クリエイター向けStripeを目指す「Mozaic」/GB Tech Trend

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本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

クリエイティブの業界で1つの作品制作に多くのクリエイターが携わった場合、賃金の個別払い(Split Payment)が発生することがあります。誰にどのくらいの割合で支払うのか、個別に設定する必要があり面倒です。そこで登場したのが「Mozaic」です。

Mozaicは、個別支払い向けのAPIおよびChrome拡張機能を提供するフィンテックスタートアップです。今回、シリーズAラウンドで2,000万ドルの資金調達を実施したと発表しました。元々同社は、音楽業界向けB2Bプロダクトを開発していましたが、各レーベルが手作業ベースで個別支払いの手続きや着金確認を行なっている課題に注目し、現在のペイメント領域にピボットしたそうです。

TechCrunchの記事によると、通常、楽曲制作には3-5名のクリエイターが参加し、まずはリードのクリエイターにすぐに支払いがなされ、その後に他のクリエイター(記事上ではコラボレーターと記載)への個別支払いが進められるとのことです。支払額と支払いタイミングが異なることがそのプロセスを複雑化させているそうで、こうした課題を一発で解決するのがMozaicです。

主に音楽業界のユースケースに特化していますが、今後MozaicはTikTokやYouTube、Twitchなどのオンライン映像配信プラットフォーム上でのコラボ配信でのユースケース拡大を狙っているらしく、そのために、Chrome拡張機能として同社サービスを提供予定という話でした。

Chromeのエクステンションと言えば、3年前にオンライン商品のクーポンや値下げ情報を提供する「Honey」が大型エグジットを果たしてから注目されており、Mozaicが「支払い」という新たなユースケースとして浸透するかどうかが注目のポイントです。また、映像配信のみならず、ニュースレター配信のSubstackなどでの個別払いにも対応できることから、広くクリエイターに採用される可能性も持っています。将来的には「クリエイター向けStripe」の市場ポジション確立を目指せるかもしれません。

一方で個別支払いや、関連する分割支払いに関するスタートアップは、数多く登場してきました。Airbnbに買収されたソーシャルペイメント「Tilt」は、友人や家族間のイベント資金を少額クラウドファンディングするサービスを提供していましたし、Venmoは個人間の送金プラットフォームとして急成長を遂げています。このトレンドの中で、Mozaicはオンラインプラットフォームの進化と、クリエイター同士の世界的なコラボレーションの増加に着眼したわけですが、クリエイター文脈で求められるペイメントのニーズは今後も変化し続けると考えられ、Mozaicに続くスタートアップが登場するかという点にも注目したいと思います。

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