェーンのシステムを開発したことがある人はなかなか多くはないと思うので持続性がありません。あまりそこの経験は問わずです。もちろん経験があると良いですけど、経験がない方でも働けるような環境というのを意識しています。

唐澤:Web2エンジニアの方で、前職で何かしらの開発経験があって転職して、それを育て上げているみたいな感じなんですかね。

房安:そのパターンが非常に多いと思います。うちに来たメンバーで、入社前からブロックチェーンに詳しい人はほとんどいなくて、我々と話す中でブロックチェーンに興味を持って入っていただくパターンが多いですね。

村上:結構バックグラウンドもバラバラなんですか、それとも金融系のエンジニアが多いとかあるんですか。

房安:半々ぐらいですかね、金融機関出身者の方は今結構増えてはいますね。銀行系とか証券系とかから来ていただいたりだとか。でも創業メンバーはWeb系出身者が非常に多いですね。メガベンチャーでエンジニアやっていて、創業初期からジョインしてくれたメンバーが今もコアメンバーとして残ってくれています。

村上:Web系と金融系じゃエンジニアといっても全然違いますからね。そこをうまくミックスして、スピードと安定をうまく担保しているみたいな感じですかね。

房安:我々そもそもお客さんは金融機関さんが多くて、そこにやっぱり向き合っているので、自然とうまく融和するようなカルチャーになっていると思います。守りも大事だというところをしっかり意識しながら皆さん開発してくれていると思います。

唐澤:そういうものに耐性があるかどうかという、カルチャーも結構大事ですよね。

房安:そうですね。そもそも我々のやってることがWeb2と3の間で2.5とか言ったりするんですけど、融和させるということが我々のサービスなので、Web3の常識はこちらでは常識じゃないという前提で臨むようにはしています。

唐澤:ありがとうございます。気づいたら結構な時間になっていたんですけど、最後に何かもし世の中に伝えたいことがあればお聞かせください。アクセンチュアとどう組みたいかとかそういう話でもいいです。

房安:いいお話ですね。アクセンチュアさんの方でも、実際に我々より多くの企業さんと触れ合われてる中で、ブロックチェーンという話はテーマとして出ると思うんですよね。ワードとしては出るけど前に進まないとか、やるにしてもアクセンチュアさんの方で今アサインするメンバーがいないとかいう課題もあるかもしれないので、その場合我々を呼んでいただければ、一緒に進めるというのは考えていきたいなと思ってますね。

唐澤:やっぱりマーケット全般的に人が足りてないので、それはアクセンチュアも一緒です。我々もいろいろな事業者の皆さんと一緒にやっていきましょうというスタンスなので、ぜひ色々とコラボできるところがあれば。

房安:お願いします。

村上:今ポリゴンとのパートナーシップとかも出てますけど、この先どんな風になっていくのでしょうか。Gincoさんとしてどこに向かわれていますか。

房安:Gincoがビジョンとして掲げているのは、「経済の巡りを変えていく」ということなんですね。これはさっき口座の話があったと思うんですけど、ブロックチェーンというものが社会インフラとして普及したとき、例えば水道管ぐらい、蛇口をひねったら出てくるぐらいの存在になったときに、今既存のインフラが普及している世界よりもより良い体験を作れるんじゃないかという思いでブロックチェーンの普及を進めているんですね。

でもこのパスは一つじゃないと思うんですよ、ブロックチェーンじゃなくてもできる可能性はあります。私自身、元々前職はフィンテック企業にいて、決済インフラと向き合っていたこともあって、そちらをチューニングしていくというパスもあると思うんですよね。

それも見た上で、そちらをチューニングしていくより、インターネット上で価値を流通させることに最適化して作られたブロックチェーンというプロトコルをちゃんと普及させていくことに可能性を感じたからこそ今のGincoがあるので、10年先を見据えて社会実装に取り組みブロックチェーンに対して誰もが自由にアクセスできる世界観を作っていきたいと思っています。そのために、今はBtoBの企業様がまず安心してサービスを提供できるところに我々はこだわりを持っているので、1個ずつ進めて行きたいなと思っています。

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