OpenAI、ChatGPTを支える待望のGPT-4モデルをサプライズ発表ーー推論能力でChatGPTを上回る

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画像引用元:Khari Johnson / VentureBeat

本日、OpenAIは予期せぬ発表として、人気の対話型AI「ChatGPT」を支えるテクノロジーのアップデート版である、待望のGPT-4モデルをリリースした。同社はGPT-4を「より安全で有用な応答を生成する最も高度なシステム」と呼ぶ。この突然の発表は、ChatGPTがデビューして史上最も急速に成長した消費者向けアプリケーションとなってからわずか4カ月足らずでやってきた。

GPT-4はChatGPTのコア技術を進化させ、より広範な一般知識と問題解決能力を備え、より難解な問題に対してより正確な回答を提供できるようになっている。また、テキストだけでなく画像を入力することでそのキャプションや分類、分析を行うなど、新しい機能が追加されている。GPT-4は、2万5,000語以上のテキストを扱うことができ、長文のコンテンツ作成、拡張会話、文書検索や分析などのユースケースを可能にする。

この発表は、技術コミュニティの多くにとって驚きであり、GPT-4は木曜日に開催されるMicrosoftの「Future of Work with AI」イベントで発表されるだろうと思われてきた。このニュースは、GoogleがPaLM APIやGoogle Cloud、Google Workspaceの新機能を含む新たなジェネレーティブAIの一覧を発表したのと同日に発表された。

GPT-4の最大の特徴は、マルチモーダルチャットの要素を導入したことだ。GPT-4では、画像を入力として受け付け、キャプション、分類、分析を生成することができる。前身であるGPT-3.5では、テキストのみしか入力できなかった。GPT-4の機能は、テキストからビデオへの変換など、ダイナミックなジェネレーティブコンテンツにまでは及ばないが、マルチモーダルチャットの将来の姿を垣間見ることができる。近い将来、ビデオやオーディオ、画像など、あらゆるコンテンツがチャットに統合されることは容易に想像がつく。

OpenAI、GPT-4がChatGPTを上回ると発表

OpenAIは同社のブログ記事で、GPT-4は「高度な推論能力でChatGPTを上回る」「より多くのデータとより多くの計算を活用し、ますます洗練された有能な言語モデルを作成する」と主張する。また「GPT-4をより安全に、より整合性のあるものにするために6カ月を費やした。GPT-4は、当社の内部評価において、GPT-3.5と比較して、許可されないコンテンツに対するリクエストに対応してしまう可能性が82%低く、事実に基づいた回答を生成する可能性が40%高くなっている」と付け加えている。

モデルにさらなる洗練を加えるため、GPT-4はChatGPTのユーザーからもたらされたフィードバックを含む、より多くの人間のフィードバックも取り入れ、GPT-4の動作を改善した。OpenAIによると、同社は 「AIの安全性やセキュリティを含むドメインで、50人以上の専門家と初期フィードバックを行った」としている。

OpenAIは発表の一環として、Duolingo、Stripe、Morgan Stanley、アイスランド政府など、すでにGPT-4をテストした企業のユースケースをいくつか共有した。また、同社はGPT-4の研究ブログを共有し「GPT-4には、社会的バイアス、幻覚、敵対的プロンプトなど、我々が対処に取り組んでいる多くの既知の制限がまだある」とも強調している。

コンピュータ科学者でブラウン大学教授のSuresh Venkatasubramanian氏は、今回の発表について「ChatGPTが世間の視線を浴びながら行ったストレステストの下でどのような挙動を示すのか、特に、現実のコンテンツを欺くように幻覚を見せるのか、またそれを防ぐための保護機能はどうなっているのかを見てみたいと思います」とコメントした。

GPT-4は、サブスクリプションプランChatGPT Plusと、開発者向けAPIとして提供されることになる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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