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IoTはモノにこだわりすぎると失敗するーープラットフォーム3社が語るIoTビジネスの本質 #bdash

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あらゆるモノのネット化を指し示すワード「Internet of Things(IoT)」が語られだしてから数年ほどが経過するだろうか。源流は諸説あれど、国内ではやはり秋葉原に出現した「DMM.make AKIBA」のインパクトで一気に進んだ感はある。 「ものづくりニッポンよ再び」のイメージが先行する一方、そのビジネスが販売なのか、通信なのか、ストレージなのか、はたまた違う何なのかよく解らないという…

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あらゆるモノのネット化を指し示すワード「Internet of Things(IoT)」が語られだしてから数年ほどが経過するだろうか。源流は諸説あれど、国内ではやはり秋葉原に出現した「DMM.make AKIBA」のインパクトで一気に進んだ感はある。

「ものづくりニッポンよ再び」のイメージが先行する一方、そのビジネスが販売なのか、通信なのか、ストレージなのか、はたまた違う何なのかよく解らないという側面があるのも事実だ。

福岡で開催中の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2016 Spring」の壇上で、この答えのありそうでなさそうな話題に取り組んだのが、Skydisc代表取締役の橋本司氏、エブリセンス代表取締役の真野浩氏、さくらインターネット代表取締役の田中邦裕氏の3名。モデレートはABBALab代表取締役の小笠原治氏が務めた。

大量のデータが生まれる時代に備えたビジネス

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さくらインターネット代表取締役の田中邦裕氏

さくらインターネットが展開する「さくらのIoT Platform」については、発表当初から全体像を把握するのに苦労している人もいるのではないだろうか。

例えば時計や体重計といったものがネットに繋がるようになれば大量のデータが集まることになる。更に、固定のネット回線だけでなく、3Gを中心とする移動通信が自由に使えれば、その範囲は無限大に広がる。

スマートフォンシフトで、多くの人たちがネットに繋がり新たなアプリ経済圏が生まれたのは記憶に新しいが、その数が数倍増するイメージだ。そしてこういうデータが集まってくれば、処理や蓄積が必要になってくる。

ここに商機を見出しているのが田中氏だ。

「データが膨大になれば、どういうビジネスになるかは今ははっきりと分からないけれど、大きくとっておけば可能性が出てくる。(現在高額な)3G通信モジュールや通信料を低価格にすることで計測できるものが爆発的に増える」(田中氏)。

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ABBALab代表取締役の小笠原治氏

体重計からデータを取るのに月額数百円かかるようでは、なかなか利用は進まないが、これが数十円、数円レベルになれば取れる範囲が広がる。彼らが用意するプラットフォームの役割はそこにあるという。

このデータを流通させることでビジネスにしようというのが真野氏だ。例えばある場所で取得した気温情報を、全然関係のない別の場所にいる人たちが必要としたとする。この双方の間に入って取引を成立させる、いわば「データの証券取引所」のようなサービスを提案している。

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エブリセンス代表取締役の真野浩氏

そんな彼の指摘で興味深かったのがハードに対する考え方だ。

「最近のメイカーズブームっぽいのって「IoTイコール製造業」なんですよね。でも私が聞くのは、来年のポートフォリオが(※商品ラインナップ)どうなってるのだろうってことなんです。牛丼一筋でいくのかフルコースでいくのか。ハード製造業だとポートフォリオを広げていかなければいかない。来年は何種類になって、更に儲かったものを次のものに全部投資しちゃう。こうなるともうハムスター状態」。

これだけモノが溢れる時代にテレビや冷蔵庫のようなロングセラーを生み出すのは至難の業と言っていいだろう。売り切りのハードを作り続ける事業というのはまさしく滑車を走り続けるハムスターの如しだ。

ネット接続できるガジェットだからIoT、というのではやはり本質的ではなく、最終的に提供されるサービスを含めたビジネスモデル全体でこの新しい市場を考えるべきだろう。そういう意味で、真野氏がハードから生み出される「データ」の取引に商機を見出しているのは注目すべきポイントと思う。

