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中国の自動車メーカーは、マスク不足問題を解決できるかもしれない

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マスクがが戦略的な材料になるとは誰も予想していなかったが、今では中国全土の人々がマスクを求めている。多くの薬局では、数週間にわたり売り切れたままだ。地方政府は医療資材の出荷をめぐって互いに戦っている。労働者にマスクを提供できないため、工場は操業再開を遅らせる必要に迫られた。 中国には、もっとマスクが必要だ。 中国ではマスクの生産量は2月3日に2,000万枚/日に達し、その数はわずか14日間で2倍に…

広西省の工場でマスクを製造する SAIC-GM(ゼネラルモータースと上海汽車の合弁会社)のパーツサプライヤー De Fute の社員ら
Image credit: SAIC-GM

マスクがが戦略的な材料になるとは誰も予想していなかったが、今では中国全土の人々がマスクを求めている。多くの薬局では、数週間にわたり売り切れたままだ。地方政府は医療資材の出荷をめぐって互いに戦っている。労働者にマスクを提供できないため、工場は操業再開を遅らせる必要に迫られた。

中国には、もっとマスクが必要だ。

中国ではマスクの生産量は2月3日に2,000万枚/日に達し、その数はわずか14日間で2倍になったが、1億枚以上/日の生産を求める北京の緊急要求にはまだほど遠いため、先々週後半には李克強首相自らが先頭に立ちマスク工場を巡って本格的な生産を依頼した。李氏の呼びかけに答える形で、自動車メーカーは工場でのマスク生産ラインの設置をリードしている。

先週末までに自動車メーカーは800万枚/日のマスクを生産し、消毒剤など他の医薬品などとあわせ、中国の現在のマスク生産量に約15%を上乗せする見込みだ。短期的に見れば、社内でマスクを供給できれば、自動車メーカーは操業再開しやすくなるだっろう。長い目で見れば、流行は世界中で急速に広がっているため、マスクの生産は利益が少ないものの売上を立てやすいビジネスかもしれない。

自力調達

自動車メーカーのマスク生産への迅速な転換は、もともと社内の需要に合わせることを目的としていた。政府は、十分な予防措置と安全対策無しの状態でメーカーが操業再開することを禁止した。瀋陽市政府は先々週、従業員1人につき1日に2つのマスクを提供し、BMW の生産再開を支援した。その前には、BMW が瀋陽現地の慈善団体に3,000万人民元(約4.6億円)を寄付している。Tesla はいつものように地方政府から丁重な扱いを受け、上海の巨大工場で働く従業員向けに特別マスク1万枚が支給され、2月10日に生産を再開した。

しかし、マスクは中国全土で不足しているため、ほとんどの自動車メーカーは自社調達を余儀なくされており、その多くはマスク生産開始にあたり部品サプライヤーや子会社に頼っている。

ゼネラルモーターズの中国におけるパートナー SAIC(上海汽車)とそのサプライヤーは最初に動きを見せた。広西省に拠点を置く De Fute(広西德福)は、SAIC-GM(上汽通用五菱)の共同工場から100km以内にあり、通常は SAIC に吸音材を供給している。SAIC は中国メディアに、今月末までに合計14の生産ラインをセットアップし、170万枚/日のマスクの生産能力に達すると予想していると述べた

投資家 Warren Buffet 氏が支援する EV メーカー BYD(比亜迪)は大きな賭けを行い、2月末までに500万個/日のマスクを生産するという野心的な目標を設定した。500万個とは、中国全土のマスク生産可能量の10分の1に匹敵する。中国最大の EV メーカーである BYD は、30万本/日という消毒剤の生産計画も発表した。国有の自動車大手 GAC(広州汽車)は先々週マスク生産を開始し、先週末までに出荷量が100万個に達すると予測した。

生産物の変更は簡単

この大きな生産物の転換にかかる費用は、実際には非常に低いものだ。大規模なメーカーにとっては、通常のビジネスから大きなリソース流用することなく、マスク生産ラインを簡単にセットアップできるはずだ。

大手自動車メーカーにとっては機器の価格も微々たるものだ。18万個/日の通常のサージカルマスクを生産できる高度な生産ラインは、約100万人民元(約1,500万円)で販売されており、包装ラインと消毒システムを含めて3日で出荷可能。あるマスク生産設備サプライヤーは、「マスク生産は高度に自動化されており、生産ラインを監督するのはたった1人の人間だけで済む」と TechNode(動点科技)に語った。

マスク1個あたり1人民元(約15円)の利益があれば、生産ライン一つで100万人民元のセットアップ費用は1週間以内で回収できる。あるマスクメーカー担当者は Caixin(財新)に対し、「メーカーが原材料へのアクセスを保証している限り、生産物の転換において、分のいいビジネスケースが存在することになる」と語った

新たな大金

2月末までに500万個/日のマスクを生産するという野心的な目標を表明した BYD の広告
Image credit: BYD

マスク周辺には金が集まり、すでにそれを獲得しようとしている者がいる。それが前述の自動車メーカーであるか、不正な従業員であるか、オンライン詐欺師であるかは誰にもわからない。中国工業情報化部(日本の経産省に相当)は2月2日に北京で開いた記者会見で、防護服、マスク、ゴーグルを含むすべてのウイルス関連医療用品が政府の管理下に置かれたと述べた。自動車メーカーが市場で医療機器を販売することを明示的に禁止している規制は無いが、各社は生産が地方政府によって「計画および管理される」ことを誓っている。

