車に乗ってメタバースへ没入、ドイツ「Holoride」がAudi車向けに新製品

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Image credit:Holoride

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ドイツに拠点、車載VRエンターテイメントを提供するHolorideは11月3日、エンターテインメントプラットフォームを発表した

一部のAudi車向けにアドオンパッケージとして提供されたもので、Cloudbreakers: Leaving Havenというゲームと教育エンターテイメント を組み合わせた「エデュテインメント」と呼ばれるアクションシューティングゲームが利用できる。同社は2018年にAudiからスピンアウトしたスタートアップだ。

その他にも一般的なVRヘッドセットと同様に専用のウェブブラウザーが搭載されていたり、スマートフォンの画面をミラーリングし、仮想空間上に現れる180インチの仮想モニターで見たりすることが可能になっている。A4などの該当車種を保有し、699 ユーロのパイオニアパックを購入することで利用ができる。パイオニアパックにはHTC VIVE Flow、8BitDo Pro 2 ゲームパッド、安全ストラップに加えて、同社プラットフォームの1年間のサブスクリプションが含まれている。1年目以降は、月額19.99ユーロもしくは年額179.88ユーロを支払うことでコンテンツ利用を継続することができる。

同社は車上でのVR体験を「エラスティックコンテンツ」と呼んでいる。例えば車がスピードを上げたり急カーブを曲がったりすると、ゲーム内の乗り物もそれに対応するなど、自分の動きと車の動きにインタラクティブなコンテンツを生み出すという。

特定の条件下での完全な自動運転は「自動運転レベル4」と呼ばれており、日本では2023年4月1日施行を予定している。一方のドイツでは世界に先駆けて2021年5月に閣議決定し、同年7月から施行している。自動運転の商用化が進むドイツにおいては、搭乗者全員が乗客化する車内で満足度の高い選択肢の重要性が増している。

同社CEO兼共同創設者Nils Wollny氏は今回の発表に合わせて「Holorideの導入は車内での古い経験を向上させるだけでなく、外出先での時間の使い方を再定義する」と述べる。


車に乗りながらVRヘッドセットを装着する場合に気になるのが、乗り物酔いと3D酔いだ。TechCrunchによると、車とメタバース空間を同期させることで逆に症状が軽減されるという。実際、2019年のCESでプロトタイプを体験した人の一部は気分が良いと答えたそうだ。

同社はドイツを皮切りに、同社は2023年初めに米国へ市場を拡大し、その後年内にヨーロッパおよびアジアの市場を追加する予定だという。

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