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Skydisc代表取締役の橋本司氏

そして彼らの話をコンパクトに統合したビジネスを具体的に展開しているのが福岡拠点のスタートアップ、Skydiscだ。

「デバイス開発からクラウド利用、分析までを全て提供しています。14種類の中からセンサを組み合わせてデバイスにすることで(様々なデータ取得の課題を)解決しています。また、分析も環境用なら環境用と特化したサービスを提供していて、新しい分野が出てくれば、デバイスと同じく、分析や解析も付け外しができるようになっています」(橋本氏)。

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橋本氏らは農業、環境、流通の3分野でデバイスから分析までの一気通貫したIoTプラットフォームサービスを提供している。全体の話を通じて感じるのはハード、クラウド、アウトプットするサービスなどのバランスだ。

「モノにこだわりすぎると失敗しますね。例えば(さくらインターネットで提供している)VPSはハードとソフトウェアでできています。利益を出すためにはハードの比率を下げなければなりません。IoTも同じことです」(田中氏)。

まだ、IoTでビジネスとして突出した実例がまだ国内では見えていないのもこのワードがふんわりしている理由かもしれない。セッションを通じて感じた一種の物足りなさは、圧倒的な成功事例ひとつでクリアになるはずだ。

その日がくるのを楽しみにしたい。

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ピッチアリーナの優勝は、労務管理をクラウドで自動化する「SmartHR」のKUFUが獲得 #bdash

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本稿は、B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka の取材の一部である。 ピッチアリーナの優勝は、福岡で開催されている B Dash Camp で、世界のスタートアップがピッチで凌ぎを削るピッチアリーナ。優勝の座は、労務管理をクラウドを使って自動化するプラットフォーム「SmartHR」を提供する KUFU に送られた。 <関連記事> B Dash Camp 2016 Sp…

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本稿は、B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka の取材の一部である。

ピッチアリーナの優勝は、福岡で開催されている B Dash Camp で、世界のスタートアップがピッチで凌ぎを削るピッチアリーナ。優勝の座は、労務管理をクラウドを使って自動化するプラットフォーム「SmartHR」を提供する KUFU に送られた。

<関連記事>

受賞したスタートアップは次の通り。

優勝:Smart HR by KUFU

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<副賞>

  • マーケティングやプロダクトに関するメンタリング(Google 提供)
  • Amazon Fire Tablet 1台(Amazon Web Services 提供)
  • DODA 広告掲載100万円相当、dots. スタートアップイベント無料アレンジ権(インテリジェンス 提供)
  • JAL ボーナスマイル5万マイル 3名様分(日本航空 提供)
  • ATAMI せかいえ 9万円相当、1泊2食付旅行券1万円分全社員分(relux 提供)

準優勝:Gozal by BEC

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<副賞>

  • JAL ボーナスマイル5万マイル 2名様分(日本航空 提供)

PayPal 賞:Smart HR by KUFU

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<副賞>

  • PayPal 手数料またはマーケティング費用として100万円分

さくらインターネット賞:Nine by Lip

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<副賞>

  • 石狩データセンター 1泊2日ツアー チーム全員分
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B Dash Camp 2016 Spring in 福岡のピッチアリーナで登壇したスタートアップ全18社をご紹介 #bdash

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本稿は、B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka の取材の一部である。 今回の B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka のテーマは「change」であるが、プログラムのアジェンダ構成についても一部変更された。前回までは、メインセッションと並行したトラックでファイナリスト選考が実施されていたが、今回は事前の書類選考の基準が引き上げられ、ファイ…

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本稿は、B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka の取材の一部である。

今回の B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka のテーマは「change」であるが、プログラムのアジェンダ構成についても一部変更された。前回までは、メインセッションと並行したトラックでファイナリスト選考が実施されていたが、今回は事前の書類選考の基準が引き上げられ、ファイナリスト選考はメインセッションで扱われるようになった。