深圳に拠点を置く OEM BYD が2月8日にマスクの生産を発表したわずか1日後、複数の WeChat(微信)アカウントが同社がマスクを販売すると呟き始めた。TechNode が入手した、WeChat で出回っている製品パンフレットによれば、BYD が2月17日から1注文あたり最低1万個から出荷を開始すると約束している。BYD はこれらのパンフレットの内容を否定し、非公式チャネルを通じてマスクを購入しようとする顧客は騙されると警告している。

Weibo(微博)に投稿された WeChat メッセージでは、販売パンフレットに記載されているアカウントが、マスク1個あたり1.8人民元(約28円)という疑わしい低価格を提示している。 TechNode がパンフレットに記載されていた番号に電話すると、BYD を代表するという受付担当者が応答し、マスクは政府のみに提供されると回答した。

ネチズンが共有する別の「販売通知」では、BYD を代表すると主張する人々は、1注文100万個以上の「大規模組織からのみの注文を受けると述べている。これらの数値は、後に中国メディア「Nanfang Metropolis Daily(南方日報)」の記者により確認された。彼は、BYD が一般への販売を開始していないことを強調し、政府と病院が最初の供給ラインになると付け加えた。

中国のソーシャルメディアで掲載された BYD マスクを提供するという広告では、2月28日現在、マスク価格が2.4人民元〜4.2人民元(約37円〜約65円)としている。

今後の利益

まだ BYD マスクを購入することはできないが、マスク不足が緩和されれば話は変わる可能性がある。最近 BYD が中国のメディアに送った声明の中で、同社は政府からの需要が完全に満たされた後、サプライチェーンパートナーに供給する目的で生産を拡大していると述べた。 「小売市場で販売が開始された場合には、間違いなく発表する」とも付け加えた。

公共サービス生産への投資は、おそらくまもなく利益をもたらすだろう。この問題に詳しい人物によれば、中国の地方政府は現在マスク製造施設への投資を少なくとも50%助成しており、またマスク価格は上昇を続けているため、投資家は設備購入後すぐに費用を賄うことができる。

将来、中国国民は長期にわたって個人の健康のために公共スペースでマスクを着用することを強く意識するようになるため、業界はマスク需要の大幅な成長を期待している。コロナウイルスの発生が最終的に世界的なパンデミックになった場合、マスクのライフサイクルはさらに長いものとなるだろう。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

中国でのEV生産本格化に向け、トヨタが現地自動車製造大手BYD(比亜迪)と合弁会社設立へ

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中国が世界の電気自動車(EV)開発を牽引する努力を続ける中、遅れて出てきたトヨタは7月に発表していた中国の自動車メーカー BYD(比亜迪)との提携関係を構築しつつある。まだ初期段階にある中国の EV 市場の多くを取り込むのが狙いだ。 重要視すべき理由:トヨタは EV に向けた世界的な加速に追いつくことを目指している。EV は長年、日本の自動車大手の間であまり音沙汰が無かった領域だ。 トヨタは、従来…

Image credit: Pixabay

中国が世界の電気自動車(EV)開発を牽引する努力を続ける中、遅れて出てきたトヨタは7月に発表していた中国の自動車メーカー BYD(比亜迪)との提携関係を構築しつつある。まだ初期段階にある中国の EV 市場の多くを取り込むのが狙いだ。

重要視すべき理由:トヨタは EV に向けた世界的な加速に追いつくことを目指している。EV は長年、日本の自動車大手の間であまり音沙汰が無かった領域だ。

  • トヨタは、従来のハイブリッド車と水素燃料電池技術に重点を置き、それまで EV 車を販売する計画を明らかにしてはいなかったが、2017年後半に2030年までに EV を550万台販売する目標を設定した。これには100万台の完全 EV と燃料電池車が含まれる
  • 今年6月、同社は EV の人気が急上昇していることを理由にその目標を2025年まで前倒しした

詳細情報:トヨタと BYD は7日、中国市場向けのトヨタブランド EV や関連部品をを開発・製造するため、出資額折半の合弁会社を設立することで合意したと発表した。

  • この合弁会社は2020年に設立され、両社の研究開発に関わるエンジニアや従業員で構成される予定。出資額は言及されていない。
  • BYD のスポークスウーマンは8日、TechNode(動点科技)に対し、経営チームをどうするかについて現在議論がなされているとした。これには、会長がトヨタから、ジェネラルマネージャーが BYD から派遣されることが含まれる。詳細はまだ最終化されていない。
  • このニュースにより、7月に BYD との提携を発表したトヨタにとって、2025年までに少なくとも10台の新 EV を中国市場に投入するとした計画の一部が現実的なものとなった。

EV の広範な利用を広めるという共通の目標を持って、BYD とトヨタが競合ではなく協業できるチームメイトという存在になれることに感謝する。我々は BYD との新会社への注力を通じて、BYD とトヨタの両社を進化・拡大させたい。(トヨタ自動車取締役副社長 寺師茂樹氏)

背景:中国政府が外国投資の市場アクセスを撤廃した産業の支援を示す中で、従来から存在する自動車メーカーは中国で EV を受け入れる注力を強化しつつある。

  • フォルクスワーゲンは9月、2022年末までに100万台の EV 生産計画の一環として、今後数年間で少なくとも10台の新しい EV モデルを中国で提供する計画を発表した
  • ダイムラーは、12月に開始されるメルセデス初の中国製 EV の納入計画や、2022年に全電気スマートカーを販売する Geely(吉利)との合弁会社など、中国でのフットプリントを拡大するために EV に関連する一連の動きを実行している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】