
建設現場の DX や自動化を目指す東京大学発スタートアップ ARAV は8日、シリーズ A ラウンドで4億円を調達したと発表した。このラウンドには東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)が参加した。金額には、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫からの融資が含まれる。これは ARAV にとって2021年3月に実施したシードラウンドに続くものだ。
東大 IPC は前回シードラウンドに続くフォローオンでの出資。なお、今回の調達とあわせ、イノフィスの元代表取締役社長 CEO で、現在は東大 IPC のベンチャーパートナー古川尚史氏が ARAV の社外取締役に参画する。
ARAV は、動作拡大型スーツを開発するスケルトニクス(2017年に当時のココンが買収、その後、昨年、ピーシーデポ傘下のイーダブリューデザインが買収し事業統合)の創業メンバーで、スパルで運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」の開発に従事後、完全無人トラックによる物流システムスタートアップ Yanbaru Robotics を創業した白久レイエス樹氏により2020年に創業した。
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同社は、建設、林業、除雪、港湾、船舶機械に後付での搭載が可能な遠隔操作・自動運転ソリューションや自動化検証シミュレータを開発・提供している。建設現場の DX を促進し、研究・開発・実証実験を通じて収集・解析されたビッグデータを活用することで、建設現場が抱える様々な問題を解決していくことを目指している。
これまでに2020年11月に国交省「建設現場の生産性を向上する革新的技術」に選定され、2021年10月に NEDO のSTS 事業に採択された。遠隔操作システムインテグレーターのビスペルとは共同で、準天頂衛星みちびきのセンチメータ級測位補強サービスを活用した油圧ショベルの積み込みタスク自動化に成功し、現在10社以上の建機メーカー等と遠隔・自動化の共同開発を進めている。
今回の資金調達を受けて、ARAV では本格的な量産製品の開発・サービスの立ち上げ、自社プラットフォーム技術を横展開して人材不足等の課題を抱える海運、林業、除雪、農業、港湾等の他業界の D X 促進へと広げていく計画だ。海運業界向けには、開発エミュレータ OCS(Open Construction Simulator)の知見を生かした船舶シミュレータのリリースが予定されている。
via PR TIMES
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