本稿ではファイナリストとして選ばれた4チームを含む、ピッチアリーナに登壇した18チーム全社を取り上げる。優勝チームは、4日夕方18時に発表される予定だ。審査員を務めたのは、次の5名の方々だ。

  • 赤坂優氏(エウレカ 代表取締役 CEO)
  • 青柳直樹氏(グリー 取締役 執行役員常務 事業統括本部長)
  • 朝倉祐介氏(スタンフォード大学 客員研究員)
  • 國光宏尚氏(gumi 代表取締役社長)
  • 宮田拓弥氏(Scrum Ventures ゼネラルパートナー)

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ファイナリストに選ばれた4チーム

Nine by Lip(日本)

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顔写真だけでマッチングする Tinder では、マッチングの成立に偏りが生じる。「Nine」はInstagram で撮影した写真の中から、評価の高かった写真9枚を抽出することで、ユーザの日常や性格を他ユーザに見せ、マッチングを図ろうというアプリ。個性の宝庫である Instagram の写真のストックから、人工知能を使って最強の直感的プロフィールを自動作成するので、マッチングした後のチャットにおいても、盛り上がる話題に事欠かない。

<関連記事>

HelloWings by Outland(台湾)

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以前は Tixchart の名前で知られた HelloWings は、LCC(格安航空会社)に特化した価格比較サイト。107カ国3,000社の LCC からリアルタイムでのチケット価格の比較、日時を指定したフライトのチケット価格の比較、一年を通してのサーチャージなどを含む最低価格を知ることができる。

Skyscanner などは Amadeus、Sabre、Galileo などの航空会社の GDS (Global Distribution System) に接続しているのに対し、HelloWings は航空会社のウェブサイトから直接クローリングして情報取得している点で差別化しており、出発地・目的地・日時などを指定するだけで、複数の LCC 横断でベストな航空券の組み合わせを提示する。AirAsia グループの起業支援組織 Tune Labs の支援を受けている。

SmartHR by KUFU(日本)

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SmartHR は、中小企業向けの雇用保険や社会保険の自動化ツール。正式版公開後3ヶ月で650社に導入されている。日本の2,700万人が勤務する419万社の中小企業をターゲットにしている。昨日から電子政府API連携により、役所へのウェブ申請機能がリリースされた。将来的には、SmartHR で健康保険組合を設立し、ユーザとなる中小企業の健康保険料を安くする。また、保険会社へのビッグデータ提供、製薬メーカーとの事業連携なども計画。

<関連事業>

Gozal by BEC(日本)

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Gozal は中小企業のバックオフィス自動化を目指すスタートアップ。中小企業の経営者は、バックオフィスに年間で1ヶ月をバックオフィス業務にかけていると言われる。しかし、多くの経営者は業務を適切に行えているかどうかは不安と語る。機械学習を活用することで、必要なバックオフィス業務をクラウドサービスにより自動化を図る。現在10種類の手続がオンライン化できており、既に1,000社の企業が採用している。2017年までに、100種類の手続をオンラインで完結できるようにしたいとのこと。

<関連記事>

以下は、ファイナルラウンドには残らなかったものの、ピッチ登壇をした残りの14社だ。

ちきゅう(日本)

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ちきゅうは、中小企業向けの顧客管理・商談管理を中心とする CRM (customer relation management)、メール配信・スコアリング・ワークフローなどを中心とする MA(marketing automation)の機能を提供。創業者の浅井氏は、前職で売れにくいプロダクトの販売を任され、さまざまな分析を行って改善を試みた結果、月平均の売上規模が3.6倍に向上したことから、データベース・マーケティングが結果を生み出すことを実感。一方で、CRM は企業の15.9% にしか導入されておらず、その理由が小さくて小回りの利く CRM が存在しないからと考えた浅井氏は、この事業を開始することにした。

<関連記事>

Senses by マツリカ(日本)

