ソウル大生が創業した透明性の高い中古車売買アプリ「HEY DEALER」が50億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月5~9日)

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「HEY DEALER(헤이딜러)」
Image credit: PRND Company(피알앤디컴퍼니)

2月5日~2月9日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは9件で、資金総額は864億ウォン(約96.8億円)に達した。

企業名 産業分野 調達額 ラウンド 投資家
PRND Company(피알앤디컴퍼니) 中古車プラットフォーム 450億ウォン(約50億円) シリーズD KDB韓国産業銀行、Atinum Investment、IMM Investment
Gallerie X
(갤러리엑스)
メディアコンテンツ 非公開 シード Gen Axis
ARS Networks
(아르스네트워크)
AR教育サービス 非公開 シード Gen Axis
ProvaLabs
(프로바랩스)
生体モデル検証センサー 非公開 シード ソウル大学技術持株
CloudHospital
(클라우드호스피탈)
インドで病院用SaaS展開 20億ウォン(約2.2億円) プレシリーズA SJ Investment Partners、Hi Investment Partners
Medi Node
(메디노드)
薬局自動化デバイス 非公開 シード Ensle Partners
Uproot Company
(업루트컴퍼니)
デジタル資産積立式投資 非公開 プレシリーズA CNT Tech
Creativemut
(크리에이티브멋)
リアルタイムホログラム 120億ウォン(約13億円) シリーズA Woori Investment、Kolon Investment、SL Investment
Kai Health
(카이헬스)
妊活AI 非公開 プレシリーズA IMM Investment、SBVA、Smilegate Investment、Translink Investment
Impactive AI
(임팩티브에이아이)
予測専門 非公開 プレシリーズA IBK韓国中小企業銀行
GI Holdings
(지아이홀딩스)
ファッションブランド 35億ウォン(約3.9億円) シリーズB Kudos Ventures
50K ペット複合文化センター 6億ウォン(6,600万円) シード
Actnova
(액트노바)
非臨床動物行動試験分析ソリューション 33億ウォン(約3.6億円) プレシリーズA Hana Ventures、A Ventures、Fast Ventures
CnerG
(씨너지)
クリーンエネルギー取引 30億ウォン(約3.3億円) プレシリーズAブリッジ ハンファ投資証券、Quantum Ventures Korea、SGC Partners-DSN Investment、Bright Energy Partners
The Hyoosik
(더휴식)
総合宿泊ソリューション 非公開 TS Investment
BOLD 9
(볼드나인)
フルフィルメントトータルソリューション 非公開 シリーズB POSCO 技術投資、Smilegate Investment、UTC Investment
JLT
(제이엘티)
自動化設備ソリューション 30億ウォン(約3.3億円) シード 韓国技術保証基金、KB証券
Soopui
(수푸이)
衣類ブランド 非公開 シード Newkids Investment
Finder
(파인더)
スペシャルティーコーヒー 非公開 シード Newkids Investment
Nventric
(엔벤트릭)
血管疾患治療医療機器 140億ウォン(約15億円) シリーズB Quad Asset Management、Premier Partners、KDB韓国産業銀行、新韓キャピタル、Jin & Investment Partners、CG Bio、UTC Investment、Devsisters Ventures、興国証券

主なスタートアップ投資

  • 中古車プラットフォーム「HEY DEALER(헤이딜러)」を運営するPRND Company(피알앤디컴퍼니)が450億ウォン(約50億円)を調達した。最近リリースした「中古車の隠れ修理歴を探す」のような新規サービスの成長性が高く評価された。今年1月時点の累積加入者は1,300万人で、累積取引額は10兆ウォン(約1.1億円)を突破した。
  • リアルタイムホログラム技術を活用し、映像を制作する Creativemut(크리에이티브멋)が120億ウォン(約13億円(を調達した。リアルタイムホログラムは、利用者が映像に介入して変化を与えることができる技術で、実感型コンテンツ技術に挙げられている。調達を契機に、リアルタイムホログラム活用イベントを国内外に拡大する計画だ。
  • 脳梗塞血栓除去医療機器 Nventric(엔벤트릭)が140億ウォン(約15億円)を調達した。グローバル医療機器企業の研究人材中心で構成されたチームにより競争力が高い。心臓、心血管までポートフォリオを拡大し、国内製造施設の拡充と GMP(品質管理基準)および製造許可を取得し、血管疾患専門治療医療機器の製造基盤を設けた。

トレンド分析

年初の投資家の関心は?

今年のスタートアップ投資は上り調子から始まった。調達を牽引したのは断然 AI スタートアップだった。国内外の投資家が今年の投資有望分野に挙げたのも AI 企業だ。Google、Apple、NVIDIA、Amazon、Microsoft などグローバルテック企業が AI スタートアップに大規模な資金を投資しているように、韓国国内の大企業の選択も生成 AI だった。大企業はスタートアップ投資を減らしたが、生成 AI 分野には協業を前提とした投資に乗り出している。今年初めに SK Networks(SK 네트웍스)は Upstage(업스테이지)に、LG U+(LG 유플러스)は42maru(포티투마루)にそれぞれ100億ウォン(約11億円)を超える金額を賭けた。

投資が急減したエドテック分野にも、久しぶりに大きな投資が行われた。いずれも AI を活用した教育企業だ。200億ウォンを調達した Elice Group(엘리스그룹)は、プラットフォーム AI の能力を強化する一方、多数のコンテンツ企業がコンテンツ登録が可能な総合教育プラットフォーム発展計画を明らかにした。ネイティブスピーカー AI「Speaking Max(스피킹맥스)」を運営する StudyMax(스터디맥스)も ChatGPT などの技術を教育に融合し、最近シリーズ C ラウンドで評価額は1,000億ウォン(約110億円)に達し、グローバル市場進出への準備を整えた。

デジタルヘルスケア分野でも診断、手術、治療全般にAIが活用されている。筋骨格疾患を治療する Connecteve(코넥티브)、妊活 AI ソリューション Kai Health(카이헬스)なども調達に成功した。AI を活用して有害映像を遮断する PYLER(파일러)は105億ウォン(約11億円)、AI 予測ソリューション INEEJI(인이지)は81億ウォン(約9.1億円)を調達するなど、広告や製造業でも AI 活用企業は投資家から選ばれた。

AI 企業はアーリーステージでも多くの資金を集めている。AI 製品分析プラットフォーム「Coxwave(콕스웨이브)」はシードステージのみで45億ウォン(約5.1億円)を調達し、AI 調理ロボット開発の Aniai(에니아이)もプレシリーズ A ラウンドで157億ウォン(約18億円)を調達し、アメリカ市場への進出に乗り出した。その他、AI ダビングの Hudson AI(허드슨에이아이)が33億ウォン(約3.7億円)、AI 軽量化ソリューション SqueezeBits(스퀴즈비츠)が5億ウォン(約5.5億円)、AI 写真プラットフォーム Paradot(패러닷)が20億ウォン(約2.2億円)調達するなど、シードステージで注目されたスタートアップもいる。

昨年の投資減速時にも AI 企業には投資家の関心が維持されていた。今年もさまざまな分野で AI 企業は投資家から注目されるだろう。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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