ChatGPTはこれまでのチャットボットをどう変える?ーー有効な使い方とは

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Lisa Fotiosによる写真

ピックアップ:ChatGPT and its implications for customer experience | VentureBeat

ChatGPTが公開されてひとつ気になったというか、思い起こされるのがチャットボットの存在です。Facbook(現在のMeta)が2016年に公開したメッセンジャーへの組み込みで大きく話題になり、国内でもスタートアップで言えばZealsさんや顧客対応という点ではPlaidさんなどがこの分野で成長しましたし、なによりLINEがあります。

海外に目を向けるとこの記事にあるように有象無象がずらりと並ぶレッドオーシャン状態です。各プラットフォームでもチャットボット用のリソースを用意しており、主なものであれば、Google Dialogflow、Amazon Lex、IBM Watson Assistant、Facebook’s Wit.ai、Microsoft Azure Bot Service2などが挙げられます。

つまり、顧客対応にチャットボットは普通に導入されていますし、じゃあそれとChatGPTが来ることで何が変わるの?と。ちょうどよい記事があったので少し引用しながら紹介します。顧客体験における従来型チャットボットとChatGPTの比較です。

まず大きな違いとして従来のチャットボットは一般的に特定のトピックに限られていて、人が作った回答しかできない(クローズドドメイン、非再生型)のに対して、ChatGPTのような大規模な言語モデルはオープンドメインであり、その場で回答を生成できる(ジェネレーティブ)違いがあります。

つまり、ChatGPTを使ったことがある方は分かる通り正確性や一貫性に欠ける可能性があるんですね。従来型のチャットボットは表現こそ固いものの、回答は一様で一貫しています。この考察でも次のように指摘していました。

ChatGPTはその場で回答を生成するので、レピュテーションリスクやブランド毀損、法的な懸念を引き起こす可能性があり、コンテンツの完全なコントロールを保持することを望む多くの企業にとっては、特に問題があるかもしれない。

使い道がないかというとそんなことはなく、例えばこのチャットボットそのものの開発工数を下げる可能性が期待されています。ChatGPTを開発アシスタントとして便利に使っているケースがよく報告されていますが、これを使ってチャットボットの開発やトレーニング、テスト、QAなどに使用できる、というわけです。

例えば、閉じた領域に対する質問と回答の候補をブレインストーミングする場合、学習データに基づいて微調整することができる。また、ChatGPTは、ユーザーからの質問を様々なスタイルで言い換え、会話の例を生成することで、チャットボットのトレーニングの大部分を自動化することができる。さらに、ChatGPTを使用して、ユーザーの入力をシミュレートして既存のチャットボットをテストすることが、大きな可能性を秘めている。

私もこの考察を読む前まではChatGPTは動的生成なので、人間のような顧客対応は難しいだろうなと思っていたんですが、どっこい、人間と同じ側ですね、チャットボットを開発する側として使うと効果が見込める、というのは慧眼でした。

検索としてはBingの組み込みのように人間が検索する際のアシスタントとして十分に実用レベルなので、機械側として考えるよりはより人間側の使い方を考えるのが適切なのかもしれません。

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