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マツリカを創業した黒佐氏は以前、ユーザベースで営業・マーケティング・顧客サポートの統括責任者を務めていた人物だ。社内で配置転換のたびに業務知識や手順を教育する必要が生じるため、結果的に業務内容に精通した人にのみ業務が属人化してしまう問題を痛感し、営業支援ツール「Senses」を開発。いつ連絡をとるべきかなど、ステイタスの確認はモバイルでできるようになっており、Gmail とも連携する。

<関連記事>

SkyRec(台湾)

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SkyRec は、リアル店舗のための Google Analytics。店舗内でお客がどの部分に何回、どれだけの時間滞留したかを視覚的に把握することができる。導線分析、売れ筋商品の分析、陳列方法の改善、人気のない商品の排除選定などに威力を発揮する。台湾のある店舗では、SkyRec 導入から3ヶ月で店内のトラフィックが10%改善し、月間売上が18%改善した実績を持つ。台湾 AppWorks(之初創投)第11期から輩出。

Jumpy/児童智能手錶(台湾)

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Jumpy は5歳から8歳の児童向けに開発されたスマートウォッチで、世界初の親子対話型ゲームを提供する。ゲームのほか、日常の予定お知らせ機能、メッセージ機能などが搭載され、保護者は子供がどのような生活を送っているかをスマートウォッチを介して把握することができる。オープンSDKを提供することで開発元の JoyRay(悦睿科技)やサードパーティーが毎月のように新しいアプリをリリースしている。Foxconn のスマートフォン部門に在籍した Jerry Chang 氏が設立。台湾 AppWorks(之初創投)第9期から輩出。

SevenHugs(フランス)

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SevenHugs は IoT スタートアップで、HugOne と SmartRemote という2つのスプロダクトを提供している。HugOne は睡眠トラッキングが可能な IoT デバイスで2015年9月からフランスの主要小売店で購入可能。もう一つの SmartRemote は、ポインティングすることでスマートホーム・デバイスを、リモコンのような感覚で容易に操作ができるデバイス。

スマートホーム・デバイスを操作するためには、モバイルやタブレットを使って、適切なアプリを立ち上げる必要があり、直感的な操作ができないのが難点だ。SmartRemote は位置センサーや加速度センサーなどを組み合わせ、ユーザがどちらの方向を向けているかによって、その先にあるデバイスを操作することができる。2014年に設立し、2015年にシードファンディングで225万ユーロを調達している。

Collabee(韓国)

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Slack などのコミュニケーションツールでは、メッセージが時系列で並ぶため、どの問題について、どの議論がなされていて、その課題が解決したのかどうかを把握することが難しい。Collabee では、課題ごとにスレッドがわかれ、その課題に対する議論は個別の画面で管理される。このため、問題の解決の如何や捕捉が容易。キーワードやファイル名で検索しなくても、タスク、決定要否、画像などから検索できる。電子メールともシームレスに連携が可能。

PocketSuperNova(日本)

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PocketSuperNova は、モバイル動画クリエイター向けの編集アプリ「PocketVideo」を開発。特定のユースケースに向けたビデオ編集アプリが不足しており、ロングテールの動画クリエイターがマネタイズできない問題を解決。現在6万人のクリエイターが登録しており、俳優のマシ・オカ氏らもエンジェル投資家として投資している。現在、ポストバリュエーション2,000万ドルで、500万ドルを調達中。すでに日本の投資会社1社が、350万ドルの投資を確約している。

Caster(日本)

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Caster は、在宅での派遣業を実現するスタートアップで、リモートワークを実現する。人手不足倒産という言葉が生まれるなど、人手が足りない状況は企業にとって大変クリティカルな状況。一方で、旧来型の派遣業のイメージダウンにより、派遣登録者の数も低迷している。

Caster ではオンラインでの派遣免許水準をクリア。11月に登録を開始し、3ヶ月で登録者数が1,000名を突破した。20代〜40代の女性が多く地方在住者が中心。取引先は、チャットワークやエス・エム・エスなどに代表される IT 企業が中心だ。2016年に100社を新規に獲得し、2020年に1万人の登録者がリモートワークだけで生活できる環境を実現するのが目標。

