語学アプリ「Duolingo」がChatGPT-4に対応、AIチューターが語学教師に

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ニュースサマリー:OpenAIが3月15日に公開した新バージョンの対話型AI-API「GPT-4」の早期アクセスに合わせていくつかの企業が対応するサービスを公開している。チャット型の語学学習アプリ「Duolingo」は同日、新たなサービスとしてAIチューターが利用できる「Duolingo Max」を発表した。Duolingoの既存の有料プラン「Super Duolingo(日本円で年間9,000円)」の上位プランで、Superプランに加えてAIチューターによる解説とロールプレイの機能が利用できるようになる。米国をはじめ一部の地域で利用が可能になっている。英語話者向けのスペイン語とフランス語コースにおいてiOSから利用可能。日本ではまだ利用ができない(筆者確認済)。

利用が可能になるスマート解説機能は、AIチューターが学習者の誤りを文脈に沿った形で解説してくれる。また、ロールプレイでは、対話型のAIチャットボットと会話することで会話力を鍛えることができる。カフェや空港などシーンに応じたシナリオが用意される。学習した後にライティングスキルなどのフィードバックを受けることも可能。

話題のポイント:あまりにも動きが速すぎて追いつけないのはWeb3/Cryptoでもありましたが、ジェネレーティブAIについては加速度が増しているような気がします。今日、サプライズ発表となったGPT-4は、実はMicrosoftの検索エンジン「GPT-Bing」にも既に組み込まれていたらしく、既に多くの人たちによってその価値が検証されていたようです。

GPT-4は3.5(Turbo)などと異なり画像などの入力が可能になります。簡単に言えば、図解が入ってるテスト問題をそのまま解いてもらうことも可能で、これによって何が起こるのか想像すること自体ナンセンスに思えてきます。

さて、Duolingoの早期アクセスに対応した英会話でのChatGPT利用ですが、これはもうChatGPTでも使っている人は多いと思います。私はGPT-Bingでお世話になっているのですが、何よりこれまでの翻訳ツールと決定的に違うのが「文脈を見てくれる」という点です。

例えば先日も記事の一文でこういうものがありました。

“There’s a lot of cool folks coming out of the woodwork in both AI games and movies,” Saatchi said.

私、この中でWoodworkっていうものが指す意味が分からなかったんですね。木工品です。それで通常だとこれを英英辞典などで調べるとイディオムで「どこからともなく出てきた人(come out of woodwork)」という意味合いを見つけてくるのですが、GPT-Bingに聞くと下記のように教えてくれるんです。

ウェブ検索結果から回答します。woodworkとは、木製品や木造部分のことを指す英単語です。例えば、家の中にある木製の階段や飾り板などがwoodworkにあたります。また、比喩的には、隠れていたり知られていなかったりする人や物を表すこともあります

ChatGPTと異なり、ウェブソースを示してくれるのである程度安心して使うことができるのも利点です。DuolingoのAIチューターで使ってみたいと思ったのがこれで、もちろんロールプレイの機能も魅力的(オンライン英会話の先生と違って予約不要)ですが、このコンテキストを解説してくれる機能は非常に期待しています。日本ではまだ使えないけど。

あと、ChatGPT関連でよく話に上がるのが間違いです。以前のこの記事にも書いた通り、すごく涼しい顔をしてありもしない回答を並べることがあります。その点についてDuolingoはブログに次のように記載していました。

私たちは、技術が決して完璧ではないことを知っています(おい、人間も同じだ!)。GPT-4をこれらの機能に興奮している理由のひとつは、この技術が最も正確な(そして最も速い)バージョンであることです。私たちは、OpenAIと緊密に連携して、この技術テストとトレーニングに何カ月も費やしてきました。そして、間違いがほとんどなくなるまでこの作業を続けていきます。

AIが生成した回答に間違いやエラーがあった場合、不正確なメッセージを長押しすると、メニューが表示され、報告を選択することが可能です。私たちのチームは、これらの報告を確認し、より正確なモデルを訓練いたします。

完璧じゃないことを前提とするかどうか、これはリスクと得られるメリットのトレードオフですが、明らかにメリットの方が大きいでしょうね。この辺り、判断として各社がどう考えるのかも興味深い点です。

リリースによると両社の協業が始まったのが昨年の9月。ChatGPTを一般公開する2カ月前ぐらいです。現在は英語話者向けの機能だけですが、ChatGPTは日本語もよく通るようになっているので、こちらの対応がどのぐらいで始まるのか、開始したら実際に使ってみたいと思います。

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