光熱費高騰の折、救世主現る——データセンターの廃熱で湯沸かし、住民に無償供給を始めた英Heata

SHARE:
Image credit: Heata

話題のポイント:これまでもエネルギー業界の話題は、太陽光発電、洋上発電、核融合発電など、新しいエネルギー源となる再生可能エネルギーを中心に注目を集めていました。しかし、そのどれ電力量不足の問題や実現可能時期が未定なものが多く、実用性に欠ける点が課題でした。

今回紹介するイギリスのスタートアップ Heata は、再生可能エネルギーを一度も電気に変換ないことで余分な損失なく直接再利用できる点が特徴的です。

Heata は実用性を確かめるため、イギリスの一部の住民に対して1年間無料の温水を提供するという画期的な試験プログラムの展開を開始しました。このプログラムは、データセンターの廃熱を家庭用温水に再利用するという、持続可能性と効率性を兼ね備えた取り組みです。

データセンターの廃熱を有効に利用することで、環境への負荷を軽減します。このシステムは、一年間で一トンの二酸化炭素排出量を削減するといいます。

自宅に Heata の特製水加熱サーバーユニットを設置することで既存の家庭用温水システムと並行して動作し、一日当たり最大4.8kWhの温水を供給できます。利用者は年間で最大で約28,000円の節約が可能です。全ての家庭に適用可能なわけではないのに加えて、サーバーユニットの運用には電力とブロードバンド接続が必要となるため、Heata は、電力にかかる費用は市場価格の10%上乗せで補償することでインセンティブの維持を実現しています。

Heata の無料の温水供給プログラムは多くの面で注目されるイニシアティブですが、その成功には多くの要因が必要となります。今後ライバシー、持続可能性、市場への影響など、多角的な視点からこのプログラムを評価されていくでしょう。このプログラムがどのように進展し、将来的にどれだけの影響を持つのかについて、今後の展開が非常に注目されています。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する