TikTok、ユニバーサルとの対立で楽曲使用動画を大規模削除の可能性など——中国スタートアップシーン週間振り返り(1月29日~2月2日)

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上海の Bytedance(字節跳動)ビル受付で働くスタッフ
Image credit: TechNode/Emma Lee

本稿は、Technode(動点科技)が、1月29日〜2月2日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

ByteDance(字節跳動)、GPT のようなチャットボット開発プラットフォームをローンチ(2月2日)

ByteDance(字節跳動)は1日、ユーザが特定の目的のために独自のチャットボットを構築できる GPT のようなプラットフォームを展開し、中国のテック企業の AI への新たな賭けを加速させた。こ

のプラットフォームは「Coze」と名付けられ、ユーザが作成したボットを職場のコミュニケーションツール「Feishu」や Tencent(騰訊)傘下の「WeChat(微信)」と共有することをサポートする。

ByteDanceの CEO Rubo Liang(梁汝波)氏が、OpenAI が2022年11月に予告していた ChatGPT の出現に対し、自社従業員の反応が遅すぎると批判した数日後に、この発表が行われた。Coze

TikTok、Universal Music Group と対立でコンテンツを大規模削除か(2月1日)

TikTok は、世界最大の音楽著作権所有者 Universal Music Group(UMG)が、TikTOk から所有するすべての音楽を削除すると脅迫したため、一夜にして反旗を翻した。

この争いは、TikTok の兄弟会社 Douyin(抖音)にも影響し、両プラットフォームは UMG の楽曲を BGM として使用している膨大な数の動画から UMG の楽曲を削除しなければならなくなる可能性があると報じられている。UMGとの決裂は、他の音楽会社からも同様の反応が出るかもしれない。

契約が破綻すれば、無数の TikTok 動画が BGM として使用しているポップソングが削除される可能性が高く、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)氏や Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)氏を含む UMG の楽曲や、中国語歌手の Stefanie Sun (孫燕姿)氏や Eason Chan(陳奕迅)氏にも影響が及ぶ。

テック大手のプラットフォームと UMG が契約したアーティストが関わる紛争はこれが初めてではない。2014年、Swift 氏は、ロイヤリティの支払いに関する問題のため、Spotify から彼女のディスコグラフィ全体を削除することを決定し、Spotify へののボイコットは3年間続いた。財新

首都医科大学宣武病院らがブレイン・コンピューター・インターフェイス技術を開発、四肢麻痺患者が水を飲めるように(2月1日)

首都医科大学宣武病院と清華大学臨床医学院は1日、頸髄損傷による四肢麻痺の治療に硬膜外電極を埋め込むブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)を用いた世界初の臨床試験を達成したと発表した。この54歳の男性患者は、交通事故で重度の頚髄損傷を負い、ASIA(米国脊髄損傷協会)グレード A に分類される完全な機能障害となり、持続的な四肢麻痺に至っていた。

発表によると、2023年10月24日、コイン大のブレイン・コンピューター・インターフェイス・プロセッサー2個が患者の頭蓋骨に埋め込まれた。3ヶ月のリハビリ訓練の後、患者は脳波を使って空気圧縮グローブを操作できるようになり、脳のコントロールによって水を飲むなどの自立した活動が可能になり、握力精度も90%を超えるようになったという。首都医科大学宣武病院

iFlytek(科大訊飛)、最新版の AI モデルが特定の指標において「GPT-4 Turbo」と同等の性能を持つと主張(1月31日)

中国の AI 開発会社 iFlytek(科大訊飛)は1月30日、アップグレードされた「SparkDesk」モデルを発表し、言語理解や数学を含む指標で「GPT-4 Turbo」を上回ると主張した。合肥を拠点とする同社は、この主張に使用された判断基準やモダリティを明示していない。

SparkDeskV3.5と名付けられた LLM(大規模言語モデル)は、iFlytek の WeChat(微信)アカウントに掲載されたプレスリリースによると、「国産コンピューティング・パワー・プラットフォームによって学習された初の基礎モデル」である。このプラットフォームは、10月に iFlytek と Huawei(華為)が共同で立ち上げた。科大訊飛

SHEIN とByteDance(字節跳動)、政府の監視の中でアメリカでのロビー活動を強化(1月29日)

TikTok と SHEIN が中国政府との関係をめぐる精査に直面する中、アメリカでのロビー活動を急激に増やしている。OpenSecrets のデータによると、SHEIN は2023年にロビー活動への支出を前年比657%増の212万米ドルに増やしたが、それでも TikTok のオーナーである ByteDance(字節跳動)の昨年の支出874万米ドルの4分の1以下だった。

ByteDance は、2023年に合計45人のロビイストを契約したが、これは過去3年間とほとんど変わらない。一方、SHEIN は、アメリカでの IPO の先行きが不透明なため、契約したたロビイストの数は、2022年はわずか8人だったのに対し、昨年は14人だった。OpenSecret

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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