外国籍留学生の求人・就活「JPort」運営、2.4億円をプレシリーズA調達——〝社会インフラ開発〟に着手

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「JPort」
Image credit: SPeak

外国籍留学生などグローバル学生に特化した就活支援プラットフォーム「JPort Match」などを提供する SPeak は5日、プレシリーズ A ラウンドを2.4億円の調達でクローズしたと発表した。このラウンドに参加したのは、マイナビ、 KDDI Open Innovation Fund(KDDI とグローバル・ブレインによる運営)、三井住友海上キャピタル、ANRI。

これは同社にとって、2021年5月に明らかにしたポストシードラウンドに続くものだ。ANRI は前回ラウンドに続くフォローオンでの参加。今回の調達を受けて、SPeak は累積調達額が4億円に達したことも明らかにした。

日本の大学生新卒の場合、これまで就職フェアなどの機会を通じて潜在的な就職先にリーチすることが多かったが、外国籍留学生にとって就職フェアは馴染みが薄く、日本人に提示される条件だけでは優秀な学生を採用できないことも多い。この結果が、外国人留学生の就職率35%という数字に如実に現れている。

SPeak は2019年4月、アメリカで8年間にわたり生活した経験を持つ唐橋宗三(からはし・ひろみ)氏により創業。2020年から、日本にいる外国籍留学生や海外にいる日本人留学生を対象にしたダイレクトリクリーティングプラットフォームを開発・提供している。日本企業にとっては、効果的かつ効率的に優秀な留学生を採用できる環境・機会が得られる。

唐橋氏によれば、登録している学生は、前回調達時から259%の伸びを見せ5,100人を突破した。また、サービスを利用する企業も31社まで増え、海外子会社を多く抱える保険大手、海外展開する地方準大手、バイリンガル人材を求める外資系企業などの利用が増えているという。JPort Match でのマッチング件数も2,500件を突破し、これは前年比で305%の増加である。

今回の調達を受けて、同社では社会インフラ開発へ向けコア人材の獲得に動くとしている。社会インフラ開発が何を指すか具体的な内容は現時点で不明だが、同社の説明には「社会インフラ開発による与信担保を確立」とあり、留学生の就職後の生活支援に関するもののようだ。この分野では、先ごろの Okinawa Accelerator Program で Payke が「JOLS」を発表、また、one visa も同様のサービスを展開している。

ただ、唐橋氏は以前のインタビューで、これまでもいわゆる外国人のブルーカラー職に特化した就職や生活支援プラットフォームは存在したが、JPort ではホワイトカラー職に特化していることを強調していた。いわゆる「社会インフラ開発による与信担保を確立」するにおいても、ホワイトカラーの外国人在留者に特化したサービスを開発するとみられる。

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