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Nutte by State of Mind(日本)

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Nutte は、ファッションアイテムをたった一点から注文できるマーケットプレイス。日本には縫製職人が数万人いて、彼らはアパレルのサンプルや舞台衣装などを作っている。しかし、縫製職人はこれまで、業界内の紹介でしか仕事に出会うことがなかっため、安定した収入を増やすのが難しかった。

昨年2月にローンチした Nutte は現在、縫製職人を500人以上ネットワークしており、現在の成約率は80%以上。成約した場合は、取引金額の20%を手数料として Nutte に支払う。Nutte を使うユーザは5,000社/人以上が登録しており、業務ニーズはもとより、例えば、ライブハウスで頑張っているアイドルに衣装を作ってあげたい、というようなニーズにも対応できるようになっている。

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Ancar(日本)

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日本の中古車流通業界においては、買取から再販店頭に並ぶまで30%の手数料が載せられる。しかも、90%の中古車は未整備・未点検で流通している。必要のない中間マージンを排除し、消費税も加算されない。Ancar は全国の整備工場をネットワークし、事前査定と点検ができる環境を整備中。現時点で、関東の1都3県でサービスを提供できる。

中古車流通業界は排他的であるものの、創業者である城氏の祖父が業界団体の創業メンバーであることから、このネットワークを利用し、円滑な事業立ち上げを可能にしている。中古車流通のみならず、2016年にはアフターサービス・マーケットにも進出予定。3月には整備工場マッチングアプリ Repea、5月には整備工場用業務管理ツール BizMart をリリース予定。

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ST Booking by はこだてベンチャーズ(日本)

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East Ventures 元アソシエイトの森川氏が創業した ST Booking は、東アジアや東南アジアの留学生を日本の教育機関につなぐためのプラットフォームだ。インターネット上で容易に見つけられない、日本の留学生受入れ教育機関の情報を提供し、教育機関にとって顧客となる生徒の確保を支援する。従来、日本の教育機関は、アジア各地の教育フェアや現地の教育エージェントを通じて生徒を確保している。コストがかかり、ビザ申請をを含めた受入れのためのプロセスも煩雑だ。

ST Booking では日本の語学学校や専門学校50校、ベトナムやタイなどのエージェンシー20社以上とタイアップ、エージェンシーを通じた B2B と、直接生徒を取り込む B2C の両面でアプローチする。2020年には、年間30万人の留学生を日本に招聘しようとする政府の動きも追い風になる。成果報酬ベースで、教育機関から授業料の15〜25%を手数料として徴収することでマネタイズ。将来的には、卒業後の就職先企業とのスポンサーシップ、留学プロセスを効率化する CRM を開発するとのこと。これまでに、Beenext や If Angel から出資を受けている。

ODIN by Panair(日本)

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新電力の参入に伴い、ODIN は電力事業者のオペレーション・コスト圧縮を支援するサービス。広域連携機関と API 接続ができるようになったことから、Panair(パネイル)は Ruby ベースで人工知能を活用したオペレーション・プラットフォームを開発した。契約需要家のスマートメーターから30分毎に消費電力データを自動収集し、人工知能を使って精度の高い需要予測を出すことができる。

これらのダッシュボードを活用することで、たった一人でも電力事業者が運営できる上、Panair が「OEM 電力」を提供することも計画しており、ユーザとなる電力事業者は大手新電力から電源より安い価格で仕入電力を調達することができる。

SCORER by FutureStandard(日本)

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SCORER は、リアルタイム画像自動解析を提供するクラウドサービス。市販のカメラを使い、容易に、来店分析、行列の人数や移動方向、通行人数などを分析できる。カメラ網の構築を進め、流通業界や電力会社などと提携し、大型店舗や電柱などにカメラを配備。一つのカメラが捉えた情報を画像解析し、それを複数の用途で複数のクライアントが活用できる環境を整備できる。

