DisneyがEpic Gamesに15億ドルの出資、その先に見えるコラボレーション戦略/GB Tech Trend

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15億ドルの調達を発表した「Epic Games」
Image Credit: Fortnite

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

2月7日、Walt Disneyが「Fortnite」を開発するEpic Gamesへ15億ドルの出資をしたことが発表されました。同時に両社が協働で制作しているメタバースのサービスプロモーション動画も公開されました。Disney傘下の「Star Wars」「Marvel」「Pixar」などの名だたるスタジオのキャラクターたちがFortniteの世界に総出演したものです。これまでにFortniteでは欧米のみならず、ドラゴンボールや呪術廻戦などの日本のキャラクターも多数登場しており、まさにカテゴリーの枠を超えた大人気キャラクターとの共演が期待できます。

さて、今回DisneyがEpic Gamesへ大型出資を決めた理由はなんなのでしょうか。大きな理由としてDisneyが新たな収益軸とエコシステム構築のために取り組む「クリエイターエコノミー」が挙げられます。

今回の出資先であり、パートナーともなったEpic Gamesは、まさにクリエイターエコノミーの代名詞になろうと躍起になっています。たとえばForniteでは、各クリエイターが制作した島の人気の指標(ユーザーの滞在時間、訪問人数)に応じて、クリエイターに売上を分け与えるプログラムを提供しています。2023年6月時点では200名以上のクリエイターが年間10万ドル超の売上を立てていると発表しました。

Epic Gamesはプラットフォーム拡大と共に、Fortniteの売り上げだけで生活できるクリエイター数を増やしていく予定です。月間プレイユーザー数が2億を超え、かつUGCで多額の売上を立てられるというクリエイターエコノミーの必須要素を兼ね備えているFortniteは、Disneyにとってクリエイターとの接点を持つ上で見逃せないサービスと言えます。

Disneyは「異領域キャラクターとのコラボレーション」もビジネスモデルの新機軸に据えて、コンテンツ戦略を敷いていると考えられます。実際、Disneyは映画「The Avengers」や日本のゲーム「Kingdom Hearts」で壮大なキャラクターコラボレーションの実験を繰り返し、ヒットの法則を見出しています。キャラクターの世界観を縦割りに考えていては決して生み出すことができなかった作品たちであり、コラボレーションの先に新たな商機があるとDisneyが考えていてもおかしくはありません。

そのDisneyがコラボレーション先に選んだのがFortniteです。Fortniteはこれまでにも多様なキャラクターとの共存世界をマルチバースで実現するというプラットフォーム戦略を取ってきました。新旧多くのキャラクターが入り混じるFortniteでDisneyは、クリエイターとの共創によってキャラクターの新たなユースケースを生み出し続けることができます。また、クリエイター自身もUGCによって稼げるWin-Winの関係も大規模に描こうとしています。

キャラクターコラボレーションとクリエイターエコノミー創出を大規模に実現させるため、Fortniteは「Entertainment Universe」と言い表せるような巨大なワールド構築に取り組んでいると言えます。日本のお家芸とも言える世界的IPがこの流れに乗ってFortniteなどの海外勢に合流することになるのか、はたまた日本からこれに対抗する巨大なプラットフォーム、メタバースが誕生するのか、大きな分かれ目に立っています。

またこれからさらに、この流れを受けたクリエイターエコノミー支援ツールや、クリエイティブなワールドを制作するスタジオ型のスタートアップが登場することも考えられます。

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