AI解析で産業用酵素開発、東工大発digzymeが7.3億円をシリーズA調達

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Image credit: digzyme

バイオインフォマティクス技術を活用した酵素の開発・事業を行う digzyme は23日、シリーズAラウンドで7.3億円を調達したと発表した。

このラウンドは DG Daiwa Ventures がリードし、モバイル・インターネットキャピタル、HERO Impact Capital、フジ日本精糖(東証:2114)、森六ホールディングス(東証:4249)、ANRI、みらい創造機構が参加した。また、金額にはデット及び NEDO ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)からの助成金が含まれる。

これは digzyme にとって、2021年8月に実施したプレシリーズ A ラウンドに続くものだ。ANRI、みらい創造機構は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。累積調達額は明らかになっているものだけで、明らかになっているものだけで約9.1億円に達した。

digzyme は2019年8月に設立された、東京工業大学発のスタートアップ。バイオインフォマティクスを基盤とした技術により、酵素開発とその応用に特化した事業を行っている。この技術は、世界中で蓄積された生命科学の研究データを読み解く AI 解析により、用途に適した酵素の遺伝子を効率的にデザインすることを可能にする。

同社はこれまでに、2つの情報解析プラットフォームの構築を行ってきた。ニーズに合わせた酵素探索を行う「digzyme Moonlight」と、機能を高める酵素デザインを行う「digzyme Spotlight」だ。これらにより、ニーズに沿った酵素を迅速に探索・改変が可能となり、天然物や石油化学品の代替生産や廃棄物分解など、主に化学分野でのバイオプロセス開発に注力してきた。

今回の調達を受け、digzyme は特に産業用酵素を出口とした、高機能な酵素ライブラリ「digzyme Designed Library」の開発に取り組む。産業用酵素は、食品や化学、洗剤、繊維、バイオマスエネルギー、飼料、農業、体外診断、研究など、幅広い用途に適用可能で、物質合成の用途として、酵素法(無細胞系・セルフリー系)に活用されていることから、今後のさらなる製品市場としても注目が集まっている。同社はすでに、食品事業への新たな体制を構築し、業務提携も進めているという。

digzyme は、バイオインフォマティクスによるデザイン技術を駆使して、酵素の発見など基礎研究にかかる期間を約4分の1に短縮することを可能にしたという。同社は今後 digzyme Designed Library の開発を進めることで生産開発をさらに高速化し、基礎研究・生産開発の期間短縮を実現するとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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