シリコンバレーの投資家が語る、日本でシリコンバレーを作るためにはどうすれば良いのか

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(@djtokyo & Nils Johnson)

Startup Dating: まずは自己紹介をお願いします。

Nils Johnson: 私はシリコンバレーでメイクのチュートリアルだったり、商品レビュー等を集めるコスメティックに特化したコミュニティーとコンテンツサイト「Beautylish」の共同創業者です。「Beautylish」はSV AngelのRon Conway、YouTube共同創業者のSteve Cheng、PayPal共同創業者のKeith Rabois等が出資しています。

シリコンバレーでエンジェル投資家もしています。シリコンバレーだけで20社以上投資していて、Shanda Gamesに買収されたMochi Mediaや Y-Combinatorから出ていてるスタートアップのWePay, DailyBooth, ReThink DB, HipMunk, Optimizely等があります。

また東京にあるスタートアップアクセラレーター「Open Network Lab」のメンターもしています。シリコンバレーでY-Combinatorが始まってからすでに5年以上経過しているのですが、毎年どんどんクオリティーの高いスタートアップが現れています。東京で「Open Network Lab」が始まったニュースを去年聞いたとき、これが日本のY-Combinatorになると思い、メンターになる決意をしました。

私は「Open Network Lab」と一緒にシリコンバレーのノウハウ、メンター、経験、そしてネットワークを日本に持って来るコラボレーションに取り組んでいます。こうすることによって日本から世界へ挑戦できるスタートアップが次々と生まれると思っています。

Startup Dating:シリコンバレーはどうして日本にはないのでしょうか?作るために何をするべきでしょうか?

Nils Johnson: まず文化が違います。シリコンバレーではリスクとることを勧める文化になっているのです。自分が取ったリスクや、失敗してしまったことをみせびらかすような環境になっていて、失敗してもまた次のアイディアに乗り換えるだけなのです。

一方で日本はリスクを恐れる文化です。まずやるべきことはリスクを恐れない起業家のコミュニティーを作り、そのような文化を広げる事だと思います。それと失敗者を完全にシャットアウトするのではなく、温かく招いて次のアイディアに乗り換える手助けをするのも大事でしょう。一回目のトライで成功する人は少ないです。Twitter、Zynga, Square、Slide、Grouponは、すべて創業者が二回目以降のトライでできた会社です。

日本ではリスクを恐れない起業家のコミュニティーができつつあります。先日代官山でイベントを開催した時、熱い起業家が沢山集まっていました。こういうイベントで人と人がつながり、助け合い、そしてそんな文化を広めることが大事なのです。

シリコンバレーで起業家がお互いを助け合う文化を始めたのはPay Pal マフィアといわれている人たちでしょう。なかでも有名なのはJeremey Stoppleman (Yelp), Keith Rabois (Square), Max Levchin (Slide), Reid Hoffman (Linkedin), Steve Chen (YouTube)。 PayPalがEbayに買収された後、主力メンバーがPayPalを離れてそれぞれ自分たちで会社を立ち上げています。

そこで成功した人は投資家やアドバイザーという形で起業家のコミュニティーにおかえしをしています。実際、Pay Palマフィアの中でKeith、SteveとJeremeyは私の会社に出資をしてくれています。日本にはPayPalマフィアのように、起業に成功した経験者が若い起業家を支援する必要があるでしょう。

Startup Dating:スタートアップのためにメディアや政府が果たす役割は?

Nils Johnson: シリコンバレーではTechCrunch, Mashable, RWW等のメディアも大きくスタートアップ文化の向上に貢献しています。スタートアップをするのは非常に孤独で誰も注目してくれないものです。だからTechCrunch等がスタートアップを沢山フィーチャーしていることで皆が注目してくれるようになります。

メディアが「スタートアップをすることがすごいカッコイイ!」というブランディングをしてくれているのです。それでどんどんスタートアップの世界に興味を持ってくれる人が米国で増えています。日本のメディアも次々と起業家をいろんな媒体に露出させるべきでしょう。

最後に、米国の政府はスタートアップをすごく大事にしています。中国に抜かれるかもしれない危機感を感じているので国がスタートアップの生まれやすい環境を作ろうとしているのです。最近では外国籍の人が米国で企業するためのビザを発行する動きを開始したり、SECが資金調達をしやすくするために規制の変更等をしています。日本も国全体でスタートアップを支援することをもっと大事にするべきです。

インタビューア:@kigoyama
翻訳:@djtokyo

 

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