[Echelon 2012] Echelon2012で感じた、アジアのテックシーン4つのポイント

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

Echelon2012のまとめとして、今回、私個人が得たことをいくつか挙げよう。

モバイルを無視することは、もはや不可能

モバイルの世界は巨大だ。5月初めころ、TechCrunchはFacebookにアクセスするのがウェブアプリではなく携帯電話を使っている人の方が多いと報告しており、今月初めのad:tech Singaporeの記者会見で、Google でシンガポールと新興市場のカントリーマネージャーを務めるLoren Shuster氏も、モバイルがさらなる成長を後押ししているという事実を明らかにした。モバイルに戦略の無い会社は、全く戦略を立てていないのに等しいということだ。企業はこれ以上モバイルを無視することができず、Echelonのほとんどのスピーカーがそれに同調を示していた。徐々にではあるが、モバイル企業のイグジットやM&Aを目にすることが多くなり、主流のテック企業はより大きな勢力に合併統合されていくだろう。自社の強み、人材、資産を武器にして、モバイルアプリの世界でも同じことが起きるであろうことは確実だ。

感情、そして、インタラクション・デザインへ

個人的には、Echelonのハイライトは、ステージに立ち注目を集めたKiipの創設者であるBrain Wong氏の話だった。最近、私は感情や人間の心理的な欲求が尊重されるべき、という考えに強く魅了されている。私たちは毎日、感謝されることや報酬を得ることを期待して活動している。私が書いた、SnapDish についての記事では、「誰が閲覧したか」を確認する機能が、うまい具合に実装されてることを述べた。この機能によりユーザはどれだけ自分が注目されたかを知り、より多くアクセスするモチベーションとなる。これは、うまくデザインされたユーザインターフェイスがいかに重要かを示している。

ひらめきを与えるような言葉にも、同じことが言える。例えば、あなたのFacebookのウォールにモチベーションを上げたり、ひらめきを与えるような言葉を掲載したら、あなたはもっとLikeを得られるだろう。それらの言葉は、感情的な反応を呼び起こすからだ。スタートアップはユーザがプロダクトに対してどう反応するかを注意深く研究し、よりユーザをインタラクティブに獲得する要素を真剣に考え抜かなければならない。もはやデザインが美しいだけではなく、ユーザを獲得できるインタラクティブなデザインが求められている。個人的には、まだ人間心理をデジタルの世界で効果的に商売に結びつけられている企業は存在しないと思う(間違っているかもしれない)。しかしKiipはその方向に進んでいるように思う。

アジアは成長市場

間違いなく、アジアは次の成長とイノベーションの原動力となるだろう。そろそろ、この地域のスタートアップの起業家が、アジアで初めて、アジアのためとなるプロダクトを作るべきだ。スタートアップは既に欧米で確立されたコンセプトをマネしたり、ローカライズするだけではイノベーションを起こせないと理解すべきだが、世界の一部で抱えている問題を解決するプロダクトを作れば、それもイノベーションになり得る。工場労働者をターゲットとしている、タイのスタートアップBuilkはそれを体現しており、Echelonの審査員の票を集めて、Echelon Pitchで優勝した

アジアの投資事情

もう一つ、私がパネルディスカッションで感じたことは、シンガポールにしても、他の地域にしても、インキュベーション・ファンドが多いことだ。彼らも価値のあるスタートアップに投資しようと、常に市場を見渡している。日本パネルのパネリストが言うには、問題は適切な投資家に出会えるかどうかにかかっている。よく私達が不満に思うのが、アジア地域のファンド、シード/シリーズAを対象とした投資家の少なさであるが、果たして私たちが投資家を唸らせるような、魅力のあるプロダクトを持っているかどうかを考えたい。個人的には、今は起業するのに良い時期であると思っている。なぜなら、正しいチームと、 あまり目にはしないけれど、魅力ある良いプロダクトを持っているなら、投資家の方からあなたを訪れるだろう。もう一つ私達が自身に問いかけなければならない重要な質問は、現実世界の問題を解決するために起業するのか、投資してもらうために起業するかということだ。ほとんどのスタートアップが、前者に属していることを願ってやまない。

【via e27】 @E27sg

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