画像を解析する技術(=アプリケーション)は多岐にわたるので、これらの技術はサードパーティが提供できるようマーケットプレイス化する。リリースから1ヶ月で6社とトライアルを実施中。昨年、インキュベイトファンド、YJ Capital、プライマルキャピタルから1.3億円を調達しており、今年は海外展開を目指す予定。Incubate Camp 8th から輩出。

STYLER(日本)

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ファッション業界売上18兆円のうち、取引の大部分はオフラインで実施されている。STYLER はオフラインの購買体験を改善するスタートアップ。昨年12月10日 iOS をローンチし、これまでに、ファッションのリアル店舗と潜在顧客と1万マッチングを達成、これまでに130のショップが参加している。

STYLER はこの日、ヤフーとの提携も発表した。STYLER では現在、オウンドメディア「STYLER MAG」から顧客流入を獲得しているが、このコンテンツをこれまでの FashionSnap のみならず、ヤフーにも提供する予定。2016年夏には、台湾をはじめとする華僑圏に展開する予定だ。

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「リード投資家が決まってないチームに賭けてみようと思わなかったのでは」ーーウェルスナビ柴山氏が語る資金調達の失敗談 #bdash

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。 本稿は最初のセッションの続き。チームづくり、事業づくりときて、最後は起業家の失敗の話だ。大きな失敗は終わりを意味するが、小さな失敗は経験となり次の道のりを作ってくれる。 (登壇者はウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締…

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。

本稿は最初のセッションの続き。チームづくり、事業づくりときて、最後は起業家の失敗の話だ。大きな失敗は終わりを意味するが、小さな失敗は経験となり次の道のりを作ってくれる。

(登壇者はウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏、モデレーターはグリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏)

やはり資金調達関連は不可逆ということもあって、スタートアップには荷の重い話らしい。ユーザベースの梅田氏は、創業期の資金調達についてこのような経験を共有してくれた。

「金融機関出身ということもあって、資金調達については自信もあったんです。でもやはり創業したての頃って心細いんですね。結果的に色んな方にストックオプションを渡してしまったり、方向性が変わったりしてしまって。それで色々な方に相談すると買い戻すべきと言われたんですが、それなりの金額が必要になるわけです。今を逃すと更に大きな問題になるということで買い戻したんです。今思うと先人たちのアドバイスは聞いてよかったです」(梅田氏)。

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また、梅田氏はNewsPicksの前にひとつ、間も無くリリースというタイミングで情熱が冷めてしまったサービスというものがあったそうだ。そこで梅田氏はモデレーターの田中氏にどうやったら情熱を継続できるのかと逆に質問する場面があった。

「継続というのは本当に難しいです。ほとんどの人が辞めるので、続けるということに最中力しています。簡単に辞めたり妥協したりしない。成功させるっていうのはよく考えることだと思うのですが、続けることを考える人は少ないかもしれません」(田中氏)。

また、ある程度のお金を持ったことでやる気をなくしてしまう経営者も見てきたという。

「月収300万円の壁っていうのがあるんですね。これぐらいあると、普通の生活をしていて困ることはないんです。その時ですね、多くのベンチャー経営者がやる気をなくしてしまう。満足しちゃうんでしょうね。これを超えて、社会の問題を問いかける、そういう瞬間があるんです」(田中氏)。

なかなか具体的な事例で興味深い。さて、柴山氏の失敗談は結構身近かもしれない。こちらもまた資金調達時の問題だ。

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「シリーズAラウンドで大失敗したんです。何かというとリード投資家をきちんと決めなかった。周囲にいたベンチャーキャピタルがいなくなってしまったんです。投資家もリードが決まってないチームに賭けてみようという気にならなかったんでしょうね。一緒に入ってくれる投資家も柴山は腹が決まってない、本当にできるのだろうか、と感じたんではないでしょうか」(柴山氏)。

