Paul Graham氏が語るスタートアップ・アイデアを得るための5つの実践的なステップ

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Finding-ideasAntoine Déroche氏はiOS/Android向けのモバイル書式制作アプリケーションDatafieldのCEOで共同設立者だ。

彼は現在成功を収めている会社を数社設立しており、その中にはベトナム・ホーチミン市を拠点とするモバイルエージェンシーも含まれる。彼へのコンタクトは@DatafieldappまたはLinkedInから。

スタートアップ設立のアイデアはどのように思いついたのか?

スタートアップエコシステムの中で進化している私たちにとっては、いわゆるプロダクト/マーケット・フィットの中で自身のマーケットを見出したり、創り出したりできる適切なプロダクトのアイデアを模索し、夜も眠らずに過ごすことは当たり前のことだ。

このトピックに関してはEric Ries氏の「Lean Startup」、Guy Kawasaki氏の「The Art of the Start」など多くの文献や書籍があり、どれもがアイデアから100万米ドルの収益を上げるまでのスタートアップの立ち上げ、運営に関する有益なアドバイスを提供している。

しかし、書籍がどんなに実用的なアドバイスを与えてくれるとしても、それらを読むことによって夜中にスタートアップのアイデアが生まれることはない。

Paul Graham氏のアドバイス

私が読んだ中でプロダクトのアイデアを見つけるのに最も役立った言葉の一つは、スタートアップの第一人者Paul Graham氏のものだ。よく知られているようにPaul Graham氏は自身のエッセイ「How to get start up ideas」の中でこう述べている。起業家は「未来に生き、面白いと思えるものを築く」必要がある、と。

この言葉はタイムマシンを使うことができない私たちにとってはとても恐ろしいことかもしれない。しかし、Graham氏の言葉は少なくとも5つのはっきりとした強いアドバイスを起業家にもたらしてくれる。

      1- 解決する必要がある現実問題に対処するスタートアップを設立すること。そうするための唯一の方法は、実際に物事を行いその時の苦労を感じることだ。考えるのをやめ、日々の生活から苦労を感じることだ。
      2- 非効率的で決まったやり方に疑問を持つこと。それらは反復される手作業、無用な仲介役あるいは退屈な繰り返し作業という形で現れる。新しいツール、テクノロジー、ソフトウェアを駆使してより早くより良い形で達成可能性な目標を定めること。そして目標を作ること。
      3- 常にビジョンを持つこと。今取り組みたい課題がわかっているのだから、現実的でありながら未来志向の解決策を見つけること。未来を予見しなければならないので、この部分は注意が必要だ。技術面での解決策より人間行動の面から見つけるべきだろう。よりシンプルに物事を行う方法を編み出すこと。技術にでしゃばらせない方が良い解決になる。
      4- 地に足をしっかりと着けること。100年後の世界がどれほど近代化しようと、設立したスタートアップを3年から5年の間に軌道に乗せる必要がある。習慣はなかなか消えず、ほとんどの人は変化を好まない。世界を変えようとするのではなく、謙虚に一つの問題を解決し、意味のある(物事を悪くさせるのではなく、容易にするような)方策を考え出すことだ。
      5 – 反復することが成功の鍵だ。他人より未来像を描くのが上手な人がいたとしても、それを実現する魔法などない。ユーザがあなたの製品で得るものがあったと思うまでには時間がかかる。開発、リリース、そして改良、この繰り返しを絶え間なく行うことだ。

このアドバイスをどう実践したか

どうやって、このような方針を当社で実践したのか?私が、銀行、ホテル、病院や役所に入ってゆくたび、どうせまた登録に必要な書類を山ほど書く苦行をさせられると、初めからわかってしまう。

病院では、初診時に登録書類をカウンターで書かなければならないし、銀行では取引内容によって書式も異なる。最悪なのはたぶん役所で、管轄する部署毎に書類を用意しなければならないため、その度に全く同じ内容を書かなければならない。

次の段階はもっと滑稽だ。私の目の前にいる係員は、そういった同じ記載内容を職場のシステムに登録するわけだが、私のひどい手書きのせいで名前の綴りを教えてほしいと頼むことになる。そして彼女は入力ミスをしてしまう。作業内容が退屈だからだ。

チェックインの手順を単純にできないものか?2013年にもなって、非効率的な手作業に時間を費やすというのはいかがなものか?チェックインの処理はテキパキと進めるべきだ。

ということで、以上が、ユーザ登録やチェックイン時にどのカウンターでも表示可能なタブレット上のアプリケーションを私が開発することを決めた経緯だ。ペーパーレスのチェックイン処理の利点は大きく、人々の行動を変える程になるだろうと確信している。

Paul Graham氏が言ったとおり、Datafieldは将来面白いものになると期待している。そしてそう実現させてみよう。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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