全国の地銀と手を組みカーボンクレジットの地産地消を支援、バイウィルが3億円をシリーズA1調達

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Image credit: Bywill

カーボンクレジットの創出、売買、啓蒙活動、企業のブランディングなどを支援するバイウィルは2日、シリーズ A ラウンドの1st クローズで3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、みずほイノベーション・フロンティア、山陰合同銀行(東証:8381)、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、愛知キャピタル、とっとりキャピタル、佐銀キャピタル&コンサルティング、福井テレビジョン。

バイウィルは2023年4月、ブランディングコンサルティングのフォワードと、環境価値ビジネス Waara が合併する形で設立された。大都市や大企業のみならず、全国各地でカーボンクレジットに関わる事業を展開しているのが特徴だ。地域の中小企業に広くネットワークを持つ地方銀行などと協力しサービスを展開している。なかには、ホワイトラベルの形をとって、銀行のサービスメニューの一つとして、バイウィルのソリューションが提供されているケースもあるようだ。

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会社は上場することで、社会の公器的存在になるという考え方がある。一方、代表取締役の下村雄一郎氏は、全国47都道府県の地方金融機関に出資してもらうことで、仮想的に B2B に特化した公器的存在になれるのはないかと考え、北は北海道から南は沖縄まで、一都道府県につき一社(または一行)から出資してもらうことを目指しているという。これまでに全国32の地銀と連携していて、そのうちの約半分についてはすでに出資しているか、今後、出資してもらうメドがすでに立っているそうだ。

ところで、カーボンクレジットの地産地消とは言っても、都市部は人口が多く企業や工場も多いのでクレジットの消費が多く、地方は林業や農業が盛んであるためクレジットの創出機会が多い。したがって、ここでは都市部と地方で需給バランスに偏りは生じるが、この場合は例外的に越境してのカーボンクレジット売買もあり得るそうだ。バイウィルは J-クレジット(日本政府の温室効果ガス吸収量認証制度)プロバイダでもあり、最近では、三井住友銀行と協定に基づき、モビリティ「LUUP」のカーボンフリーを実現した。

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バイウィルでは今回調達した資金を使って、カーボンクレジット創出管理システムの開発、新規事業開発、採用活動を強化する。従業員数は現在の35名から2024年中に約2倍へと拡大する考えだ。また、また、J-クレジットの創出については、累計創出トン数を2024 年には約147万トン、2027年には約474万トンまで成長させる。また、地域金融機関との関係を深め、日本全国でカーボンクレジットの創出プロジェクトを共同で立ち上げるとしている。

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