浪花節的かもしれないが「腹を決める」という部分は案外見落としがちで、一番大切な部分だったりする。

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「各々の価値観だけで会社の価値観はなかった」ーーユーザベース梅田氏が語る「ビジョン」を作るタイミング #bdash

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。 本稿は最初のセッションの続き。チームづくりの次に話題となったのは事業の始め方だ。創業者は何を思って事業を始めるのだろうか。(登壇者はウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏、モデレーターはグリー代…

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。

本稿は最初のセッションの続き。チームづくりの次に話題となったのは事業の始め方だ。創業者は何を思って事業を始めるのだろうか。(登壇者はウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏、モデレーターはグリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏)

昨今の「フィンテック」ブームによって追い風を感じることになったウェルスナビの柴山氏は、まだこのバズワードが生まれる前に創業を決意している。

<参考記事>

「まずは自分が使いたいサービスを作ろう、ということが発端です。ビジネスモデルは(コンサルタント時代の)三、四年前にシカゴのクライアント向けにつくったこともありましたし、自分が作れて自分が使いたいプロダクトをまずはリリースしようと。まだ若干ズレはありますが、世の中に出してから理想に近づけていこうと」(柴山氏)。

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ただ、柴山氏のチャレンジはシステム的な課題だけでなく、行政やそもそもの日本の資産運用の文化など、超えなければならないハードルがいくらでもある分野だ。欲しいからとそう簡単にできるものではない。当の柴山氏も話を聞けばここまでの短い期間でえらく苦労を重ねたようだ。

「サービスリリースの直後に勢いが止まったことがあったんです。リリースのサイクルが伸びて、スピードが落ちました」(柴山氏)。

ここで柴山氏ら、創業のメンバーが取り組んだのが会社がどうあるべきか、というミッションやビジョンの再考だった。

「金融機関としての生命維持業務はやっておいて、3日半開発などの業務を一切止めて話し合いました。最終日は朝の3時まで話し合ったんです」(柴山氏)。

議論の途中までは、前の会社ではこういうビジョンだった、こういうミッションだったという話題がどうしても出てしまう。しかし折角自分たちで会社作ったのだからと、自分たちの言葉を作ることになる。ユーザベースの梅田氏も同様の経験を振り返る。

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「私自身、創業して学んだのはミッションやビジョンの大切さです。以前はキナ臭い、綺麗ごとだと思ってた時期もありました。背中を見てついて来い、的な考え方ですね」(梅田氏)。

しかし、ユーザベースが30人を超えた頃に内部崩壊が起こる。

「僕の考え方は分かってるだろう、ということでニュース事業をやりたいと言った時、梅田は方向性を見失ってるって言われたんです。こちらは伝わってると思ってたのにコミュニケーションギャップがあった」(梅田氏)。

ミッションやビジョンのない会社では、未来を語っていたはずの会社のメンバーが徐々にチームの悪口やマネジメントの愚痴を言うようになる。そしてこんな状況を変えたのも、とある社員がきっかけだったという。

「女性社員に子供が出来たんです。それで電話で明日から休みたいというので、それを許可して次の日に会社に伝えたら、なぜ休ませるのか?前の会社ではそういうことはなかったと言われたんですね。それってそれぞれの価値観をぶつけただけで、ユーザベースの価値観ってなかったと気がついたんです」(梅田氏)。

梅田氏もやはり柴山氏と同様に、ここをきっかけに会社としての価値観を作る作業に入る。

「本気でやったのが重要でした。過去を振り返ってみんなはどういう価値観を大切にしてきたのか。言葉は大切で、ライターさんにも入ってもらって一番腹に落ちる言葉にしました」(梅田氏)。

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全員で会社としてのミッションやビジョンについて話し合うタイミングというのは難しいが、柴山氏や梅田氏のように、こういうピンチをうまくチャンスに変えるという経験は勉強になった。

また、改めて事業は立ち上げではなく、その次の一手が重要であることも理解したいエピソードではないだろうか。

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40歳手前の親父だからできたーーソラコム玉川氏が語る「創業チームの集め方」 #bdash

