K美容のメディテラピーが29億円、動画配信ドラマ紹介のKinolightsがZVCらから調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(4月1~5日)

SHARE:
Image credit: Meditherapy, Kinolights

4月1日~4月5日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は1,060億ウォン(約119億円)に達した。

企業名 産業分野 調達額 ラウンド 投資家
Contactus
(컨텍터스)
スマートビル管理ソリューション 20億ウォン(約2.2億円) シリーズA Capstone Partners、新韓ベンチャー投資
Style Bot
(스타일봇)
AIスタイリスト 非公開 JCH Investment、Oracle Venture Investment
Body Cherish
(바디체리쉬)
スポーツニュートリッション 非公開 プレシリーズAブリッジ New Paradigm Investment
Integration
(인티그레이션)
メディテック 231億ウォン(約25億円) シリーズC KDB韓国産業銀行、IBX Partners、TBT Partners、韓国投資証券、SJ Investment Partners、DS Investment Partners
Lab in Cube
(랩인큐브)
多孔性新素材開発 51億ウォン(約5.6億円) シリーズA 韓国投資パートナーズ、Union Investment Partners、BNH Investment
Kinolights
(키노라이츠)
コンテンツコミュニティ 20億ウォン(約2.2億円) シリーズA Z Venture Capital、Kakao Ventures
Chaart
(차트)
美術品リセール 非公開 プレシード 500 Global
Mile Corporation
(마일코퍼레이션)
統合オフィススペース管理 SaaS 非公開 シード Mashup Ventures
Raion Robotics
(라이온로보틱스)
歩行ロボットの製造 非公開 シード Company K Partners、Future Play
KDT Diamond
(KDT다이아몬드)
ラボグロウンのダイヤモンドジュエリー 非公開 シリーズA Gen Axis
Texas Soft
(택사스소프트)
税務プラットフォーム 180億ウォン(約20億円) M&A Viva Republica
BioResearch AI
(바이오리서치에이아이)
AI製薬バイオリサーチプラットフォーム 20億ウォン(約2.2億円) プレシリーズA KAIST 青年創業投資持株、興国証券、韓国キャピタル、BSK Investment
Sandy Floor
(샌디플로어)
カジュアルマルチプレイゲーム 非公開 シード Kakao Ventures、Kona Venture Partners
Trust
(트러스트)
投資家向け情報アグリゲーション 83億ウォン(約9.1億円) プレシリーズA
LINKFLOW
(링크플로우)
オンデバイスAIウェアラブルカメラ 115億ウォン(約13億円) シリーズC SBI Investment
MyIB
(마이아이비)
B2Bマッチングギフトサービス 非公開 シード Kolmar Holdings
Hooxi Partners
(후시파트너스)
炭素排出権‧炭素排出管理 20億ウォン(約2.2億円) シリーズA ヒョンデ自動車証券-インフラフロンティア未来環境新技術組合1号
ProAbTech
(프로앱텍)
新薬開発 30億ウォン(約3.3億円) ハンファ投資証券、BNC Korea
Meditherapy
(메디테라피)
ビューティーテック 260億ウォン(約29億円) シリーズA Company K Partners、韓国投資パートナーズ、DSC Investment
Prevenotics
(프리베노틱스)
AIがん予防・診断ソフトウェア 非公開 シードブリッジ 500 Global
Gloud
(글라우드)
デジタル歯科ソリューション 30億ウォン(約3.3億円) プレシリーズA KB Investment、韓国信用保証基金、韓国社会投資

主なスタートアップ投資

  • ビューティーテック企業 Meditherapy(메디테라피)が260億ウォン(約29億円)を調達した。 2017年設立後、デイリービューティーホームケアデバイスからマスクパック、アイクリーム、アンプルなど、美容に関連するさまざまな製品を提供している。
  • 韓医師、歯科医など医療系コミュニティプラットフォームを運営する Integration(인티그레이션)が231億ウォン(約25億円)を調達した。コミュニティ、講義プラットフォーム、e コマース、研究開発ベースのブランディングなどインフラ関連トータルソリューションを提供している。
  • LINKFLOW(링크플로우)が115億ウォン(約13億円)を調達した。オンデバイス AI ウェアラブルカメラソリューションを開発し、セルフィーコンテンツ市場をターゲットとする「FITT360」、B2B 事業者の安全・セキュリティのための「NEXX360」を提供している。
  • 「地域創生ローカルクリエイター中心プロジェクト」が進行し、今年はグローバル商圏創出プロジェクトが新設された。初年度に最大55億ウォン、5年間で最大155億ウォンが投入される予定。支援はこちらで4月15日から応募可能。

トレンド分析

第1四半期投資前年比38%上昇… 人気分野は?

2024年第1四半期におけるスタートアップへの総資金調達学は、1兆737億ウォンに達し、前年同期比で38%の増加を示した。これは、2023年第1四半期の前年同期比77%の減少とは対照的な結果である。特に、成長段階にあるスタートアップへの投資が目立って増加したことは、投資環境の改善に対する期待を高める重要な指標とされる。

政府による投資促進策、例えば母胎ファンドの早期創設などが迅速に進められた結果、今年はこれまでの投資不足がある程度解消されると見込まれている。

第1四半期に集まった投資を詳細に見ると、海外市場をターゲットにした、または海外市場への進出可能性を示すスタートアップが投資家からの関心を集めた。投資の好みにも変化が見られ、AI を活用した医療ソリューションや医療機器といったヘルスケア分野が特に注目を集め、この分野への投資が最も多かった。他にも、ロボティクスやバッテリーを含む製造業への投資増加、生成 AI 、AI 用半導体、SaaS への持続的な人気が見られた。

一方で、コンシューマテック分野は人気が下降している。特にフードやファッション関連プラットフォームへの投資は行われているものの、10億以上の大型投資を受けた企業はほとんどなく、このことはコンシューマーテック分野の成長の鈍化がさらに進んでいることを示している。第1四半期には、大型投資が少数ながらも行われた分野があり、これは投資家の関心の変動を示すものである。

スタートアップの業績改善も顕著な傾向として見られる。昨年は経営の悪化による構造調整が多く報じられたが、今年は過去最高の売上を記録するなど、黒字のニュースがより多く伝えられている。これは、過去数年間の厳しい投資環境が企業体質の改善に寄与した結果と見られ、黒字経営を背景に、延期されていた上場や大規模な資金調達のニュースが増加することが予想される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する