GPT-4に対抗、Googleが新たなジェネレーティブAIのラインナップを発表ーーGmailやGoogle Docsにも導入へ

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Google Cloud AI

今朝、Googleは、PaLM APIとGoogle Cloudを通じて、開発者向けの新しいジェネレーティブ(生成)AI機能の一覧を公表した。GmailとGoogle Docsを含むGoogle Workspaceユーザー向けのもので、これらのツールに新たな機能が組み込まれることになる。

今回の発表は、Googleが検索対話型AI「Bard」を発表してからちょうど1カ月後、BloombergがGoogleの新しい社内指令として、「数カ月以内に主力の製品すべてにジェネレーティブAIを組み込むことを求める」と報じてから1週間も経たない内に現実のものとなった。

このニュースは、Microsoftが今週木曜日に開催する待望の仮想イベント「Future of Work with AI」を直前に控えての出来事だ。先週、Microsoft Germany CTOのAndreas Braun氏がコメントしたように、このイベントには、マルチモーダルGPT-4のリリースや、WordやOutlookなどのMicrosoft 365アプリケーション用のChatGPTアップグレードが含まれると噂されている。[UPDATE:OpenAIのGPT-4が本日サプライズで発表された(日本語訳はこちら)

昨日のオンライン・プレスブリーフィングで、Google Cloud CEOのThomas Kurian氏は、強化学習におけるTransformer技術の進歩と並列性、大規模なトレーニングワークロードのオーケストレーションの進歩をまとめるなど、今回のAI発表は長年の作業の「集大成」であると述べている。

以上が主な発表内容になる。

PaLM APIとMakerSuiteでアプリ開発

Googleは、開発者がGoogleの「ベスト」なLLM(大規模言語)モデルを構築できるようにする、新しいPaLM APIを紹介した。このAPIには、開発者がプロトタイプを構築できる「MakerSuite」というツールが付属する。Googleによると、時間の経過とともにプロンプトエンジニアリング、合成データ生成、カスタムモデルのチューニングのための機能も追加される予定だそうだ。Googleによると本日、一部の開発者にプライベートプレビューが提供され、ウェイティングリストは近日中に発表されるとのことだ。

Google CloudのジェネレーティブAI機能

Vertex AIは、Google Cloudのエンドツーエンドの機械学習プラットフォームで、データサイエンスチームがMLモデルの開発および展開を、特徴量エンジニアリングからモデルトレーニング、低遅延推論、エンタープライズクラスのガバナンスとモニタリングまで、迅速に行うことができるようにする。

現在、開発者はGoogle CloudでGoogleの基礎モデルを使用することができ、初期段階ではテキストと画像を生成することができる。そのうち、音声や動画の生成も可能になる予定だ。Google Cloudの顧客は最適なモデルを選択でき、プロンプトを作成・修正し、独自のデータで微調整し、アプリケーションをデプロイすることができるようになる予定。

Google Cloudは「検索体験や基礎モデルを会話型AIフローですぐに使えるようにする」ジェネレーティブAI「App Builder」も発表している。

Google WorkspaceのジェネレーティブAI機能

Googleは、30億人以上のユーザーがすでにGmailやGoogle Docsで、Smart Composeや自動生成されるサマリーなどのAI機能を活用していると指摘した。その上で同社は「信頼できるテスターに対して限られたセット」のみにおいて、GmailとGoogle Docsでちょっとした遊び心や専門性を高めることができるジェネレーティブAI機能をテストすると発表した。

オープンなGoogle AIエコシステム

最後に、Googleは、一連のパートナーシップ、プログラム、リソースを備えた「最もオープンで革新的なAIエコシステム」と呼ぶものも発表している。例えば、CohereやAnthropicといった基盤モデルを構築している企業は、すでにGoogle Cloudのインフラ、GPUやTPUクラスターを利用して、LLM(大規模言語モデル)の育成に役立てている。現在では、AI21 Labs、Midjourney、OsmoもGoogleと提携している。

また、Aible、Anyscale、Gretel、Labelbox、Snorkel AI、Weights & Biasesなど、さまざまなAIソリューションがGoogle Cloudとのパートナーシップを新たに開始、または拡大した。

さらに、Bending Spoons、Faraday、Glean、Replit、Tabnineなど、複数のAIアプリケーションプロバイダーが、新しいBuilt with Google Cloud AI Initiativeの一部として発表された。そして、アクセンチュア、デロイト、BCG、マッキンゼーを含むコンサルティング会社のグループは、顧客が利用できるGoogle Cloud AIおよびジェネレーティブAIのアドバイザリーおよび実装サービスや能力の拡大に寄与するという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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