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。 最初のセッションでは、注目の若手経営者として、ウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏が登壇し、それぞれのチームづくりやミッション、事業の立ち上げなどについてその経験を語った。 本稿ではそれぞれの…

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福岡で開催中の招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」の会場にやってきている。

最初のセッションでは、注目の若手経営者として、ウェルスナビ代表取締役の柴山和久氏、ソラコム代表取締役の玉川憲氏、ユーザベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏が登壇し、それぞれのチームづくりやミッション、事業の立ち上げなどについてその経験を語った。

本稿ではそれぞれのテーマに分けて彼らの声をお届けする。なお、本セッションのモデレーターはグリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏が務めた。

田中氏がセッション冒頭に「ネットっぽくない」と紹介した3社に向けられた最初の質問はスタートアップにとっての最初の難関「チームづくり」に関するものだった。玉川氏は創業のきっかけをこのように振り返る。

「ソラコムの創業きっかけは安川(健太氏、現・CTO)とアメリカに出張して酒を飲みながら話しをしてたんですが、その日、時差ぼけで寝れなかったんですね。それで仮想のリリースノートを作ったです。これはアマゾン時代の習慣で、朝起きて見直してみていけるんじゃないかと。それがソラコムの元になりましたね」(玉川氏)。

ちなみにビジネスモデルを考えたりするのが好きという玉川氏は、先日から参加していたバルセロナのイベント滞在中にまた新しいアイデアを一つ書いたと話していた。(残念ながら本日ばーんと発表、という訳にはいかなかったが)。

さておき、単なるアイデアをどうやって実現したのかという質問についてはやはり、通信をクラウドに乗せるという部分が大きなチャンレンジだったらしい。これを玉川氏はサイドワークでテストを繰り返し、目処がついたことで起業に踏み切る。

玉川氏に目処がついた一方でチーム作りは大変だ。ソラコムには通信、クラウド、ビジネス、海外展開などありとあらゆる知識と経験が必要になる。ここを乗り越えたのはやはり玉川氏がベテランだったことが大きい。

「プラットフォームなので、世の中に出せるまで半年籠らないとダメなんですね。それで周りに出来る人で誰がいるかなと。私は40歳手前の親父なので、経験上、周囲に優秀な人っているじゃないですか。そういう人たちを思い浮かべて口説いていったんです。そうやって最初の8人のメンバーを集めました」(玉川氏)。

玉川氏と安川氏という国内アマゾン・クラウド立ち上げの中心人物が先頭に立ったこと、不可能を技術で「できる」ところまで目処をつけたこと、こういった技術者にとってわくわくするストーリーに彼のベテランとしての経験が重なってこのプロジェクトがキックオフできたのだろう。

相変わらずこの話はアツい。

ちょっと面白い最初のチームビルディングのストーリーを語ってくれたのが柴山氏だ。ウェルスナビは金融ビジネスをテクノロジーで変革させる意欲的な取り組みだが、当然、エンジニアが必要になる。しかし、官僚・金融畑を歩んできた柴山氏の環境は玉川氏のそれとは大きく異なる。

そんな彼がうまく使ったのがメディアだった。

「(諸事情で最初のプロダクトが)作れないことが分かって、一緒に起業しようとしていた2人がいなくなっちゃったんです。それでインキュベイトファンドの村田(祐介)さんとICCの小林(雅)さんとでプレスリリース作ったんです。そしたらこれまで諸事情でできなかったものが新聞にはできると書いてあるということで、金融機関向けのシステムを開発しているような人たちがサイト経由で応募をしてくれたんです」(柴山氏)。

ネット業界にいると、私たちのようなネットメディアがやはり近い存在になるのかもしれないが、別の業界では当然、それぞれにリーチが強い媒体が存在する。

こういったネット業界と既存事業の業界にある境界線をうまく意識して、双方の人材をうまく往来させる方法を考えるのは必要なのではないだろうか。(つづく)

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