本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします
アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。
ポッドキャストで語られたこと
サッカークラブがトークンを発行するワケ
唐澤:その後、フィナンシェさんと組んで、サッカーチームとしてはそんなにまだ実例がない中でトークン発行というチャレンジもされていますよね。
四方:フィナンシェさんと知り合ったのはクラウドファンディングでお金を集めた後ぐらいのタイミングで、6月ぐらいだったと思うんですけど、仲間のサッカークラブから「クラウドファンディング2.0と銘打っているフィナンシェというサービスがある。仮想通貨のような株のような」みたいなフワッとした説明を聞きました。
渋谷のクラブがそこで少し資金調達をしていた、みたいなのを聞きつけて、我々もお金がないものですから、新しい形で資金調達ができるんだったらいいなと思って、紹介されたのが当時社長やられていた田中(隆一)さんです。
「仮想通貨だ!ブロックチェーン、オラー!」みたいな感じの方が来たら嫌だな、苦手だなと思っていたら、すごく爽やかで、それこそ元々コンサルもやられてた方なので、なんか全然イメージと違うなと。あとは彼らのキャッチコピーに「あなたの夢がみんなの財産になる」というのがあって、「どういうこと?」と。
唐澤:一瞬ちょっと怪しいと思いますよね。
四方:怪しい感じかなと思いましたが、「みなさんのビジョンだったり夢だったりって応援したくなるじゃないですか。(中略)僕たちはそれを応援するプラットフォームになりたいんです」と聞いて、めっちゃいいじゃんというお話からスタートしました。僕自身もはまったし、我々のクラブのカラーとかやりたいことと、世の中の人たちの今思ってるような情勢と、すごくフィットしたタイミングだったなと思っています。
唐澤:四方さんはまずクラファンをやってたじゃないですか。クラファン2.0という表現をされましたが、それはどういうところが一番大きく違うんですか?(中略)
四方:クラウドファンディングは場合によってお涙頂戴といいますか、一方的に寄付を受けて、何かリターンしておしまい、みたいなところがあって、関係性が1回で切れちゃうんです。一方(クラファン2.0は)株のような形なので、トークンを買って持ってもらってる状態で、買ってもらったファンの人とのエンゲージメントが長く続くということが一つあるかなと思っています。
また、トークンの価値が上がってきたらリターンをお返しできます。(中略)サッカーチームなので強くなって、人気が出て今度トークンの価格が上がったら、(中略)お金もらう側の僕らとしても心地良いなと思っていて。一方的にもらうわけではなく。
唐澤:これ逆の考え方もあって、例えばクラファンで手離れよくもらった方が後から言われないという考え方もあるじゃないですか。(中略)
四方:義務はあると思っていて、全ての発行体がトークンに適してるとは思っていないです。他のサッカーチームとかスポーツチームからも「これ大変じゃないですか」とご質問頂くのですが、よくよく考えてくださいよと。ファンに報いるとか、ファンサービスをすることは元々やらないといけないことでしょうと。
スポンサーでもらったりとかチケットで買ってもらったとしても、それで「手離れが良い」というのはおかしくないですかと。僕たちは存在がある以上、半永久的にファンの人たちを魅了し続けなきゃいけないわけだから、そもそも全てのファンクラブがトークンになっても良いくらいだと思います。
次につづく:成功の秘訣
Members
BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。無料で登録する