Amazon（アマゾン）は、人工知能スタートアップの Anthropic（アンスロピック）に追加で27億5000万ドル（訳註：現在の日本円レートで約4,150億円）を投資したことを発表した。これにより、昨年最初に約束した12億5000万ドルと合わせ、総額40億ドルの投資が確定した。 CNBC によると、これは Amazon にとって「最大のベンチャー投資」である。

Amazon Web Services（AWS）の Data and AI 担当バイスプレジデントである Dr. Swami Sivasubramanian（スワミ・シバスブラマニアン）博士は、 Amazon の企業ブログに掲載された声明の中で次のように述べている。

「Anthropic の生成 AI に関する先見の明のある取り組み、特に最近導入された最先端の Claude 3 ファミリーのモデルと、AWS Tranium などの Amazon のベストインクラスのインフラストラクチャや Amazon Bedrock などのマネージドサービスを組み合わせることで、お客様が生成 AI を迅速、安全、かつ責任を持って革新的に活用する魅力的な機会がさらに広がります。生成 AI は、我々の時代で最も変革をもたらす技術になると考えており、Anthropic との戦略的コラボレーションによって、お客様の体験がさらに向上すると信じています。今後の展開にご期待ください。」

Anthropic は最近、強力な新しい Claude 3 ファミリーの大規模言語モデル（LLM）をリリースし、ライバルの OpenAI（オープンAI）（Anthropic の創業者である Dario（ダリオ）と Daniela Amodei（ダニエラ・アモデイ）兄弟、およびその他5人の共同創業者が以前働いていた会社だ。これはたまらない！）を抜いて、世界で最も強力な LLM の座を奪った。

Claude 3 には3つの異なるバージョンがあり、価格が高いほど機能が充実している。しかし、最も安価で小規模/性能の低い Haiku は、競合他社、つまり OpenAI の GPT-3.5 Turbo モデル、さらには OpenAI のより大規模で強力な GPT-4 よりも、一部の指標で優れた性能を発揮し、ユーザーから価格設定とパフォーマンスの高さが評価されている。

2024年3月初旬に Claude 3 がリリースされた後、Amazon はすぐに AWS の Bedrock サービスに Claude 3 の一部のバージョンを追加した。これにより、AWS のクラウド顧客は、Anthropic や Cohere などの独自の LLM や、Mistral や Meta の Llama 2 などのオープンソースの LLM から選択して、それらのモデルの上に顧客や従業員向けの独自のサードパーティアプリを構築することができる。

そういった観点から、Amazon が Anthropic にさらなる投資を行うことは非常に理にかなっている。Anthropic は競合他社を凌ぐ強力なツールを提供しており、Amazon はそれらを独占的にクラウド顧客にホストすることができるからだ（ただし、誰でも Claude 3 の API や直接の消費者向けウェブサイトからアクセスできることに留意する必要がある）。

Amazon は明らかに、顧客にAWS クラウドサービスや S3 の利用を勧め、Bedrock プラットフォームで AI アプリを構築し、Claude 3 のような競争力のある最先端のモデルを使用することで、大きな利点と収益創出の機会があると考えている。

これは、AWS と Microsoft Azure の間で進行中のクラウドサービス競争の最新の戦線である。そして、Microsoft が OpenAI の大口投資家であることを考えると、Amazon が OpenAI に対抗する強力な AI スタートアップを自社の懐に入れたいと考えるのは当然のことだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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