血反吐を吐きながらでも積み上げていくーーレコメンド型お部屋探しサービス 「ietty」がiOSアプリをリリース

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レコメンド型お部屋探しサービス 「ietty」が、今週iOS向けアプリをリリースした。

「ietty」は、希望する物件の条件と内覧希望日を登録すると、複数の不動産会社から物件の提案が届き、そのままチャットで物件に関して相談することができる。中には数百万円をietty経由で売り上げている営業の人もいるというこのサービスの肝は、チャットによるコミュニケーション。

よりコミュニケーションの要素を強化するために、今回のiOSアプリのリリースに至った。ietty代表取締役社長 小川泰平氏は、

小川氏「ietty上で交わされるメッセージ数は毎月伸びています。iettyはアプリとの親和性が高いことはわかっていましたが、アプリは一度リリースするとアップデートが難しかった。ようやく、アプリをリリースできるところまで数字が伸びてきました。リリースしたばかりですが、すでにiettyを見ている人はアプリとブラウザで半々くらいになっています。

物件は情報量が多いため、すべてをアプリに集約させるのは難しい。ブラウジングとチャットをハイブリッドで成長させていかなくてはいけません。ただ、不動産会社との連絡など、アプリ上でワンストップでやりとりできるのことも大きなメリット。今後、アプリを大きく改善していきます」

とアプリをリリースした背景についてコメントしている。iettyが目指しているのは、ユーザと不動産会社の関係が引越の時だけの付き合いではなく、一生付き合えるものになることだという。

そのため、不動産会社には「ユーザと一生付き合えるような会社を目指しましょう」と訴えかけ、物件を探している人にとってはニーズを投げてもらえたら、iettyがネットワークしてる不動産会社で面倒を見ることができる状態を目標としている。

iettyというサービスの考え方に合っているかどうかも不動作会社を選ぶ上での重要な点だ。合わないところは解約しているため、不動産会社の解約率も高くなっているそうだ。「私たちと同じ方向を向いている、iettyのサービスに合う不動産会社だけを残しています」と小川氏は語る。

来年、全国対応へ

iettyは、来年早々から全国の政令指定都市に展開する。企業向けのプラン「ietty Biz」を提供してることもあり、大企業の視点が多い都市から進出していく。そのためのヒアリングはすでに始めているという。

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「ietty Biz」はベネフィット・ワンが提供する福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の会員や、ワイルドカードが提供する企業の採用担当者向けのサービス「Ambitious Admin」の利用者に向けても
提供されている。

活動の幅が拡大しているiettyは人員も増強中だ。現在、全体で35名。開発と営業のメンバーが同じくらいの人数となっている。現在のオフィスでは手狭になってきたため、現在のオフィスの付近にもう一つオフィスを借り、開発拠点と営業の拠点を分ける予定だ。

肉食系のスタートアップ

自分たちは肉食系のスタートアップ、そう語る小川氏。コーポレートサイトに掲載している同社の行動指針も印象的だ。

  • ユーザーファーストを貫く
  • やると決めたら徹底的にやり抜く
  • 素早く動く、泥臭いことを厭わない

小川氏「これまで3期会社を経営してきて、奇跡を期待したアクションはことごとく成果を上げてきませんでした。地道に積み上げてきたものしか残らない。土台は積み上げないといけない、一年間着々と土台を積み上げてきてアプリのリリースまで来ました。社内では「血反吐を吐きながら積み上げるんだ」と言っています」

この姿勢はスタートアップには珍しい。だが、これだけの熱量がなくては、不動産業界を変えるようなビジネスはできないのだろう。iettyは来期の売上4億円を目標としており、ietty Bizも100社の獲得を目標としている。

まだ発表できないこともあるとのことなので、来年の同社の動きに期待したい。

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