法律文章の「痒いところに手が届く」AIアシスタントBoostDraft、大手弁護士事務所が採用するワケ/【MUGENLABO Café・推しスタ】

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

MUGENLABO Magazine編集部では定期的に開催している「スタートアップ×大手企業」のマッチングイベント「MUGENLABO Café」にやってきてくれたスタートアップをピックアップしてご紹介しています。今回は名古屋で開催されたMTG Venturesとのコラボ回で実施されたスタートアップ・ピッチから2社をご紹介いたします。

続いてはBoostDraftです。BoostDraftは法律文書の起草、レビュー、管理を強化するために設計されたサービスで、Microsoft Wordのプラグイン形式で統合されたエディタとして機能します。複雑な法律文書を迅速かつ効果的に理解し修正できるよう、企業の法務部や弁護士のような専門家の方が面倒と思うような作業の自動化にフォーカスしているのが特徴です。開発したのは2021年創業のBoostDraft。本社は東京ですが、米国はカリフォルニア州サンフランシスコにオフィスを構えており、25名ほどのチームには多国籍な面々が在籍しているとのこと。今年10月にはサービスの効果が認められ、国内の五大法律事務所など主要な法律事務所への導入が進んでいることを公表しています。

BoostDraftの特徴はシンプルな課題にフォーカスした点です。同社代表取締役CEOの藤井陽平さんは元々、弁護士だった共同創業でCROの渡邊弘さんが、法律文章のチェックにとても手間をかけていることから着想を得て創業した経緯を次のように話していました。

私のバックグランドはソフトウェアエンジニアなのですが、もう1人の共同創業者である渡辺が弁護士で、ある日彼が契約文書や法的文書をドラフトする作業を見る機会があったんです。実際に見てみると(全部の工程の)2、3割が形式面の調整、コンテンツ形式の調整をしていて、こんなに優秀な人がどうしてフォーマットの調整をしたり、インデントやスクロールをしたりしてるんだと課題意識を持ったのがきっかけです。

私もソフトウェアエンジニアなので、ソフトウェア業界ではこのような問題に対する解決策があって、これを法的文書に適用すればいいのではと思い約2年前にBoostDraftを創業しました。(CEO∕共同創業者 藤井 陽平さん)

例えば、法務部の方が秘密保持契約を初めてレビューしたいと思ったとします。契約条項を読み始めて気になる箇所があった場合、該当の箇所を検索をしながら調べていくことになります。藤井さんによると、この文章をスクロールしながら行ったり来たりしてる時間がとても非効率で、この動きや該当箇所のネット検索などの動作を効率化しようとしているのが基本的なアイデアです。

Wordで該当箇所を指定するとポップアップでそれに紐づいた項目が示されます。あとはそこにジャンプしたり、ネット検索をかけることで法律文章を把握する時間が短縮される、というわけです。そのほかにも条項の追加・削除のたびにズレる後続の条項やリファレンス、表記ゆれといった微妙に手間のかかる特有の問題も自動的に調整してくれる機能が提供されています。

スクロールで行ったり来たりとか、第何条のどこどこを調べたり、法律文書をネットで探したりするのは非常に時間がかかりますので、ここを自動化していくアプローチをとっています。(CEO∕共同創業者 藤井 陽平さん)

アプローチがシンプルなだけに、対象となるマーケットも広がります。今後はアジアやグローバル市場に対しても積極的に展開していくとのことでした。

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